山岳ガイド 眞さんの山がいど日記

山岳ガイドが出あった自然、感動、日々の様子など綴ってみました。このブログで、のんびり"ねまらっしゃい"!

『冬に逆戻り』に思わず笑みが・・・!山スキー・ボード登山って何?

2009年03月30日 | スキー登山

3月28~29日

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春の連休が明けてから、冬型の気圧配置が続き久ぶりに寒気も南下した天候の中、青森の八甲田山へ山スキー・スノーボード登山ガイドへと出かけてきました。

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期待以上の雪と寒さにビックリ。

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2日間、酸ヶ湯温泉をベースに大岳環状ルートや小岳から硫黄岳ルートを登り、滑り、八甲田ロープウェイ周辺のオフピステスキーの喧騒とは違った、静かな山スキー・ボードが楽しめた。もちろんファーストトラック、ラッセルも存分に味わえました。

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『山スキー・スノーボード登山って何?』とよく質問を受けます。
山スキー・スノーボード登山は、どちらかというと滑りがメインではなく、山に登ることが主体で、その行動過程に滑る場面があるのがスキー・スノーボード登山です。
スキーやスノーボードの滑りが余り上手くないからと迷わないで、トータルで雪山を楽しみませんか!新鮮な驚きがたくさんあります。
例えば、こんなラッセルゲレンデでは味わえません、でも体や足裏で感じた雪の感触は忘れないでしょう。雪を知り、見る、観る、診るには欠くことのできない経験です。

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スキー・スノーボード登山はある程度、ゲレンデを滑れないと大変かもしれませんが、山に入って滑らないとわからない事の方がたくさんあるような気がします。
整地されたゲレンデで100回滑るよりも、10回の山スキー・スノーボード登山経験の方が大切なこともあります!!
山登りは経験のスポーツです。その辺が滑り主体のオフピステスキー・スノーボードツアーとはちょっと違うのかもしれません。その楽しさを伝えるのがガイドで、どちらを選択するかは、ゲストの皆様です。


八幡平 山スキー・ボード登山 その2『何でもえーねん!』

2009年03月23日 | スキー登山

3月22日

Dc032318 2日目は、三石山・大松倉山へ出かけた。天気予報は午前中曇り、午後から雪マーク。昨日が良かっただけになおさら空が恨めしく思えた。
今回もクラシカルなルート。松川温泉から登る。

最初の短い急登、そして前をふさぐようなやせ尾根へが続く、ここは
意地を棄てスキーをはずしザックを板につけ15分ほど登る。


左手に迫る岩手山を横目にスキーのクライミングサポートを立て急登を乗り切る。

Dc032332しばらく尾根伝いに登ると、オオシラビソのゆるやかで広大な斜面でる。
登るというより、歩くように三石山荘へと向かう。
左手後方には岩手山、前方からは大松倉山の斜面や三石山が樹間から見え隠れする、右手には源太ヶ岳が広がり八幡平のイメージ通りの景色が楽しめる。
薪ストーブのある三石山山荘着く頃から、空が変わり始め、急いで三石山山頂へ向かう。
頂上に着く頃には天気も回復雄大な展望が開けた。
昨日から、眺めていた広大な斜面を思いっきり滑るどこまでターンしても終わらない斜面にびっくり。
続いて、大松倉山へと登り返す。大松倉山の長く緩やかな斜面も思いのほか楽しめ、松川温泉へと下った。Dc032336_2
2月からはじまった、『ハイグレード山スキー・ボードツアー』
今回で一区切りとなった。
毎回、場面に応じた、バックカントリーツアーの知識、技術、判断方法などを伝えてきた。
でもそのことばかりにとらわれてしまうと山の楽しさを忘れ、本質=山に“魅かれた最初の動機”を見失うような気がする。
確かに最低限必要な知識、技量はなくてはならない、でも『何でもえーねん!山を楽しもや。』と夕べはそんな話で盛りあがった、ペンション・アルペジオでの夜でした。

(アルペジオ=分散和音。その名のとおり、ある和音を分散して出す事で、メロディーに合わせた細かい表現やコードで弾くのとは違った音の深みを出す事ができる。

偶然なのか、今回のツアー締めくくりにふさわしい場面が松川温泉への降り口に待っていた。それは、斜度40度のルンゼ。ロープを出すべきか迷うような場所だったかもしれない。でも今シーズン共に行動した“チーム・ビバーク”は何のためらいもなく、横滑りを自由に操り無難にクリアー。

充実した山スキー・ボード登山に皆さん自然と笑みがこぼれていた。

  深みのある山登り、“アルペジオな山登り”へと一歩近づいたようだ。



八幡平 山スキー・ボード登山 その1『アルペジオな山登り!』

2009年03月23日 | スキー登山

3月20~22日

今回は春の連休を利用して八幡平エリアの山を滑るプラン。

20日夜に山形を出発。同じ会の先輩が営む、岩手安比高原にあるペンション アルペジオをベースに八幡平 裏岩手の山を登ってきた。
車で北緯40度線を越える頃には、一段と冷え込み、雪もちらつきはじめる。
1日目の、八幡平・源太ヶ岳の山登りに期待を込めながら、安比高原へ到着。

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源太ヶ岳へは、最近は下倉スキー場からの入山者が多いらしいが、登山を意識して松川温泉からクラシカルな山スキールートを選んで登ることにした。

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この源太ヶ岳直下の東斜面は、過去2回雪崩の悲劇が起きている。滑ると気持ちのよい斜面だが、気を引き締め、途中からスキーをデポし慎重にピークへ向かう。

下の画像は、昨年の源太ヶ岳の雪崩の様子。

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途中で、下倉スキー場から登ってきた地元の山ボーダーグループと遭遇。

彼らは、本日のファーストトラックを目指していたのだろうか、我々の前を足早に通り過ぎ去っていった。

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我々はのんびり頂上を目指し、今シーズン滑った秋田駒ケ岳、森吉山などの山々を眺めたり、明日の三石山の斜面にワクワクながら下山を開始。

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シラビソやぶなの林間は期待通りの雪に満足しながら、山スキー・ボード登山を楽しみ“アルペジオ”な気分で宿へ向かった。

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春待つ 森吉山

2009年03月23日 | スキー登山

3月19~20日

八幡平方面へ山の下見に出かた帰り、森吉山をもう一度訪ねてみたいなと、
寄り道をしてきた。Dc032304
シールをつけながら、頭の隅では2週間前のパウダーの映像がよぎっていた。期待はしていないと思いつつ・・・・!

                      






前日の雨と数日続いた暖気で2週間前とはすっかり景色が一変。Dc032305_2
雪も2m近く融けて、6月頃から見ごろになる高山植物の宝庫『花の名山』への準備が始まっていた。





悲喜交々の春

2009年03月18日 | 日記・エッセイ・コラム

Dc031841往年の名クライマーを 見舞うため岐阜へ出かけた。
行きは春の嵐の中。
帰りは思い出深い、安曇野のわさび田、花、道祖神、常念岳と春を見ながら、帰ってきた。
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16日は、次男の中学の卒業式、翌17日は合格発表。
彼にとって3月は入試、見舞い、卒業、発表と文字通り“悲喜こもごも”の“桜咲いた春”だったようだ。





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今年に入り、次男とは進路のことで久しぶりに話す機会を持てたり、彼から『富士山へ登って見たい、赤富士を見てみたい』と唐突に、うれしいガイド依頼を受けたりもした。
ここ数年つらいことばかりが続いていたが、悲喜こもごも途上の一コマだ。



さあー、連休からまたガイドがはじまる!

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月山 志津温泉

2009年03月13日 | 日記・エッセイ・コラム

「志津温泉 雪旅籠の灯り」

最高賞 ふるさとイベント大賞

受賞おめでとうございます!

 
3月6日に関西のゲストの方々と県立自然博物園周辺をスノーシューハイキングを楽しんだ後、皆さんがどうしても見てみたかったのがこの雪旅籠でした。
関西の方には雪自体が珍しく、スノーシューで気持ちよく歩けただけでなく、雪で旅籠を再現した、この雪像を近くで見、触れることができ雪の魅力に感動していたようです。
これも、地元の方々の雪への愛着の賜物でしょう。

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詳しいニュースは山形新聞をご覧ください。

わたくしがガイドになるきっかけや出会いがたくさんあったところが、ここ月山や山麓の志津、弓張地区です。
20年前の、ここの冬は雪に埋もれ、時折除雪車の音で人が生活していることを告げるようにうなりを挙げているだけの静か地でした 、当時は、この豊富な雪を喜んでいるのは一握りの人たちでした。

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その後、ポレポレファーム、県立自然博物園を中心に、月山フリーク、ガイド仲間が集まり、フラワートレッキング、バックカントリースキーツアー、紅葉トレッキング、スノーシュートレッキングと志津・弓張地区の住人と一緒に1年を通じて月山の自然を伝えようと動き出して20年以上になりました。

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当時スクールバスで通っていた志津の子供たちが『雪旅籠』というイベントで新しい月山の魅力を見つけて活動している姿を見ると不思議な感じがします。
この20数年の間に、月山朝日ガイド協会が生まれ、雪崩事故防止講習会が開催されたり、AEDが東北の山岳観光エリアでいち早く設置されたり、また幾名かは、社)日本山岳ガイド協会の会員としても活動をはじめています。

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いまでは、冬の月山山麓を訪れるといろいろな人とぶなの森で出会えるようにもなりました。

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温もりのある雪に包まれ、懐の深い変わらぬ月山でありますように!
 

東北の山スキー情報

2009年03月08日 | スキー登山

3月8日

秋田駒ケ岳・湯森滑降!
昨年から秋田駒ケ岳・八合目まで運行された雪上車、『ウィンターパノラマツアー』を利用して秋田駒ケ岳と湯森から乳頭温泉までスキー・スノーボードでツーリングを楽しんできた。

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この雪上車がなければとても滑れないロングコース。あいにく強風で男女岳のピークには立てなかったが、中腹から八合目まで滑りを堪能。

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山の縁

2009年03月08日 | 日記・エッセイ・コラム

3月5日~7日

2年前にガイド協会の会合で名刺交換が縁で、関西のガイド・Kさんとのお付き合いがはじまった。鳥海山、朝日連峰、月山、蔵王と東北の山の雄大さと自然の奥深さがすっかり気にってしまったKさん!
知らない人を結び付けてしまう、山の縁は不思議な力を持っている。

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今回は、熊野岳をスノーシューで登ったり、吹雪の樹氷原を歩いたり、月山のブナ林を散策と冬の山形の自然を楽しんでいただいた!

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吾妻連峰 人形石

2009年03月03日 | 雪の山

山日和ツアー、
吾妻連峰 人形石までスノーシューハイキング!!

1月とは違い、春を感じるような柔らかな日差しの中、人形石を目指す!

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飯豊連峰や朝日連峰、蔵王連峰、月山、鳥海山、が柔らかな日差しに照らされ山々が輝いていた。

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森吉山バックボール

2009年03月02日 | スキー登山

3月1日

樹氷とパウダーに出会えるのをたのしみに?待望の森吉山をスキーで楽しんできた。
この日は、放射冷却で朝から冷え込み、ゴンドラ終点の雪原には
表面霜が顕著に現れる。

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森吉山は、太平山、鳥海山、岩木山、八甲田、白神山地、太平山、八幡平、秋田駒ケ岳、焼石連峰、早池峰、岩手山と東北の名峰がずらりと一望できる稀有な山の一つ。

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好天に恵まれて、森吉山の西斜面・カルデラ跡、高差150m余りを一気に滑る。前半硬かった雪も後半からは気持ちの良いパウダーに変わると、思い通りにシュプールが描けたと、歓声が上がった。

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このまま帰るのもったいないねと、白無垢のパウダー斜面・カルデラ壁バックボールを二回も滑ってしまう。

いつもは、体力が無い無いと言っていたSさんも、『時間があればもっと滑りたい』というくらい??みなさん、快適な、会心な滑りが楽しめたようだ!!

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タフネスなスノーボーダー Hさん本当に転勤??

東北の山ボード、はじまったばかりですよ!!

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残念なことに、ゴンドラを利用して、手軽に樹氷やスノーシュートレッキング、BCスキーが楽しめる森吉山阿仁スキー場も存続にゆれている。

ブナの伐採にはじまり、リゾート開発の名の下にスキー場として開発されてきた森吉山。

様々な問題を抱えているが、自然解説、夏山登山、樹氷教室、スノーシュー、スキー、雪山入門登山といろいろな方々に自然・山のすばらしさ、人との共存の難しさを伝えるという役目をゴンドラが担いだしたようなきがする。
ぜひ来年も存続し、この景観を多くの人に伝えて欲しい。

『せっかくつくった施設でしょう!!』と森吉山の樹氷もさびしそうに問いかていいるような気がした。人間は身勝手な生き物だな!

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