テレビやゲームを長時間利用する子供ほど虫歯になりやすい−−。4〜10日の「歯と口の健康週間」にちなみ、富山大地域連携推進機構地域医療保健 支援部門(富山市杉谷)は、富山県高岡市内の小学生2109人を対象に昨年1月実施した食育に関するアンケート結果を発表した。部門長の関根道和教授 (46)=社会医学=は「ゲームなどで興奮状態にあると唾液分泌量が低下し、虫歯になりやすいのでは」と説明している。【青山郁子】

 子供の虫歯と生活習慣に焦点をあてた研究は少なく、結果は5月末、福岡県で開催された日本小児歯科学会でも発表された。

  子供の虫歯は、乳幼児期からのフッ素塗布の普及などで近年、減少傾向にある。それでも虫歯がある子供の生活傾向を探るため、富山県教委と連携して調査。高 岡市内の5小学校の全児童を対象に、食習慣や生活習慣、健康状態など50項目について尋ねた。回収率は94.2%。富山市の小児歯科医らとともに分析し た。

 その結果、1日のメディア利用が「2時間未満」では虫歯があるのが8.6%だったのに対し▽「2〜4時間」9.8%▽「4時間以上」15.4%−−と、長く利用するほど、虫歯の子供は増えた。

 睡眠時間は、「9時間以上」6.4%▽「8〜9時間」8.5%▽「8時間未満」14.2%−−だった。さらに、▽朝食を「毎日食べる」8.6%▽「時々食べる」16.2%▽「ほとんど食べない」27.3%−−と、生活習慣が乱れている子供に虫歯が多かった。

  関根教授によると、唾液は虫歯予防作用があり、リラックスしている状態ではサラサラで分泌量も多いが、緊張しているとネバネバで量も少なくなる。これらの ことから「ゲームなどで興奮状態にあったり、睡眠不足や空腹ストレスにあると、分泌量が低下し、虫歯になりやすいのでは」と説明する。

 保護者も調査しており、さらに詳細な分析を進める。関根教授は「虫歯予防には、歯磨きなど口腔内の衛生に注意が向きがちだが、よく寝て食べるという望ましい生活習慣作りも重要だ」とアドバイスしている。』

昔の子どものようによく外で遊んで、よく食べて、よく寝る子どもの成長に不可欠なことが実行出来ない今の日本の子どもたちの日常生活に原因があると思います。