何となく景気が上向いているおかげで、
求人倍率やバイトの時給があがっており、
それ自体は良い傾向だと思います。
もちろん経営者はたいへんだと思います。
しかし、人件費があがっている時期こそ、
生産性向上のための投資の時期です。
オーストラリアに出張して驚いたことは、
労働者の人件費がとても高いことでした。
最低賃金は日本の2倍くらいでした。
バイトの時給が1500円くらいの感覚です。
一人当たりのGDPが6万米ドル以上と、
日本よりだいぶ豊かなので当然とは言え、
それにしても高いと思いました。
そうするとなるべく人手を使わないよう、
いろんな工夫と投資をしていました。
同時にきめ細かいサービスは難しいです。
例えば空港のチェックインカウンターは、
基本的に無人でできるようになってます。
従来型の有人のカウンターもありますが、
無人のチェックイン機の方が便利です。
多くの人は無人チェックイン機を使います。
預ける荷物も自分でコンベアーに乗せて、
自分でチェックインすることができます。
その方が早くて便利でした。
日本にも無人チェックイン機はありますが、
数は少ないし、使う人も多くない印象です。
日本では有人カウンターがメインだと思います。
しかし、オーストラリアでは逆の印象でした。
預け入れ荷物の自動チェックイン機は便利で、
なぜ日本で導入しないか不思議でした。
おそらく初期投資はけっこうかかりますが、
人件費は相当節約することができそうです。
しかも顧客の利便性は向上します。
日本の航空会社も導入したらいいと思います。
かなり人件費を節約できると思います。
日本はサービス業の生産性が低いと言われます。
しかし、日本のサービス業の満足度と言えば、
おそらく世界一だと私などは思います。
むしろ過剰なサービスによってコストがかかり、
結果的に生産性が低いとされているのでしょう。
オーストラリアのサービス業なんていうのは、
顧客満足度は日本より低いように思いますが、
経済的に「生産性は高い」と言えそうです。
日本と同じ(かそれ以下)のサービスであっても、
最低賃金が1500円かかるので高生産性に見えます。
日本でも最低賃金を上げることが必要ですが、
生産性の向上をともなうことが条件です。
日本のサービス業の生産性をあげるためには、
空港の無人手荷物チェックイン機のような、
省力化の投資を行うことが必要だと思います。
そして有人サービスにはきちんと料金を課して、
高品質サービスには高料金という慣行を確立し、
高度のサービスを提供する人材の賃金を上げる、
というサイクルが必要ではないかと思います。
逆にサービスしなくていいから安くしてほしい、
という私のような顧客のためには機械化を進め、
省力化することが生産性アップにつながります。
引用元http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-be49.html