相続の手続きの中で、一番厄介なのは土地のことだった。山林というのは、確かめようがなく、ゴルフ場にかかっているのかどうかも調べようもなく、また、はっきりさせるほどの価値でもないらしい。法務局で公図を取ったもののどうしようもなく、結局、その筋の友達に概略を教えてもらった。もやもやが晴れて、ありがたい事だった。
正確に知ろうとすることが難しいということが分かった。自分の家にまつわる事なのに分からないという不可解なことだ。
おかげで、確認は難しいということと、爺さんは、息子に少しでも土地を残したかったのだという気持ちが分かった。あちこちの水田も、わたしは解らないまま、娘たちが継いでいくこととなる。今は、爺さんのものは婆さんのものなので、嫁がどうこういうものではない。
息子が亡くなったので、次の相続人の印鑑証明と実印がいる。結局、ここできれいにしておかなくては、次の代は相続すべき人が、どんどん広がってしまうのである。
さて、実家の方も、土木の人が相談に来て、道路の使用を頼みに来た。実家の前の道路は私道なのである。おまけに、開拓3名の連名での所有で、そのうちのひとりは亡くなって、子どもが権利を売ってしまい、その所有の不動産屋が倒産し、抵当に入っているというややこしさだ。聞くだけ聞いたが、ここは弟のものになるのだろうから、とりあえず聞くだけの話。
世の中も、空き家問題で難儀している。山林だとか、細かい山の土地の管理は放棄したい気分だが、それもできない。ますます、難儀なことだ。