小松で北信越錬成会があった。北信越5県の男女5名の精鋭たちが全日本選手権を目指して射を競うのである。
わたしは、審判の先生の補助の審判として出かけた。的前委員のK美さんと一緒に的前に立って、主審の先生方に〇✖の確認を示すのである。K美さんとは高校の時から弓を引いている仲間である。
悲しいことに椅子に座ると、主審の先生方も的も生垣に隠れて見えない。隣の家の2階に干された洗濯ものしか見えないので立ったままだ。結局用意された椅子に殆ど座ることはない。
外は殺人級の暑さなのでビーチパラソルを置いてくれたが、陽はどんどん上っていくので日陰がなくなる。各県の精鋭たちの射を観ることはできない。的を見ていなくてはならないからだ。かといって、主審の先生方は殆どこちらをあてにすることはない。いらないようで、いる役回りなのである。
主審の先生方は、交代して審判をするが、わたしたちはずっと一日中炎天下の中で立っていなくてはならないので、昼ごはんの時にK美さんに、山用に持っていたアミノバイタルをあげた。これを飲まなくては、スポーツ飲料だけでは追いつかないと思ったからだ。
7月の休みには、なるべく外へ出ないようにしていたので、軟弱な身体になっている気がする。午後は背中の建物の壁が熱くなっている。植え込みに水を撒くホースを引っ張って来て、足元に水を撒いたが、これがほんとの焼け石に水。あっという間に乾くのである。首に氷を入れたビニル袋を手拭いにくるんで巻いた。お茶をお世話してくださる方々がクーラーボックスに飲み物を用意してくれたり氷をくれたりと、ありがたかった。
結局、見てもらえたのは4番的の喉元に刺さった矢が前から見にくくて、こちらの判定を確認してくれたのが1回だけ。後は、主審の先生方は殆どこちらを見ない。それでも、次に審判員になるためにと練習させてもらったので良い経験になった。
「実は、明日から白山に登るんや・・・」「え”---大丈夫か・・・」K美さんは言う。
そうなのだ。この暑さで延々と山を登るのである。本当に大丈夫だろうか・・恐ろしい・・