6月16日~19日
52年前、卒業論文を書くため35日間テントに寝泊りしながら、
三面川、岩井又沢、三面から朝日連峰主稜線に伸びる尾根の
地質調査された方が、青春時代の思い出の地を
もう一度歩いてみたいという依頼をいただき
新潟県村上市三面から山形県古寺鉱泉まで4日間、
朝日連峰を縦走してきました。
【三面登山口】
三面から狐穴小山では、登山道整備も2年に一度くらいしか行わず、
倒木、道も不明瞭、UPダウンのとても厳しいコースでした。
同じように、大朝日岳を目指す方は、
年間数十パーティーくらいではないでしょうか?
1日目
登山口から道陸神避難小屋までの予定でしたが
蒸し暑さと雷雨のため三面避難小屋までとなりました。
途中の一本ワイヤーの吊橋も無事通過。
この小屋は快適な小屋なのですが、ここから狐穴小屋まで、
UPダウンの激しいく、道もヤブ道でコースタイムで12時間と
なります。
2日目
三面避難小屋から狐穴小屋。
午後から雷雨がくるので、朝4時前に小屋を出発。
【三面川本流】
小屋から三面川をわたり尾根に取り付き標高差約700mのまっすぐな急登が道陸神山まで続きます。
【道陸神峰】
ようやく、標高1000mを越えいくらか涼しくなりましたが、今度はヤブ道のなか厳しいUPダウンが大上戸山まで4時間近く続きます。
【道陸神峰から大上戸山へ続く稜線】
この辺りまでくると、ちょっと花を見る余裕も出てきました。
【ベニサラサドウタン:紅更紗灯台躑躅】
【ヒメサユリ:姫小百合】
【大上戸山から】
小屋を出発して約6時間ようやく大上戸山に到着、ようやく今日の
宿・狐穴小屋のある朝日連峰主稜線が見えてきました。
雲がわいてきました、雷雲にならないうちに着きたいものです。
【トキソウ:朱鷺草】
【西面から見た以東岳付近】
【ハクサンシャクナゲ:白山石楠花】
道陸神峰を越えてから、熊の生活圏に入ってきたようです。
【熊の排泄物】
狐穴小屋まで登山者には、出会いませんでしたが、、、
この排泄物には30数個出会いました。
【これが登山道です】
笹の下に残る踏み跡を探しながら、主稜線を目指しました。
大上戸山を越え相模山も越えて3時間、
寒江山に続く稜線に入りとても歩きやすくなりました。
【寒江山へ続く尾根道】
【ミネカエデ:峰楓】
ようやく、主稜線に到着!!
雲行きが怪しくなり急いで小屋を目指します。
狐穴小屋に到着、雷鳴が目の前で低くうなりだしましたが、ちょっと濡れただけすみました。
誰も居ないと思ったら、仙台から見えた男性が1人、縦走3日目、初めて登山者と出会いました。
【山開き前なので、小屋の看板は中です】
今回は、
4日分の食料(二人分)、コンロ2台、ガスボンベ250g2本、110g1本、クッカー1セット、途中で泊まる事も考えてテント1張り、シュラフ、
残雪も心配でピッケル、6本爪アイゼン、ロープ、ほかで
ザックは30数キロになりました。
重い荷物でしたが、今回は小屋前に水場がある小屋が二つ、
今夜も生米を炊いて、夏野菜たっぷりの辛いグリーンカレー、オニオンスープで疲れをとることができました。
3日目
相変わらず、
寒気で大気がブロックされ、朝から濃いガスが立ち込めています。
今日は、大朝日小屋まで整備された登山道を歩くだけです。
【ミヤマウスユキソウ:深山薄雪草】
朝日連峰を代表する花の一つ、ミヤマウスユキソウです。
【ミヤマウスユキソウで一面真っ白】
ウスユキソウに気をとられているうちに、
知らぬ間に、寒江山頂上に着いていました。
落雷の痕でしょうか?
ステンレスが溶けています。
寒江山周辺は、”花の寒江山”と呼ばれているだけあり、
花がたくさん咲いていました。
【ミヤマウスユキソウ群落】
【ヒナザクラ:雛桜】
【イワイチョウ:岩銀杏】
【ノウゴウイチゴ:能郷苺】
【ヒメサユリ:姫小百合】
【ゴゼンタチバナ:御前橘】
【ズダヤクシュ:喘息薬種】
【イワウメ:岩梅】
【コケモモ:苔桃】
【イブキトラノヲ:伊吹虎ノ尾】
【コタヌキラン:小狸蘭】 カヤツリグサ科
【オノエラン:尾上蘭】
【ヨツバシオガマ:四葉塩釜】
【ハクサンイチゲ:白山一花】
【ミヤマダイコンソウ:深山大根草】
今回、縦走中に見かけた高山植物です。
【ウラジロヨウラク:裏白瓔珞】
【ウラジロナナカマド:裏白七竈】
【タニウツギ:谷空木】
【ハクサンチドリ:白山千鳥】
【タカネザクラ:高嶺桜】
【シラネアオイ:白根葵】
花の多さに驚きながら、竜門小屋で水を4リッターつめ、中岳の雪渓ではアイゼンを履きして、6時間ほどかけ大朝日小屋に到着。
【大朝日岳山頂】
小屋でしばらく、晴れるの待っていたのですが、
仕方なくガスの中大朝日岳へ。
大朝日小屋管理人・安部さんと2年ぶりにお会いすることができ、
縦走最後の夜は、他の登山者の方とささやかな宴となりました。
4日目
いよいよ、縦走最終日となりました。
朝食は、生パスタをゆでて、ナポリタンです。
おかげさまで、重かったザックも30キロ以下にまで減りました。
大朝日小屋から古寺鉱泉まで4時間ですが油断大敵です。
疲れもピークに達していますので、慎重に下山しました。
小朝日岳から古寺山、ヒメサユリが咲き始めていました。
古寺山辺り、まだ残雪がありました。
【タムシバ(ニオイコブシ):田虫葉】
【タムシバ(ニオイコブシ):田虫葉】
【ブナ:ぶな】
ぶなの木を見ると安堵します。
ここまで、下ればゴールはもうすぐです。
ヒメコマツの生える尾根を過ぎると、古寺鉱泉の発電機の音が
川音に混じり聞こえてきます。
古寺鉱泉に到着。
たいへん、お疲れ様でした、
大井沢温泉で汗を流しましょう!