sports-freak.blog
観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



来年の欧州選手権EURO2008の一般向けチケットの第1次申し込みの締め切りは今日3月31日までである。厳密に言えば、欧州の3月31日いっぱいなので、日本の場合は、明日4月1日の朝7時ということになる。

ワールドカップと欧州選手権を追いかけていると、本当に時がたつのがはやい。W杯のチケット申し込み→W杯本大会→欧州選手権のチケット申し込み→欧州選手権の本大会、と準備と本番が毎年やってくるからだ。ぼくにとっては、1990年のイタリアW杯からはじまって、5サイクル目の前半が終わり、いよいよ後半の準備になる。

EURO2008の会場はスイスとオーストラリア。ともに小さな国だが、横長の国が横に並んでいるので、なんとも移動がやっかいである。できれば準々決勝の4試合を見たかったのだが、ウィーンとバーゼルの2カ所で交互におこなわれる。ウィーン→バーゼル→ウィーン→バーゼルと1往復半の飛行機移動は、カラダにも、サイフにもきつい。

思い出してみれば、2000年のベルギーとオランダの共催大会も同じような条件だったような気がする。だから、2000年はオランダの会場を中心にグループリーグを見たのだった。

というわけで、来年は、と考えた結果、はじめにオーストリアのウィーンに入り、その後スイスで何試合か見ようと思う。各地の3万人規模のコンパクトなスタジアムは魅力的なのだが、それだけにチケットが当たるかどうかが心配である。それに、ホテルの確保か……。

2年に1度やってくる、W杯やEUROのチケットやホテルの確保にかかる苦労も、実は試合観戦以上に楽しい時間だったりする。サッカーにまつわる楽しみは尽きない。


コメント ( 0 ) | Trackback (  )




U-22日本代表 3対0 U-22シリア代表
(2007/3/28 国立競技場)


香港とマレーシアを相手に苦戦をしていたので、試合前はかなり心配だったが、前半の15分が過ぎたあたりからは、安心して、のんびりと日本のパフォーマンスを見ることになった。

「安心して」見ることができたのは、シリアが予想を大きく下回る出来だったからだ。

シリアは、前半7分に先制したように見えたが、主審がシリア側のファウルを宣告し幻となった。その後も、何度かシリアの攻撃陣は、スルスルと日本のペナルティエリアに侵入するも、決定機までをつくることはなかった。それでも、攻撃陣はまだましだったが、守備がボロボロだった。日本の攻撃に対して、ボールにはマークにいくものの、ほとんど棒立ち状態で、ずるずると下がるばかり。日本のパスが面白いようにつながるのも当然だった。

「のんびり」と見ることになったのは、日本が完全に支配しているのに、なかなか得点できず、どこかピリッとしなかったため。好プレーとためいきの繰り返しに、見ているほうの緊張がゆるんだ。

日本は、前半10分ごろの梶山のミドルシュートからペースをつかみ、15分に、同じような位置から家長が右足で先制ゴールを決める。左足のスペシャリストのイメージをもっていた家長が「右足」で決めたことにちょっと驚く。その後、前半の日本は、パスとオーバーラップ、インナーラップを組み合わせて、何度もチャンスをつくるが、ツメが甘く追加点は、平山のヘッド1点に終わった。

後半、引き続き日本の攻撃が中心になると思って、アウェー側からホーム側へと席を移動。前半ほどの運動量はなくなったが、後半も攻め続ける日本。しかし、相変わらずゴールが遠い。結局、香港戦のような微妙な位置でパスを受けた平山が追加点を決めただけに終わった。もっと、簡単に決められそうな場面があったのに。

スムーズに攻撃しているようでも、互いのコミュニケーションの小さなズレがゴール前で大きなズレとなって表れるのか。そんなことを考えながら、冷え込んできた国立競技場を後にした。

コメント ( 0 ) | Trackback (  )




日本対ペルーの試合の前に、スタジアムで会った友人が言っていた。

「せっかく、俊輔と高原を欧州から呼んだのなら、今日だけじゃなくて、火曜日にもう1試合できないものだろうか」

ペルー戦のあった週末と次の水曜日は、国際マッチーデーに設定されていて、欧州ではEURO2008の予選2試合をこなすことになっている。欧州の国内リーグが再開するのは、次の土曜日か日曜日だ。

日本代表として、土曜日(3/24)にペルーと対戦し、中2日おいて火曜日(3/27)にもう1試合やったとしても、早ければ水曜日の夕方には欧州に戻ることができる。十分ではないだろうが、土曜日の試合までにはコンディションを整えることはできるだろう。

また、対戦相手だったペルーの力不足を指摘する声も多かったが、ペルーとは別のチームを用意できれば、対戦相手の力不足というリスクの回避にもなる。貴重な国際親善試合から、より大きな成果をえられるように、マッチメイクに工夫をしたい。

今回、日本がペルーと試合をした同じ日に、韓国はソウルにウルグアイを迎えていた。そして、韓国も、パク・チソンら欧州組を召集しているにもかかわらず、1試合しかやっていない。

ならば、ペルーの次にウルグアイとの試合を組むことはできないかと考えた。そして、韓国もペルーと戦うのである。対戦相手のペルーとウルグアイにしても、わざわざ地球の裏側まで来て、1試合で帰るのももったいないし、2試合こなせば、当然、出場料も増えるだろうから、おいしい話ではないか。

日本だけ、ペルー、ウルグアイの2連戦というのも考えられる。しかし、遠路はるばるやってくる南米や欧州のチームへのメリットも考えるならば、日本、韓国、さらには中国が協力し合って、南米や欧州のチームも東アジアで連戦できるようにすれば、お互いに有意義な親善試合を組めるようになるのではないか。

コメント ( 1 ) | Trackback (  )




日本代表 2対0 ペルー代表
(2007/3/24 横浜国際総合競技場)

試合全体を通して日本代表が負けるという気はしなかったが、かといって、快勝、完勝という内容にはほど遠かった。

欧州から召集された俊輔と高原が先発した日本代表は、中盤より後方でパスをまわしながら好機をうかがうものの、バイタルエリアへの進入が思うようにできなかった。俊輔と高原が入ったことによる不調和と、チームとしてまだまだ発展途中という2つの要因があると思うが、どちらかというと前者のほうが大きかったのではないか。

俊輔とともに攻撃的中盤だった遠藤や守備的中盤の阿部が、どこか遠慮がちにプレーをしていたように見えたし、高原、巻のフォワードとのコンビネーションもいまいちだった。前半、俊輔のフリーキックから巻のヘッドで先制したものの、ほかに印象に残ったシュートシーンはなかった。むしろ、中盤でのパス回しのなかでのイージーミスが目立った日本代表だった。

前半は、日本よりもペルーの方が賢いサッカーをしていた。「親善+アウェー」モードの試合らしく、守備を固めてカウンターというプランを実践していた。ただし、その守備は、徹底的にひいて守るのではなく、前線から日本選手をまるめこみ、パスミスを誘うような絶妙なバランスがあった。ペルーが勝ちを意識していたら、何度かあったカウンター攻撃で、もっと決定的なチャンスをつくっていたことだろう。

今回のペルーの選手の詳細はわからないが、どんな選手で構成しても、壁パスを連続してシュートゾーンに迫ったり、無理かと思うような場面でもドリブル突破したりと、ブラジルやアルゼンチンとはちがった「南米らしさ(=ペルーらしさ?)」を感じさせるのは、凄いことであり、素晴らしいことである。長いサッカーの歴史のなかで、培われてきた「スタイル」があるからこそ、なせることなのだろうと思う。

後半、高原が追加点を決めると、ペルーは一気にペースダウン。それに対して、日本は、阿部に代えて中村憲剛を投入。憲剛が入ったことで、横パスから縦への攻撃的なパスが増える。前半から何度も左サイドを上がっていた駒野に、単なるサイドチェンジではない、受けた後にチャンレンジしやすいパスが供給されるようになる。終盤、俊輔、高原らに代わって、家長、水野、藤本らのフレッシュなメンバーが入ると、日本の攻撃はさらにスピーディーになった。3点目を奪うことはできなかったが、可能性、将来性を感じさせる終わり方だった。

この試合の前に開かれていた「サロン2002のシンポジウム」のなかで、横浜F・マリノスの育成担当の池田氏が「日本のサッカーのスタイルは、明らかに『パスサッカー』『パスゲーム』へと向かいつつある」と言っていた。ペルーと戦った日本代表のサッカーは、まさしく「パスサッカー」だった。しかし、前半は「パスをつなぐためのパスサッカー」だったのに対して、後半は「ゴールを奪うためのパスサッカー」になっていた。

日本サッカーが向かっているスタイルとオシム監督が目指すサッカーのベクトルは合致している。やはり、課題は、海外でプレーする選手たちとの融合ということになる。

コメント ( 0 ) | Trackback (  )




日本代表 2対0 ペルー代表
(2007/3/24 横浜国際総合競技場)

ぼくにとって、この試合の一番のサプライズは、サッカー日本代表の試合のプログラムの値段が300円だったことだ。

B5版とこれまでよりも小さかったが、52ページの冊子にB4版2つ折の日本代表メンバーリストが付いていた。日本代表のリストが付録なのは(=本にできなかったのは)、なかなか代表メンバーを発表してくれないオシム監督のせいだろう。冊子の中身は、あいかわらず広告が多いものの、いろいろな情報がコンパクトにまとまっていて、なかなか読みごたえあり。かなりお得な感じがした。

いつもなら、試合後にもプログラムの売り子さんの声が聞こえるのだが、この試合の帰りには、その声は聞こえなかった。観客数は6万400人だった。目論見通りに売れたのだろうか。

なぜこんなに安い値段に設定したのか、そして、ちゃんと売れたのかどうか。このプログラムの製作に携わっている友人に、今度聞いてみたいと思う。

コメント ( 0 ) | Trackback (  )




現地滞在2時間の京都出張に行ってきた。

その京都駅八条口にあるBerryCafeのショーウィンドウが通りがかりの人たちの注目を集めていた。なんとも鮮やかなケーキがずらりと並んでいた。やや毒々しくもあるが、シズル感もあるという、かなり微妙な色合いがズラリと並ぶ。「本物?」「食べられるの?」なんて声がとびかう。

打ち合わせを終えた後の甘いものが恋しい時間だったが、メタボリック症候群が気になることもあり、じっと我慢をして写真撮影だけにした。楽しみは次回の出張にとっておこう。

というわけで、ネタ切れということもあり、いかにもブログっぽいものを書いてみたわけだが、いよいよ明日は、横浜で、サッカー日本代表対ペルー代表がある。やはり、ポイントは中村俊輔と高原だろう。先発で起用されるのか。国内J組と融合するのか。

明日の試合、中村俊輔と高原の相手は、ペルー代表ではなくて、日本代表のチームメイトである。

コメント ( 0 ) | Trackback (  )




恒例のビバ!サッカー研究会の延長戦(飲み会)でのこと。サッカーファン、関係者なら誰でも知っているサッカー指導者の熱弁を聞いた。本人に、その話をブログに書くことの承諾を得ていないので、匿名で紹介したい。

高校選手権で日本一のチームを育てた実績のあるその方は、「ぼくがJリーグのあるチームの監督になったら、2年で優勝させますよ」と言った。お酒の勢いではない。なぜなら、その方は車で来ていて、ウーロン茶しか飲んでいなかったからだ。

「だって、Jリーグは18チームしかないじゃないですか」

その方の持論は「他と違うことを徹底的にやることが勝利への道」ということだった。だから、Jリーグならば、他の17チームがやっていないこと、できないことをやればいいということである。

Jリーグならば18チームだが、高校サッカーならば4000を超える数になる。その中で、実績を残してきたのだから、その方の考えもわからなくはない。ぼくの隣で聞いていたそのチームの熱烈なサポは、「そう簡単なものじゃないのよ」と、かなり不満顔だった。

確かに、たとえ18チームといえ、そのなかのナンバーワンになることは容易ではないだろう。しかし、その方だって、難しさは十分承知のはずだ。なのに、2年で優勝できると言ったのは、今のJリーグの監督やコーチが、あたりまえのことしかやっていないことがはがゆくてしょうがないのではないか。ぼくは、そう思って納得していた。

コメント ( 0 ) | Trackback (  )




川崎フロンターレ 6対0 横浜FC
(2007/3/17 NHK BS1)

J1屈指の川崎の攻撃力に、横浜FCの守備が完全に崩壊した。

開幕戦の浦和と2戦目の横浜F・マリノスとの戦いでは、なんとかもちこたえた横浜FCの守備陣だった。ベテランのリードによる集中した守備は、自信をつけることでさらに強固になると思ったが、昨シーズンの最多得点を誇る川崎はそんなに甘くはなかった。

中村憲剛のミドルシュートがポストを直撃したあたりから、川崎の選手が、サイドで、中央で、自由に動き回り積極的にシュートを狙いだす。FCの守備陣は、川崎のスピードにまったくついていけず、ぎりぎりのところでのクリアを繰り返すばかりだった。

過去2戦、FCの守備陣は、バイタルエリアに集中した堅いブロックを築いていた。しかし、この試合では、そのバイタルエリアで、マギヌンやジュニーニョらをフリーにすることが多かった。守備意識、守備戦術が徹底されていなかったように見えた。

FCについて、守備面以上に気になったのは、後半、川崎の森が退場になり、1人多くなったにもかかわらず、もちろんリードされているのに、攻撃を仕掛ける姿勢があまり見られなかったことだった。実際には、技術力、組織力、体力の差で、攻撃を仕掛けることができなかったというのが正直なところだろうが…。

ハーフタイムの監督インタビューで、FCの高木監督は、サポーターのためにも、後半、気持ちを切り替えて戦うと言っていた。しかし、それは実現しなかった。

挑戦する姿勢が萎えてしまった横浜FCに失望を感じた試合だった。

コメント ( 0 ) | Trackback (  )




浦和レッズ 2対0 ヴァンフォーレ甲府
(2007/3/17 TBSテレビ)

浦和の閉塞感を打開したのは、ポンテの個人力だった。ポンテの広い視野と正確なパス技術が、浦和の2得点をアシストした。

0対0で迎えた後半、左サイドでポンテのヒールパスを受けた闘莉王がダイレクトでクロスをあげた。それを、センターでディフェンダーよりも体ひとつ前に出たワシントンがゴールに流し込んだ。

2点目も左サイドから。ポンテが右足アウトサイドで甲府の最終ラインとゴールキーパーの間の微妙な位置にクロスをあげ、やはりワシントンが一度はGKにはじかれたものの、こぼれたボールを冷静にゴールに蹴りこんだ。

幻となった3点目もポンテがディフェンダーと競り合いながら、フォローにはいったワシントンに丁寧なパスを提供した。ワシントンがダイレクトで右足を振りぬいていれば、ハットトリックを達成していただろうが、ワントラップしたために甲府のディフェンダーに寄せられて、ゴールを阻まれた。

前半から浅いラインを保ち、丁寧に細かなパスをつなぐ甲府のペースで進んでいた試合だった。浦和は、強引過ぎるシュートで、何度かチャンスをつぶしていた。選手同士の意図の疎通が十分でなく、味方に対してクレームをつける姿が目についた。ゼロックスカップでの大敗以降、シーズンが始まっても、思うようなサッカーができていない浦和。この試合でも、余裕の表情のなかに、募るイライラも感じられた。

しかし、そんな浦和の嫌な雰囲気を、ポンテの軽やかなプレーが消しさった。ポンテのプレーの特徴は、いつでも、どんなときでも、体に無駄な力が入っていないことだ。そこから配給されるやわらかなパスはシューターにとって絶好のものであり、軽く蹴りだされるシュートは、ゴールキーパーをあざ笑うようにゴールに吸い込まれる。

2点をリードした後半30分。浦和は、ネネに代えて長谷部を投入。最終ラインが坪井、闘莉王、阿部。中盤が、鈴木(啓)、長谷部、山田、小野、ポンテ。そして2トップが永井とワシントンとなった。今シーズンの浦和が理想とする豪華な布陣になった。

前年度の2冠王者、浦和レッズのエンジンが、いよいよ温まってきたようだ。


コメント ( 0 ) | Trackback (  )




WJBLプレーオフ・第5戦
富士通 57対59 JOMO
(2007/3/14 NHK BS1)

JOMOサンフラワーズが、59対57の2点差でプレーオフ第5戦を制し、2006-2007のWリーグの女王の座についた。勝因は、高さと若さと伝統か。

高さとは、もちろん、センターの山田(192cm、108kg)である。第3戦で、37分という長い時間プレーし続け、38得点をあげたことで、大きな自信をつけたように見えた。第4戦、第5戦でも、コートに立ったときには、落ち着き払ったプレーぶりで、自ら得点しながら、味方の好プレーをリードした。山田の存在がJOMOの精神的支柱になっていたことは明らかだ。

キャプテンの大神、新人の吉田、“火の玉ガール”立川の若さあふれるプレーは、さいごまで失速することがなかった。ときにミスも重ねたが、積極さゆえのものだった。試合前のベンチの様子がテレビに映ったとき、富士通の選手がみな青ざめた表情をしていたのに対して、JOMOの選手には明るさがあった。スタメン5人の平均年齢は、富士通の29歳に対して、JOMOが24.8歳だった。第5戦に出場した7人では、27.6歳と23.2歳だった。1週間で5試合を戦わなければならなかったプレーオフ。JOMOの若さが大きな武器になったことも明らかだった。

そして、“伝統”である。日本航空、富士通、トヨタの台頭によって、1990年代から続いてきた、JOMOとシャンソン化粧品の2強という構図が変わりつつあるようだが、結局、Wリーグの女王に輝くのは、JOMOかシャンソン化粧品なのである。正月の全日本選手権では、日本航空や富士通が優勝しているが、リーグの女王には、あと一歩届かない。これこそが、目に見えない、言葉で言い表せない“伝統”の力なのだろう。

富士通にとっては、第3戦で、一気に勝ちきることが出来なかったことが、最大の敗因だった。第3戦で外角からのシュート確率を落としてから、立ち直ることができなかった。アウトサイド・シュートを武器とするチームの宿命かもしれない。

そのうえ、この日の試合では、第4クォーターに矢野良子が安易なファウルを重ねて、ファウル・アウトしてしまった。第1クォーターで、ファウルを2つしてからは、よく我慢してプレーしているな、と思って見ていたが、第4クォーターで集中力が切れてしまったようだ。

JOMOの若さと高さと伝統に対抗するための富士通の最大の武器は、エース矢野良子の経験だった。そのエースがコートから去ってしまったチームが勝てなかったのは、当然の結果だった。

コメント ( 0 ) | Trackback (  )




WJBLプレーオフ・第4戦
富士通 65対68 JOMO
(2007/3/13 NHK BS1)

JOMOが接戦を制して、優勝の行方はプレーオフの第5戦に持ち越された。

第1クォーターは25対10でJOMOが大きくリード。第2クォーターは、一転して20対8と富士通が爆発してJOMOに追いすがる。10分4クォーター制の面白さであり、難しさが表れた前半だった。後半は一進一退。第3クォーターに富士通が逆転したが、第4クォーター、JOMOのキャプテン大神が9得点をあげて、勝利を手繰り寄せた。

第3戦では、センター山田が得点を重ねることで勝利したJOMOだった。しかし、この第4戦は、山田をパスの起点にし、またおとりにして、立川や川畑が得点をかせいでいった。試合後のインタビューを聞くと、山田がいかに冷静にプレーしているかがわかる。2連勝したことで、自信もついてきたようだ。山田が192cmという高さを武器に、冷静にプレーをしているうちは、JOMOは大崩れしないだろう。富士通にとっては、ますますやっかいな存在になってきた。

富士通は、エースの矢野良子が沈黙してしまった。序盤の苦しい場面で、得意のフェードアウェーで、チームを救う場面もあったが、肝心の3ポイントが不発に終わった。2本放っただけで、成功は0。第3戦から気にしている、左薬指のアクシデントの影響があるのだろうか。

チームとしても、3ポイントの成功率が23%では、富士通に勝ち目はない。JOMOのディフェンスに押されて、外へ外へと広がってしまう傾向は、第3戦のままだった。外からのシュートの確率を上げるためには、チーム全員が、もっとインサイドで激しく動き、JOMOのディフェンスを縮める努力をしなければならない。

いよいよ女王が決まる第5戦。最終戦までもつれたプレーオフだが、さいごは意外と大差がつくような気がしてならない。カギを握るのは、両チームのエースである富士通・矢野良子とJOMO・山田。きわめて単純な予想ではあるが、エースが多く得点をあげた方のチームが優勝することだろう。

ぼくとしては、富士通のキャプテン、クールビューティ・三谷藍の優勝インタビューを聞けることを期待している。

コメント ( 0 ) | Trackback (  )




横浜FC対横浜F・マリノス
(2007/3/10 三ツ沢公園球技場)

開幕戦では、久保の衝撃的なゴールがあったものの、わずかな守備のアクシデントから浦和レッズに負けた横浜FCと幸運な展開から山瀬の個人技で勝利をものにした横浜F・マリノスの対戦。9年ぶりの横浜ダービーは、両チームの真価が問われる試合だった。

しかし、目を引いたプレーは、マリノスの山瀬と途中出場した新鋭、乾の切れ味鋭いドリブルだけだった。ただ、プレーとは違う次元で、三ツ沢劇場は盛り上がった。

試合開始1時間前には、スタンドはほぼ満員状態。アウェーのマリノス側の方がカラフルで、声も大きい。その声が最高潮に達したのが、試合直前の中田宏横浜市長の挨拶の場面だった。ホームとなる横浜FCに対して、「この試合で、J1初勝利をあげろ!」と叫ぶと、あとはマリノスのサポーターの大ブーイングで何も聞こえなくなった。

そして、選手入場。開幕戦はベンチだったカズが、寒風のなか半袖で登場した。試合開始直後のファーストタッチで、約40メートルのロングシュートを放ち、その心意気を示した。この日のカズは、ボールがうまく足につかない場面が多かったが、中盤の左サイドとして、後半途中で交代退場するまで、攻守に精力的な動きを見せた。

カズの意気込みに引っ張られたFCは、序盤から積極的に攻撃を仕掛けた。そして、前半7分、中盤の山口がゴール前に蹴りこんだロビングボールに、ディフェンダーの小村と早川が反応し、早川が軽く合わせたボールがゴールキーパーの頭を超えてゴールに転がり込んだ。よもやのFCの先制だった。目の前のできごとに、沈黙するマリノス・サポーター。

その後の主導権は、マリノスが握る。しかし、FCの守備は、どろくさく、しぶとく、えげつなく、したたかだった。GKの菅野、最終ラインの小村、早川らが体を投げ出して、ドリブル突破やシュートを阻む。いつの間にか、トップの久保がヘディングでクリアしていたりする。ときに汚いファウルもあり、必ずしもほめられたプレーばかりではなかったが、今のFCが勝つためには必要な要素でもある。前半は1対0でFCリードで終了。

ハーフタイムのスタンド裏は壮絶な混雑だった。狭い通路にはトイレに向かう長蛇の列。そこに、オシム日本代表監督が姿を見せたから、にっちもさっちもいかなくなった。ところで、オシム監督の目的は誰だったのだろうか。

後半開始直前、センターラインをはさんで対面した40歳のカズと18歳の乾が握手。手を差し伸べたのはカズだった。カズのペースに若手が引き込まれてしまうのか。

後半は、さらに防戦一方となったFC。しかし、J2時代から堅守でならしてきたFCらしさが発揮される。開幕の浦和戦では、ほころびが見られたが、この日の集中力はすさまじかった。

後半30分頃、FCはキャプテン山口に代わって難波が入る。難波は、山口が退場する前にピッチに走りこんで、レフェリーに注意を受ける。それを見た山口は、あえてゆっくりと外に向かい、両手で「抑えろ、抑えろ」というしぐさをして、はやる難波を落ち着かせる。ベテランならでのはふるまいが心憎かった。

試合は1対0のまま終了。FCが気持ちで奪った勝ち点3だった。攻撃面では、久保のミラクルに頼らざるをえないFCだが、堅い守備をベースに、勝ち点を重ね、自信をつけることが、まずは大事なことだろう。うまくいけば、シーズンの後半には、優勝を狙うチームにとって、やっかいな存在になっているかもしれない。

敗れたマリノスは、案外と重症ではないか。山瀬や乾、そしてマルクス、マルケスの外国人ら、それぞれの個人技は素晴らしかった。少なくともFCの選手よりは速く、巧く、鋭い。しかし、チームとして、組織として、機能しているようには見えなかった。最後には、長身のマイク・ハーフナーが投入されたが、ゴール前への放り込みに徹するわけでもなく、戦術が徹底されていないため、交代の効果はうすかった。

試合後にネットで、両チームの監督のコメントを読んだ。そして、FCの勝利とマリノスの敗戦に納得した。選手の熱い気持ちと監督の冷静な判断がFCの勝因だったようだ。




コメント ( 0 ) | Trackback (  )




女子W杯2007中国 プレーオフ・第1戦
なでしこジャパン 2対0 女子メキシコ代表
(2007/3/10 国立競技場)

女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」の勝利もよかったが、それ以上に、女子サッカーの魅力を十分に楽しむことができた試合だった。

女子サッカーの魅力とは何か?

「スピードや激しさでは、男子にかなわないが、テクニックやパスワークで魅せることはできるのではないか。どこか名人芸的な部分をアピールできたらいいのではないか」

ビバ!サッカー研究会の月例会で、男子サッカーという競合に対して女子サッカーが差別化できるところはどういうことか、という質問に対する、サッカージャーナリスト大住良之さんの答えである。

ぼくも同じような考えだった。そして、なでしこジャパン対メキシコ戦は、まさに個々の高い技術と戦術(=組織力)がうまくかみあった、そして反則の少ない、見ていてとても楽しい、とても気持ちのいい試合だった。とくに、両チームとも丁寧にパスをつなぐために、ボールがタッチラインを割る回数も少なく、試合全体の流れるようなテンポが心地よかった。

なでしこジャパンもメキシコ代表も、ともに技巧的なチームの対戦だったこともあるだろう。そういえば、同じ対戦カードだった前回のワールドカップの予選の試合について「華麗なり、日本女子代表」と題して、女子サッカーの魅力について書いていた。

振り返れば、女子サッカーに対して、4年前にも同じ印象をもっていたことになる。その間、テレビでしか見ていなかったがために、ぼく自身が女子サッカーの魅力を忘れかけていたようだ。

これを機会に、女子サッカーの会場にも足を向けよという声が聞こえたような気がした。その夜に、三ツ沢球技場で横浜ダービーを見たあと、あらためて昼間の女子サッカーの魅力を思い出していたことも覚えておきたい。


コメント ( 0 ) | Trackback (  )




WJBLプレーオフ・第3戦
富士通 68対76 JOMO
(2007/3/11 NHK BS1)

女子バスケットボール(WJBL)2006-2007シーズンの女王を決めるプレーオフの第3戦。普段なら代々木第2体育館で行なわれるが、改修中のため、船橋アリーナが会場となった。午前中に冷たい雨が降っていたこともあって、テレビ観戦とした。

第1戦、2戦は、富士通が得意のアウトサイドからの攻撃で、84対75、83対59と連勝していた。レギュラーシーズンの対戦でも、富士通がすべて勝っている。この第3戦も、序盤リードされた富士通が第1クォーターのさいごに逆転したところで、その勢いのまま、一気に女王の座をつかむかと思ったが…。

この日、後がないJOMOは、ディフェンスでは、終始マン・ツー・マン・ディフェンスで富士通にプレッシャーをかけ続け、オフェンスでは長身センター、山田久美子(192cm、118kg)にボールを集め続けた。シンプルな戦術を徹底することで、チーム全員の気持ちを強く維持することができていたような気がした。

富士通の切り札は、高確率の3ポイントシュートだ。第2戦では、33本放ち、18本を決めた。55%の確率で、83点のうち54点を稼いだ。特に第3クォーターは、シュート練習を見ているようだった。しかし、バスケットボールにおいて、しばしば、外角からのシュートは水物と言われる。ちょっとしたリズムの狂いが、シュート確率に大きく影響する。第3戦の富士通は、JOMOのプレッシャーのなかで、思うようにシュートを放つことができず、その確率も下がっていった。

それに対して、肝心なときに頼りになるのが、長身センターの力強いプレーである。ゴール下でのプレーは得点を重ねるだけでなく、相手にファウルトラブルというダメージを与えることもできる。この試合で、山田は、異例とも言える37分という長時間コートに立ち、チームの得点の半分となる38得点をあげ、富士通のキャプテン三谷をファウルアウトさせた。

この試合で優勝を決めたい富士通は、最後の追い上げという矢先に、エース矢野良子もファウルアウトし、万事休すとなった。これで、富士通の2勝、JOMOの1勝。引き続き、富士通の王手という状況は変わらない。しかし、第3戦の活躍で山田が自信をつけたことは、JOMOにとっては、これ以上ない明るい材料であり、富士通にとっては、実際の体格以上に大きな壁となるのではないか。

山田をどう生かすのか。山田をどうつぶすのか。1日おいての第4戦以降、プレーオフのカギを握るのは、両チームの山田対策であることはまちがいない。

コメント ( 0 ) | Trackback (  )




浦和レッズ 2対1 横浜FC
(2007/3/3 埼玉スタジアム2002)

ホームページからブログの形式に移行して、早くも2年がたった。ホームページに書いていた頃から、想定読者は自分自身だった。そして、それは今も変わらない。このブログは自分自身の記録のために書いている。そして、どうせ書くのなら、自分以外の人にとっても、多少なりとも刺激があればと思って書いている。

というわけで、これからは、生で観戦した試合・競技について、必ず「マンあるいはウーマン・オブ・ザ・マッチ」を書き残しておこうと思う。試合全体の印象や感想とともに、最も印象的だった選手の名前を残しておくことにする。

まずは、昨日3月3日のJリーグ、浦和対横浜FCから。で、いきなり、掟破りの2人の選出となった。横浜FCの山口素弘と久保竜彦である。

守備に徹した横浜FCだったが、その守備をまとめていたのが山口だった。相変わらず運動量は少なかったが、周りの選手を動かし、自分はフォロワーにまわって、効率よく動いていた。カウンターをくらったときに、浦和のドリブラーを必死に追いかける姿は、あたりまえの姿かもしれないが、感動的でもあった。いつ動けなくなるかと、意地悪な目で見ていたが、最後までもったのは見事だった。ちょっと失礼だろうか。

守備に徹した横浜FCのなかで、攻撃で孤軍奮闘していたのが久保だった。そして、前半終了間際の、あのスーパーゴールである。敵も味方も関係なく、完全にスタジアムを黙らせた。「これが久保だ!」といわんばかりの豪快な30メートルのゴールだった。家に帰ってからテレビでこのシーンを見ていて、Jリーグがはじまった頃に見た、横浜フリューゲルスのエドゥのロングシュートを思い出した。たしか、エドゥの方はフリーキックだったはずだが。

次節、3月10日の横浜ダービーで、私家版メン・オブ・ザ・マッチに輝いた2人の活躍に期待する。

コメント ( 0 ) | Trackback (  )



« 前ページ