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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



<ロシアW杯雑感+ 2018/7/8>
開催国の敗退シーンはいろいろだ。
1990年イタリアが、マラドーナ率いるアルゼンチンに敗退(PK方式だった)すると、イタリア人は無言でスタジアムを去り、ナポリの街はまるでお通夜のように静かになった。2002年韓国はどうだっただろうか。ソウル・明洞のあちこちで「テーハミングッ!」がこだましていただろうか。記憶がさだかでない。2006年ドイツ。ドルトムント・スタジアムを埋めたドイツ人は、延長の末イタリアに敗れたドイツチームに、涙しながら拍手を送っていた。
そして、2018年ロシア大会。戦前の予想を上回る健闘を見せたロシアだったが、準々決勝でクロアチアにPK方式で敗れた。深夜0時近く、試合会場のソチから遠く離れたモスクワでは市民が街に繰り出した。中心部のボリショイ劇場から地下鉄ルビヤンカ駅へ向かう大通りは歩行者天国になり、ロシア国旗をまとい、「ロッシア!」コールを繰り返す、どこか誇らしげな笑顔であふれかえった。大音量のBGMにあわせて踊り、歌うロシア人たち。チームは敗退したが、十分満足させてくれた感謝の、ねぎらいの宴のようだった。
新しい開催国敗退のシーンに出会えたロシアの最後の夜だった。







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