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美作河井駅の構内には矢筈城址と書かれた大きな看板が建っている。
駅前にも城跡を示す石柱と説明板が立てられていてそれによるとこの城は駅の
後方にそびえ立つ756mの矢筈山に造られた県下でも最大規模を誇る中世山城
の跡である。
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山全体が城郭、目の前を流れる加茂川がお堀の役目をしていたのだと言う。
ホームの名所案内には、山頂まで徒歩90分と書かれている。
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駅を出てその前の坂を少し下ると、矢筈城の登山道を示す案内板の横に、美作
河井転車台と書かれた写真入りの案内板が建っている。
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案内板に従い危なげな坂を下り、線路の下を潜る暗渠を通り、向こう側に抜けす
ぐに右に折れる。するとそこは周囲の状況が一変し、両側に背丈以上に伸びた雑
草が覆い被さるように茂る中に、踏み固められた道のような通路が延びていた。
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右側は因美線の線路が走っている筈だが、ほとんど見えない。
左は原生林のような山裾が間近まで迫っていて、気味が悪くなるような道である。
害虫の多い真夏のころならとても歩く気がしない、晩秋の今で良かった・・・と思わ
せるそんな道が200mほど続いていた。
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ぬかるむ足元に注意を払いながら先に進むと、突然目の前が開け、墓地があり、
その先に丸く切り込まれた穴に残された転車台が目に飛び込んでくる。
長年この地の土の中に埋もれていたもので、2007年に全国から集まった鉄道ファ
ンの手によって掘り起こされ、その姿を再び現した「美作河井転車台」だ。
当時は、鳥取方面からやって来たラッセル車の方向を変える時に使われたものだ
と言う。(続)
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