山岳ガイド 眞さんの山がいど日記

山岳ガイドが出あった自然、感動、日々の様子など綴ってみました。このブログで、のんびり"ねまらっしゃい"!

風雨の剣岳  北アルプスガイド生活23日間⑥

2015年08月26日 | 北アルプス生活

8月20日~23日 剣岳

おかげさまで、富山で二晩休養させていただいきました。

夕食は、路面電車に乗り、二晩とも”すし玉”。

8月20日

四国の旅行社旅八企画・「早月尾根から剣岳」の4人のお客様と”立山アルペン村”で合流して、馬場島荘に前泊。

8月21日

予想はしていましたが、朝から雨模様、蒸し暑いなか、

ただひたすら、

”早月小屋”まで標高差約1450mを5時間半かけて早月尾根を登ります。

早月小屋の食事すべて手づくりで、富山の田舎料理もあってとても美味しいです。”ごはん”富山米でしょうか、ついお代りしてしまいます。

夕食

8月22日

朝から風雨が強く待機。2時間待って、6時に小屋を出発。

早月尾根は、夏に低気圧が接近する場合、登山道が風下側になることがあります。意外と風の影響が少ないのです。でも、登ってみないとわかりません。

出発を遅らせた分、低気圧が通過したのでしょう。風も少し弱くなった、9時過ぎ誰もいない剣岳頂上に到着しました。

別山尾根からは、誰も登って来ていないようです。

こんな天気で登れないと半ばあきらめていた4人でしたが、ガイドを信頼?不安を抱えながら?も黙々とついて来ていただきありがとうございます。ちょっと、泣いた方もいましたね。

標高差2200mある早月尾根から登る、"剣岳"は達成感があります。

登山される方一人一人の”忍耐力”、”弱さ”が試されるだけでなく、いろいろなことも教えてくれるコースだなと思います。

気のせいでしょうか?登る前は不安そうだった顔が、

自信に満ちた笑顔になって、とても眩しく見えました。

わたくしも、このような天気のときに”剣岳”に登れたのは、折に触れお世話になっている”馬場島荘の佐伯徹さん”、”早月小屋の佐伯謙一さん”に見守らているという安心感があったからだと感謝しています。

剣岳 ほんとに「試練と憧れ」の山ですね!

大日岳です

8月23日

晴れ 徐々に雲が薄れて行きます。

小窓尾根から朝日の光が漏れ、”猫岩”の耳もピンしているような

 

美味しい朝食をいただき

3時間ほどで馬場島へ下山

足に力が入らなくなった方もいましたが、、、

早く下山できたので上市町”八笑”でおそばをいただき、

称名滝を見学して、立山駅で皆さんとお別れしました。お疲れ様でした。

 

PS:昨年の8月は雨にたたられキャンセルばかりでしたが、おかげさまで長かった北アルプスガイド生活も何とか無事に過ごすことができました。

これも、学生の頃先輩方に厳しく指導しいただいたことやヒマラヤ登山など長期山行を経験してきたおかげだとと感謝しています。

8月24日

日本海が穏やかな日和のなか、25日ぶりに山形へ戻りました。

(北アルプスガイド生活 23日目) 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雨の穂高連峰(2回目) 北アルプスガイド生活23日間⑤

2015年08月26日 | 北アルプス生活

8月16日~18日

15日、富山駅で関西の方と合流のため富山へ、富山駅前,様変わりしてしまいました。

「きときと市場・とやまマルシェ」は以前富山駅に入っていた飲食店が同じメニューで軒を連ねています。

うれしいのは、回転すし「すし玉」が入っていること、これで郊外までで食べに行かなくてすみますね!!

富山の干物専門店「味の十字屋」も気になります。

8月16日

今日から19日まで、奥穂高岳から西穂高岳縦走の予定です。今日は上高地から涸沢ヒュッテまで移動です。

今日も雲行きが怪しいです。

お昼は徳澤ロッジでカレーライスをいただきました。

いつもの、、、

 涸沢ヒュッテ 8日間で3回宿泊

1回目 別館(8/9)

2回目 本館(8/12)

3回目 新館(8/16)

全館、宿泊しました。

8月17日

穂高岳山荘まで登りましたが、一日中雨です。

気温も10度以下までさがり、寒いです。

これでもかというくらい激しく降っています。

穂高岳山荘の夕食

8月18日

雨もあがり、少しづつ晴れてきたのですが、お客様の意欲が萎えてしまい、下山。

徳澤でソフトクリームをいただき

お盆が終わり、観光バスでいっぱいの上高地バスターミナル

平湯温泉・あんき屋で昼食をいただき、

富山駅で解散

お疲れ様でした。来年、トライしましょう!

(北アルプスガイド生活 18日目)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雨の穂高連峰(1回目) 北アルプスガイド生活23日間④

2015年08月25日 | 北アルプス生活

8月11日~15日

8月11日

四国の旅行会社・旅八企画、「北穂高~奥穂高~西穂高縦走」の仕事です。四国から電車、新幹線、特急列車、バスと乗り継いで見えたお客様と平湯温泉で合流です。

平湯温泉バスターミナルは、世界各国のトレッカーで賑わっています。

上高地や北アルプスを楽しみ見ているのでしょうか?

わたくしも、スペイン人の方に道を尋ねられました。

8月12日

何となく雲行きが怪しいのですが予定通り出かけることに、、

今日も、上高地食堂の朝定食をいただき

横尾から見えるの空も今ひとつです、、、

涸沢ヒュッテに向って出発。

涸沢ヒュッテに到着。(3日前も泊まってました)

で遅い昼食、いつもの生ビール&おでんセットを注文

東の空です、さっきまでレンズ雲が見えてました。

近くで父親が小学生の子どもに「レンズ雲が出て、次に羊雲が出ると雨になるよ!」と説明しています。

8月13日

朝から、ドシャ降りの雨。北穂高岳から穂高岳山荘まで歩く予定でしたが雨足が弱まるの待って穂高岳山荘まで行ってみることにしました。

昼前に小屋に着いたのですが、時折強く降る雨の音に気持ちが沈みます。気温も10度前後まで下がり、薪ストーブにも火が入りました。

山には、恵みの雨なのですが、、、

8月14日

昨日から雨は降り止みません、高山市に雷注意報も出てます。

玄関先で”岐阜県警山岳警備隊”の方が出きるだけ「涸沢経由で下山してください!」と登山者一人一人に声をかけてます。

山も「下山しなさい!」と言っているようなので、、、

上高地にある、日本山岳ガイド協会研修施設・上高地アルプス山荘に

着く頃には雨も止んで空も明るくなってきました。

お風呂あがりに、上高地を散策して長い一日が終わりました。

ウエストン碑

田代橋から眺めた上高地

8月15日

朝から快晴。お客様の都合もあるので仕方の無いことですが

一日予備日があれば、、、と思うのは私だけでは無いようです。

「また、来年トライします」の声に救われて、高山駅でお2人と別れました。(北アルプスガイド生活15日目)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平湯温泉にて休養 北アルプスガイド生活23日間 ③

2015年08月25日 | 北アルプス生活

8月10日~11日

平湯温泉で、1日半ほど休養をいただいています。宿は定宿になってしまった素泊まり専門の温泉宿”すずらん旅館”

休養といっても洗濯に、クルマのオイル交換のため高山市まで出かけたりとそれなりに忙しいです。

夕食は無料送迎付の”あんき屋”で焼肉。

朝食は平湯温泉唯一の喫茶店”Cafe MUSTACHE”のモーニングセット "やさしいスープ”、”ふんわり玉子サンドイッチ”、”マイルドなコーヒー”をいただき、小野リサのBGMを聞きながら緊張を解いています。

山では冷たい”朝弁当”が多いので、暖かい朝食はありがたいです。(北アルプスガイド生活11日目)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

槍ケ岳~大キレット~北穂高岳 北アルプスガイド生活23日間②

2015年08月25日 | 北アルプス生活

8月6日~10日 

楽しかった後立山縦走、あっという間に終わってしまいました。

平湯温泉で一晩休養させていただき、10日までの予定で四国の旅行社「旅八」のお客様と槍ケ岳から北穂高まで目指します。

8月7日

平湯バスターミナルから上高地へ。

”上高地食堂”で朝定食をいただき、今日は槍沢ロッジまで。

徳澤ロッジ”MICHIKUSA-SHOKUDOU”にテラスができていました。

8月8日 

残暑お見舞い申し上げます、今日は立秋ですね。

空の雲も何となく秋を感じるのは気のせいでしょうか?

槍沢の途中でロープを繋いで歩くことに慣れる練習をしながら、槍ケ岳山荘(槍ケ岳は登ったことがあるので体力温存の為パス)まで登り、

大喰岳、南岳を縦走して南岳小屋へ。

南岳小屋まで約8時間あまりで到着、とくに遅いわけではないのですが、、、

満室とまでではありませんが、それなりに混んでいました。

南岳小屋のこのセルフ喫茶コーナーいいですね。山歩きを考えた行動食やいろいろな飲み物がところ狭しと並んでいます。

 南岳小屋の夕食です。

雲が湧き上がり、少しづつ、季節が変わってきているようです。

8月9日

小屋で朝弁当をいただき、北穂高岳を目指して出発。

北穂高岳と長谷川ピークが朝焼けに輝いていました!

”大キレット”と小さな文字ですが、ちょっと緊張します!

ロープを出して、、、

”こんなところどうやって通過するのですか!”とそんな声が聞こえてきそうです。

9時過ぎ、無事北穂高小屋に着きました。4時間、ロープに繋がれながらの慣れない岩場歩きお疲れ様でしたわたくしも、ホッといたしました。

小屋でしばらく休んで、〆の”北穂高岳へ、登れば元気になります!

ここからがまたたいへんでした、お一人の方、緊張の糸が緩んだのでしょうね。涸沢ヒュッテまでロープでサポートしながら3時間以上かけて下山。

どんな下り方であれ、無事涸沢ヒュッテに到着、◎です。

お疲れ様でした!

涸沢ヒュッテの夕食です。

8月10日 

楽しかった縦走も終わり、下山です。

モルゲンロート

本谷橋

明神館前です。

四国から見えた平均年齢69.5歳(限りなく70歳に近い)男女3人とガイド55歳の”夏山物語”間もなく終わります。

心配した、大キレット越も4時間ほどでクリアー、いろいろ叱咤激励いたしましたが、”何はともあれ”、お疲れ様でした。

この縦走に参加すため一日一時間でも時間があれば体を動かすことを心がけて過ごされ、ザックの重さも吟味されて参加されたお二人は、余裕で歩かれていました。(お二人とも70歳越です)

ちょっとした意識の持ちようで”楽しい山登り”になるか”つらい山登り”になるか明暗が別れてしまいますね。前回の後立山縦走された方も同じ、山登りって、がんばった分だけ、いい思い出がつくれるのものはないでしょうか。

来年は、北穂から西穂までがんばって見ましょうか??

(北アルプスガイド生活 10日目)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

後立山連峰縦走! 北アルプスガイド生活23日間 ①

2015年08月25日 | 北アルプス生活

8月1日~4日

北アルプスガイド生活

23日間がはじまります。

山が好きな方と、”登山力UP!”をテーマにメールや電話で何度も打ち合わせしながら計画を練ってみました!

【衣笠草:キヌガサソウ ユリ科】

できた計画は、4日で後立山連峰二つの岩稜を縦走(自炊)。スタートは猿倉。

 

朝7時でこの暑さです。

久しぶりに、大雪渓を登りましたが、、落石への油断は禁物です。

凄い人、人、人です!

【伊吹麝香草:イブキジャコウソウ シソ科】

【得撫草:ウルップソウ オオバコ科】

【信濃金杯:シナノキンバイ キンポウゲ科】

【千島桔梗:チシマギキョウ キキョウ科】花のふちに白い毛が生えているのが特徴

【岩桔梗:イワギキョウ キキョウ科】チシマギキョウと花の違いがわかりますか?

【高嶺爪草;タカネツメクサ ナデシコ科】

【高嶺塩釜:タカネシオガマ ゴマノハグサ科】

「暑い、暑い!」が「アツ!」に、、、途中から脱水気味(ガイドが)になりましたが、何とか花に助けられ白馬頂上小屋到着しました

( この日、白馬山荘はフトン1枚に2人、こちらはフトン2枚に1人予定を変更して正解でした

縦走最初のピーク 白馬岳頂上です。

8月2日

白馬岳、朝の風景

今日も晴れています。

数日前”ブルームーン”だった月が剣岳に傾きだす頃小屋を出発。

今日は、”不帰ノ瞼”を越え五龍山荘まで歩きます。

白馬鑓ヶ岳

【兎菊:ウサギギク キク科】

黄色は全てウサギギク、紫はイワギキョウ

”帰らずの瞼”ですが、”帰宅厳守”とのこと、、、


天狗山荘まで3時間弱歩いて、ここで朝食を食べ岩稜縦走へ

キレット遠望

天狗の大下り、そしてキレットへ、、、

【当薬竜胆:トウヤクリンドウ リンドウ科】なかな花を開かないのですがこの暑さで朝から開いています。

【リンネソウ スイカズラ科】別名:夫婦花(メオトバナ) スウェーデンの植物学者・カール・フォン・リンネが愛好し、自らの名前をつけた花として知られています。

いくつもの小ピークを越えようやく唐松岳が見えてきました。混雑した唐松小屋を過ぎ五龍山荘に無事到着。コースタイム10時間半のコースよりやや早めに歩くことができました。

8月3日

今日は、朝4時に小屋を出発して、

八峰キレットを越えて冷池山荘まで歩く予定です。

日が昇るにつれ五龍岳の影が、剣岳へと伸びて行きます。

 

 

yとうやく、鹿島槍ヶ岳が見えてきました!

キレット中間地点”口ノ沢コル”

8時半過ぎに、キレット小屋到着

10時、鹿島槍ヶ岳北峰に到着

鹿島槍ヶ岳を越え布引尾根を下ります、

【 ? ? 】

【青の栂桜:アオノツガザクラ ツツジ科】

【深山鳥兜:ミヤマトリカブト キンポウゲ科】日本の固有種

【深山鍬形:ミヤマクワガタ オオバコ科】

だんだん雲行きが怪しくなり今にも雨がふりそうになった頃、冷池山荘が見えてきました。

12時半、小屋着。小屋に到着して間もなく雨が降り出しました。

こちらも、何とか喫茶店営業時間までに間に合ったようです

8月4日

下山だけですが暑いので、早めに行動開始。

種池山荘

種池です。

柏原新道登山口に到着、

天気に恵まれたとはいえ、以前より歩き方に不安も無くなり

”いいペースで”縦走ができ、”自信”と”登山力UP”に繋がったのではないでしょうか!普段のトレーニングの成果のおかげではないでしょうか、お疲れ様でした。

扇沢から周遊バスを利用して、白馬八方駐車場へ戻ってきました。

まだまだ、暑い日が続きそうです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする