山岳ガイド 眞さんの山がいど日記

山岳ガイドが出あった自然、感動、日々の様子など綴ってみました。このブログで、のんびり"ねまらっしゃい"!

三面から大朝日岳を目指して!

2015年06月25日 | 朝日連峰

6月16日~19日

52年前、卒業論文を書くため35日間テントに寝泊りしながら、

三面川、岩井又沢、三面から朝日連峰主稜線に伸びる尾根の

地質調査された方が、青春時代の思い出の地を

もう一度歩いてみたいという依頼をいただき

新潟県村上市三面から山形県古寺鉱泉まで4日間、

朝日連峰を縦走してきました。

【三面登山口】

三面から狐穴小山では、登山道整備も2年に一度くらいしか行わず、

倒木、道も不明瞭、UPダウンのとても厳しいコースでした。

同じように、大朝日岳を目指す方は、

年間数十パーティーくらいではないでしょうか?

1日目

登山口から道陸神避難小屋までの予定でしたが

蒸し暑さと雷雨のため三面避難小屋までとなりました。

途中の一本ワイヤーの吊橋も無事通過。

この小屋は快適な小屋なのですが、ここから狐穴小屋まで、

UPダウンの激しいく、道もヤブ道でコースタイムで12時間と

なります。

2日目

三面避難小屋から狐穴小屋。

午後から雷雨がくるので、朝4時前に小屋を出発。

【三面川本流】

小屋から三面川をわたり尾根に取り付き標高差約700mのまっすぐな急登が道陸神山まで続きます。

【道陸神峰】

ようやく、標高1000mを越えいくらか涼しくなりましたが、今度はヤブ道のなか厳しいUPダウンが大上戸山まで4時間近く続きます。

【道陸神峰から大上戸山へ続く稜線】

この辺りまでくると、ちょっと花を見る余裕も出てきました。


【ベニサラサドウタン:紅更紗灯台躑躅】


【ヒメサユリ:姫小百合】


【大上戸山から】

小屋を出発して約6時間ようやく大上戸山に到着、ようやく今日の

宿・狐穴小屋のある朝日連峰主稜線が見えてきました。

雲がわいてきました、雷雲にならないうちに着きたいものです。

【トキソウ:朱鷺草】


【西面から見た以東岳付近】


【ハクサンシャクナゲ:白山石楠花】

道陸神峰を越えてから、熊の生活圏に入ってきたようです。

【熊の排泄物】

狐穴小屋まで登山者には、出会いませんでしたが、、、

この排泄物には30数個出会いました。

【これが登山道です】

笹の下に残る踏み跡を探しながら、主稜線を目指しました。

大上戸山を越え相模山も越えて3時間、

寒江山に続く稜線に入りとても歩きやすくなりました。

【寒江山へ続く尾根道】


【ミネカエデ:峰楓】

ようやく、主稜線に到着!!

雲行きが怪しくなり急いで小屋を目指します。

狐穴小屋に到着、雷鳴が目の前で低くうなりだしましたが、ちょっと濡れただけすみました。

誰も居ないと思ったら、仙台から見えた男性が1人、縦走3日目、初めて登山者と出会いました。


 【山開き前なので、小屋の看板は中です】


今回は、

4日分の食料(二人分)、コンロ2台、ガスボンベ250g2本、110g1本、クッカー1セット、途中で泊まる事も考えてテント1張り、シュラフ、

残雪も心配でピッケル、6本爪アイゼン、ロープ、ほかで

ザックは30数キロになりました。

重い荷物でしたが、今回は小屋前に水場がある小屋が二つ、

今夜も生米を炊いて、夏野菜たっぷりの辛いグリーンカレー、オニオンスープで疲れをとることができました。

 

3日目

相変わらず、

寒気で大気がブロックされ、朝から濃いガスが立ち込めています。

今日は、大朝日小屋まで整備された登山道を歩くだけです。

【ミヤマウスユキソウ:深山薄雪草】

朝日連峰を代表する花の一つ、ミヤマウスユキソウです。


【ミヤマウスユキソウで一面真っ白】

ウスユキソウに気をとられているうちに、

知らぬ間に、寒江山頂上に着いていました。

落雷の痕でしょうか?

ステンレスが溶けています。

寒江山周辺は、”花の寒江山”と呼ばれているだけあり、

花がたくさん咲いていました。


【ミヤマウスユキソウ群落】


【ヒナザクラ:雛桜】


【イワイチョウ:岩銀杏】


【ノウゴウイチゴ:能郷苺】


【ヒメサユリ:姫小百合】


【ゴゼンタチバナ:御前橘】


【ズダヤクシュ:喘息薬種】


【イワウメ:岩梅】


【コケモモ:苔桃】


【イブキトラノヲ:伊吹虎ノ尾】


【コタヌキラン:小狸蘭】 カヤツリグサ科


【オノエラン:尾上蘭】 


【ヨツバシオガマ:四葉塩釜】


【ハクサンイチゲ:白山一花】


【ミヤマダイコンソウ:深山大根草】

今回、縦走中に見かけた高山植物です。

【ウラジロヨウラク:裏白瓔珞】


【ウラジロナナカマド:裏白七竈】


【タニウツギ:谷空木】


【ハクサンチドリ:白山千鳥】


【タカネザクラ:高嶺桜】


【シラネアオイ:白根葵】

花の多さに驚きながら、竜門小屋で水を4リッターつめ、中岳の雪渓ではアイゼンを履きして、6時間ほどかけ大朝日小屋に到着。


【大朝日岳山頂】

小屋でしばらく、晴れるの待っていたのですが、

仕方なくガスの中大朝日岳へ。

大朝日小屋管理人・安部さんと2年ぶりにお会いすることができ、

縦走最後の夜は、他の登山者の方とささやかな宴となりました。

4日目

いよいよ、縦走最終日となりました。

朝食は、生パスタをゆでて、ナポリタンです。

おかげさまで、重かったザックも30キロ以下にまで減りました。

大朝日小屋から古寺鉱泉まで4時間ですが油断大敵です。

疲れもピークに達していますので、慎重に下山しました。

小朝日岳から古寺山、ヒメサユリが咲き始めていました。


古寺山辺り、まだ残雪がありました。


【タムシバ(ニオイコブシ):田虫葉】


【タムシバ(ニオイコブシ):田虫葉】


【ブナ:ぶな】

ぶなの木を見ると安堵します。

ここまで、下ればゴールはもうすぐです。

ヒメコマツの生える尾根を過ぎると、古寺鉱泉の発電機の音が

川音に混じり聞こえてきます。

古寺鉱泉に到着。

たいへん、お疲れ様でした、

大井沢温泉で汗を流しましょう!

 

コメント
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