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カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

【インド映画】 ~ラングーン~

2021年01月05日 21時59分59秒 | 映画 / MOVIE

2017年の作品、タイトルはミャンマーの首都、サブタイトルは
愛と戦争と欺瞞。第二次世界大戦(1939~45年)の間に
活躍した女優メアリー・アン・エヴァンス(芸名フィアレス・
ナディア)がモデルになっている。劇中での名前はジュリア。

1908年オーストリアのパース生まれのスコットランド人で5歳で
ムンバイに渡り1930年頃からヒンディー語映画に出演していた。

1943年のミャンマーとインドとの国境が舞台。
INA軍と敵対しなければならなかった連合国軍側の
インド人の気持ちが解る作品。観て良かった。

  <ストーリー> 

1943年インドとミャンマーとの国境、日本軍と連合軍の
戦闘シーンから始まる。マリク(シャヒード・カプール)は負傷し
日本軍の捕虜となる。ネタジ・チャンドラ・ボースはシンガポールの
日本軍司令部に合流しINA軍(インド国民軍)を指揮していた。
インド独立の為に目指すはインパール。

ムンバイでは、元俳優のルスタム(サイフ・アリ・カーン)によって
大スターのジュリア(カンガナ・ラナウト)の映画が撮影され
映画館は連日満員であった。ルスタムと交流がある英国軍指揮官の
ハーディング少佐(リチャード・マカベ)は兵士の士気を挙げるために
国境地帯にジュリアを派遣する事を提案する。

マハラジャは少佐の態度に憤りミャンマー国境にいるINA軍に、
資金提供するために財宝の剣を届けるように依頼する。

ジュリアとの関係はルスタムの妻や家族にも知れ、父親はジュリアに
同行する事を許さなかった。ルスタムはジュリアを列車に乗せ自分は
ホームに残り、興奮したジュリアは護衛のマリクに取り押さえられる。

途中で舟で川を渡ろうとした時、日本軍の戦闘機による攻撃を受け、
マリクとジュリアは川に投げ出され助かる。

途中でマリクは日本兵ヒロミチ(カワグチ・サトル)を捕虜にし、
ラングーンへ行く道を聞き出す。マリクは冒頭で日本軍の捕虜に
なっており、そこで日本語を覚えたと話す。

 3人道中で全く言葉の通じないジュリアとヒロミチの、
 ヒンディー語と日本語の通じ合っていない会話が面白い。
 解っているように相槌を打つマリクも実は解っていないはず。

死と隣り合わせの状況下でマリクとジュリアに愛が芽生え始める。
ヒロミチは火災を起こしマリクを殺そうとするがマリクは、
ヒロミチを説得して逃がす。マリクとジュリアが先へ進んで行くと
吊り橋の向こうに連合軍の兵隊とルスタムが待っていた。
マリクは本隊に戻り、離婚したルスタムはジュリアに求婚する。

ジュリアはマリクに勲章を贈らせる。ジュリアがマリクに握手を
求めた際にルスタムはジュリアのマリクに対する気持ちに気づく。
ルスタムは映画の撮影を開始し結婚の後は引退するように話す。
ハーディング少佐は再びジュリアを前線に送る事を勧め、
ルスタムとマリクも同行する。

そこへ失われたと思われていた財宝の剣を運ぶズルフィ
(サハルシュ・クマール・シュクラ)が戻って来るが、
少佐を怒らせたため射殺されてしまう。実はズルフィと
軍の看護師のメマとマリクはINA軍のスパイであった。

メマはINA軍を手引きしたところを見つかってしまい銃殺、
マリクはINA国家を歌い捕らわれて拷問されてしまう。
財宝の剣はハーディングがデリーに運ぶ事になった。

 このシーンは残酷である。インド人ならば独立を望んでいる。
 しかしイギリスの植民地であるがために連合軍に協力せざるを
 得ない。INA軍は敵である。今まで、こんな立場から大戦を
 見た事がなかったので居たたまれなかった。悲しかった。
 恐らく大戦に参加したインド人兵士は皆そう思ったに違いない。

インド人達の気持ちを汲んでジュリアはハーディングの乗った
列車を襲う。そして捕えられていたマリクと共に剣を取り戻す。
マリクとジュリアは国境の橋を目指す。マリクはジュリアに
剣を託し自分はハーディング達と戦うが捕らえれる。

ジュリアはマリクを助ける為に戻ろうとするがマリクはわざと
撃たれ自分を犠牲にする。破壊された橋の上で剣をルスタムに
託したジュリアは落下する。ルスタムは独立を望むインド人
として、ハーディング達を殺しミャンマー側に向かって歩く。
そこにはINA軍を率いるボースが待っていた。

 実在する女優がモデルではあるが実話ではない。
 独立を求めるインド人がインド人ではない女優ジュリアの、
 気持ちにうたれ、インド人である事を再確認し、
 独立に向かって前進していく。

 ジュリアと恋人のルスタム、ジュリアと愛し合うマリク、
 独立を求める戦いの中で3人の愛が交錯するが、
 愛国心の為にお互いの気持ちを犠牲にする。

 何を演じてもカメレオンの様に自分を変化させるカンガナ、 
 癖のある役柄が上手いサイフ、今までベビーフェイスだと
 思っていたシャヒードが逞しくなっていた事に驚いたが、 
 三人三様で上手く演じ切っていた。

 連合国側で戦ったインド人の気持ちを知る上では、
 とても良い作品だと思った。チャンドラ・ボースの
 映画と共に観るべき一本である。

 珍しく本物の日本人俳優がキャスティングされている。
 もっとも台詞のあるヒロミチ役一人だけで、他の兵隊は
 東洋系の顔立ちであり日本人以外には見分けられないだろう。
 逃がしてもらってからどうなったか? が気にはなるが。

 シャヒードに日本語の台詞が結構あったけど、恐らく意味を
 理解しているはずもなく、ただ読んでいるだけだろう。
 日本語が話せるボリウッド俳優って聞いたことないし。
 もし、いたら会いたいわぁ。

コメント
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