まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

実印

2016-02-20 | 暮らし

実印というものは値段が張る割にいかに役に立たないか改めて知った。出番の多い人はいいのだが、普通の暮らしの中で、家を建てるとか、土地を買うとか以外には相続の時しか出番がない。実印はフルネームで作ることが多いので亡くなった後、誰かに渡すわけにはいかない。

何万も出して出番が1,2回。はんこ屋さんはうまく売るのだ。名前の画数をみるのだが、「頭がよく非常に努力家です。言行は普通の人と異なり頭領的風格がそなわっています。父母の恵みがあり自身も孝行ものである。思いがけない幸運に恵まれ大きな発展をとげ、名と利の両方を得ることができます。企業家は利潤が大きくあります。いつくしみのある品行方正の夫に嫁ぎ一生幸福にすごします。大病もせず長寿であります。」

企業家ではないので、利潤を得てもいないし、品行方正の夫は他界するし、何万も出した実印は相続のときに活躍するとは皮肉なことである。大病をしたし、長寿でなくても構わないのだけれど。そもそも銀行印が欠けたので、良いハンコを作ろうと思った。実印も銀行印も同じだったので、思い切って2年前に作ったのだ。まんまとだまされた。

しかし、人は気持ちのよい言葉にだまされたくもある。「君よ永遠の嘘をついてくれ」中島みゆきの歌。拓郎のコンサートで中島みゆきと拓郎が歌っていた。すごく良かった。この歌を聞いていると一生だまされて生きていたいと思う。つまらない本当のことが多すぎる。気持ちのいいことだけ聞いていたら阿保になってしまうだろうか。

実印と永遠の嘘とは何の関わりもないのだが。