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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



先日2005年10月21日、FIFA(国際サッカー連盟)は、ドイツ・ワールドカップの観戦チケットの交換、転売ができるポータルサイトを、来年2006年2月1日から開設すると発表した。「チケット購入者の99.9%はどうにかして観戦しようと努力をするだろうが、それでも観戦できなくなったファンを救済するため」のサービスとして考えられたようだ。「チケットの暴騰やダフ屋などの闇市場を極力排除するため」でもある。

実は、2002年の日韓大会の時も、名義変更のための手続きは用意されていた。しかし、実際には、まったく機能していなかった。ちなみに、ぼくは、埼玉スタジアムで、名義変更の申請用紙を入場ゲートで出したのだが、係員はその存在すら知らなかった。

ドイツ大会のチケット・サイトの詳細は、後日発表されるとのことなので、なんとも言えないが、果たして実際にうまく機能するのだろうか。

最大の課題は、ネット上での情報交換と実際のチケットの交換がスムーズにおこなえるかということだろう。FIFAのサイトだから、安心ということはないはずだ。むしろFIFAのサイトだから、世界中から狙われると考えるべきだ。FIFAが言うように、ごく近しい人に譲るために、サイト上で名義変更して、直接渡すというようなケースなら有効だろうが……。

また、交換、転売を許可することは、大会時にスタジアムで本人確認をしないと発表していることにならないか。だとすれば、「極力排除しようとしている闇市場」にとって歓迎すべきことにちがいない。もちろん、ダフ屋からチケットを買おうと思っているぼくにとっても。

スタジアムを満員にするために、最後の最後には、ダフ屋が必要になるのは、これまでの経験から間違いない。チケット・サイトの開設は、FIFAがダフ屋を認めた証だと思う。

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ジェフ千葉対横浜F・マリノス@フクダ電子アリーナ(2005/10/16)


ジェフの新本拠地「フクダ電子アリーナ(以下、フクアリ)」のオープニングマッチに行った。自宅から約2時間で最寄のJR蘇我駅へ。そこから徒歩で約10分。ややさびれた工場群のなかに新しいスタジアムはあった。

2500円のコーナーB自由席の上段に席を構えた。そこから臨む視界は日本でもトップクラスである。収容人数は2万人程度と、コンパクトでピッチ全体が見やすい。観客席の傾斜も理想的だ。展開の速いジェフのサッカーを、まるでゲーム盤で見るように楽しめるスタジアムだ。

しかし、スタジアムの評価基準は試合の視界の良さだけではない。ぼくはというと、個人的に「3つのAとS」という基準を持っている。それは、アクセス、アメニティ(快適性)、アトモスフィア(雰囲気)、サイトライン(視界=試合の見易さ)、シンボリシティ(象徴性)、セーフティ(安全性)である。

今日のフクアリはどうだったか。

アクセス。JR蘇我駅から1本道で徒歩約10分。行きは問題なかったが、帰りはひどい混雑だった。鉄道の駅を増やすのは無理だろうが、バスを使ったり、近郊からは自転車での来場を促して、この1本道の混雑緩和に努める必要があるだろう。

アメニティ。今回自分の席に座っている分には、とても快適だった。しかし、せかっく造った屋根が中途半端だった。もう少し、内と外に張り出してくれていたらよかったのに。スタンドの前列やスタンド裏のコンコースの外側の方は雨にぬれてしまうのだ。また、トイレの数も少ないように感じた。

アトモスフィア。スタジアムの雰囲気は、これからサポーターを中心につくっていくべきもの。がんばって欲しい。

サイトライン。視界は最高で、文句なし。

シンボリシティ。スタジアムは街の象徴であるとう考え方だ。周辺の再開発とともに今後の課題である。

セーフティ。安全性については問題なさそうだったが……。試合終了後、席を立ってから、狭く、数少ないゲートをくぐってスタジアムの外にでるまで15分ほどかかった。17000人の観客がコンコースにたまってしまって、身動きできない状態は必ずしも安全とはいえないだろう。

ちょっと厳しい評価かもしれないが、絶対に言えることは、日本で最もサッカーの見やすいスタジアムであるということ。だからこそ、サッカーファンが「またフクアリにサッカーを見に行きたい」と思えるように、周辺の環境を整えるなり、改善をして欲しい。

次は、11月12日のジェフ対ジュビロ戦を見に行く予定。それまでに、今日の課題が少しでも解決できていることを期待する。


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