Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

夜空のトランペット

2010-06-12 | 音楽
 今日の
朝日新聞「be」にトランペット奏者ニニ・ロッソの記事が出ていた。これ、僕が幼い頃、親父が好きでよく聴いていたんだよなぁ。妙に懐かしくなった。

 70年代半ば頃だろうか、ムード音楽が流行った時期がある。レーモン・ルフェーブル楽団の「シバの女王」が天気予報のBGMで流れ、ポール・モーリアの音楽を父親の車で8トラックのテープで聴いた。僕自身も中学時代は、リチャード・クレイダーマンやジャン・クロード・ボレリー、ピエール・ポルトなど好んで聴いていた。ニニ・ロッソもポール・モーリアと同じく、父親の車に乗ると必ず聴く音楽の一つだった。

 中学時代の僕は吹奏楽部に所属していた。トロンボーンを吹いていたせいで、グレン・ミラーを温故知新で聴くようになるのだが、トランペット吹きの友達とよく吹いていたニニ・ロッソの曲がある。代表作の「夜空のトランペット」だ。

夜空のトランペット  ニニ・ロッソ


 ニニ・ロッソのトランペット演奏で有名なのは、フェリーニ監督作「道」の主題曲”ジェルソミーナ”だろう。記事ではそのオーディションの様子も綴られている。監督はニニ・ロッソの演奏を聴いて、他に呼んだ演奏家をみんな帰したんだという。フィギュアスケートの高橋大輔が使用していることでも知られる名曲だが、哀愁あるあのメロディーは世代を超えて愛され続けている。

 今回の新聞記事では、ニニ・ロッソが第二次世界大戦中にレジスタンスに参加していたことが綴られている。イタリア解放に向けた戦いに加わる音楽家たち。夜が訪れるとアメリカ兵に演奏をせがまれて、スターダストを演奏した。また、軍の慰問コンサートで消灯ラッパを即興で変奏曲にし、それが「夜空のトランペット」となったエピソードなど実に興味深いし、音楽が人の心を癒していく様子が伝わってくる文章であった。映画「コレリ大尉のマンドリン」でも、音楽を愛する人々が戦争に舞い込まれる様子が描かれていた。”音楽は調和をもたらすもの”というのは、映画「トスカニーニ」に出てくる台詞だが、山のふもとにいたナチス兵までも、敵味方なくスターダストのメロディーに故郷の夜空を思った・・・素敵なエピソードだ。そして彼と関わった日本人たちとも心温まるエピソードも感動的だった。

 日本テレビ系「水曜ロードショー」の主題曲もニニ・ロッソの演奏。ちょっと古いけど聴いたことある人も多いでしょ。

水曜ロードショーのテーマ曲 『水曜日の夜、Wednesday Night 』




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