12:59秋田魁新報
象潟産「鮭ずし」最後の箱詰め
最後の箱詰め作業に追われる県漁協女性部象潟支部のメンバー
(秋田魁新報)
秋田県にかほ市の象潟漁港で水揚げされたサケを使い、年末年始の贈答品として親しまれてきた「鮭(さけ)ずし」が、今年限りで販売を終える。製造を手掛けてきた県漁協女性部南部総括象潟支部(佐々木タカ支部長)が、来年3月末で解散するため。部員は漁協象潟支所の加工所で、最後の箱詰め作業に追われている。
象潟地域には毎秋、多くのサケが遡上(そじょう)する川袋川や奈曽川が流れ、沿岸サケ漁も盛ん。鮭ずしは、象潟支部の前身で1980年に発足した県南部漁協象潟婦人部が、ハタハタずしをヒントに開発した。脂の乗ったサケの身がたっぷり使われ、甘みがあっておいしいと評判を呼び、師走の象潟名物として県内外から注文が入るようになった。
しかし、サケを漬ける際には重さ約15キロの漬け物石を持ち上げて運ぶなど重労働も多く、平均年齢約70歳の各メンバーには負担になっていた。また、発足当初に約120人だった支部員は現在33人に減少。鮭ずし作りをメーンに地域イベントへの出店などの活動を行っていたが、高齢化を背景に中心メンバーが抜け、活動継続が難しくなったことから解散を決めた。
佐々木支部長(79)は「今まで買ってくれた消費者の皆さんには感謝の気持ちでいっぱい。先輩から受け継いできた製造をやめるのは寂しいが、理解してもらいたい」と話す。
注文は同支部TEL090-2974-6639
鮭寿司の販売は、終了しても代表的な秋田県の郷土料理として、これからも伝承の味を絶やさないように料理教室を開き秋田県民の皆さん方に継承してください。