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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



楽天イーグルス対西武ライオンズ(フルキャストスタジアム宮城)

試合には負けてしまったが、楽天イーグルスのホーム球場、フルキャストスタジアム宮城(以下、フルスタ)は、なかなか雰囲気のいい「ボールパーク」だった。
前日、サッカーを観た仙台スタジアムは、観客席が屋根で覆われているので、サポーターの声がよく響いた。しかし、フルスタの屋根はバックネット裏にほんの少しだけ。これだけ抜けた空間でスポーツを見るのは久しぶりのような気がする。天気もよく、本当に気持ちがよかった。屋根がないのも、またいいものだ。
ぼくの席は、3塁側のフィールドシート。今までだったらファールグラウンドだったところに張り出してつくられた席である。距離も、目線の高さもフィールドに近いため、臨場感たっぷり。三遊間を抜けるヒットは、まるで自分に向かってくるよう。
子ども連れが多い観客のための企画もイニングごとに目白押し。試合前には、外野で親子がキャッチボール。始球式も親子のバッテリー。「ファミリー・グラウンドキーパー」なんて、試合途中のグラウンド整備に観客を参加させてしまう。でも、意味のわからない子どもは、グラウンドにたっただけでピースサイン。突然、きぐるみのキャラクターが観客席にやってくれば、もう試合そっちのけで記念撮影が始まる。試合に集中するのもいいけれど、スタジアム全体を楽しむのも、また野球のおもしろさだ。試合時間も長いしね。
10年前に訪れたことのあるボストンのフェンウェイパークを思い出した。外野スタンドを駆け回っている子どもたちが大勢いた。彼らは、野球を見に来ているというよりも、野球場に遊びにきていた。
フルスタは、そんな野球場だった。
そういえば、子どもだけでなく、大人も、ずいぶんと楽天のユニフォームを着ていた。ぼくの目の前のお年寄りはグラブを持ってきていた。子どもとファールボールを取り合うつもりなのか。
フルスタは、子どもも大人も楽しめるボールパークだった。
あとは、楽天の勝利がついてくれば申し分ないのだが、そんなちっぽけなことは、きっと時間が解決してくれるはずだ。

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ベガルタ仙台対湘南ベルマーレ(仙台スタジアム)

都並監督率いるベガルタ仙台が、3対0で湘南を圧倒した。ホーム初勝利である。
仙台は、前半から積極的に攻めまくった。トップのシュウェンクが何度か決定的なチャンスを逃すものの、財前を中心に、めげずにゴールを目指す。それが前半39分に実を結んだ。財前がシュウェンクの頭を狙ったクロスが流れたところに大柴が走りこんでゴール!スタンドは総立ち。
後半も勢いはとまらず、20分、29分と大柴と梁のコンビで2点をあげて試合を決めた。守りでは、安定したセービングをみせるベテラン高桑を中心に、湘南の攻撃をしのぎきった。
黄色に染まったスタンドが揺れた。サポーターの笑顔とともに。
試合終了後、まるでシーズン最後の試合の後のように、選手がフィールドを一周して、サポーターに挨拶をしてまわっていた。待ちに待ったホーム初勝利の報告。ヒーローインタビューを終えた梁が、その後を追って、一人ぺこぺこと頭を下げていた。まるで、今まで勝てなかったことをわびるように。
サポーターの勝利の凱歌が一段と大きく鳴り響く。
幸福の黄色いスタジアムに、いつまでも、いつまでもサポーターの歌声が響く。
これが、Jがある街の幸せ。


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