山岳ガイド 眞さんの山がいど日記

山岳ガイドが出あった自然、感動、日々の様子など綴ってみました。このブログで、のんびり"ねまらっしゃい"!

東北百名山地図帳 37番 霞露ヶ岳

2010年09月15日 | 旅行記

9月14~15日
ちょっと、仕事、諸々のことで疲れてしまい、気晴らしに山へと出かけきた。
天気が良くて、あまり行動時間の長くない山などと考えながら、「東北百名山地図帖」をめくっていたら、新しく紹介された『霞露ヶ岳』が目に止まった。早速、岩手県三陸リアス海岸の美しい船越半島へと車を走らせた。ガイドブックには「登山道のある山では本州最東端、赤平金剛の大絶壁で知られる船越半島の山」と紹介され興味をそそれれた。山名の由来は、アイヌ語乳房状を意味するの「カロー」から来たようだ。同じ名の由来持つ山に宮城県の鹿狼山(かろうさん)がある。

最近、仲の良いガイド仲間と「東北百名山ぐらい登ろうよ!」と話していて、数えてみたらこの山で61座目になる。だんだんと100座が気になりはじめる!!

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この山の紹介

陸 中海岸・山田湾と船越湾に挟まれて横たわる船越半島には、リアス式海岸の美しい浜あり、海水浴や釣りに人気の穴場だ。この半島の最高峰。山の名前はアイヌ語で、乳房状の山容を示す「カロー」という言葉から命名されたという説がある。山頂直下にある霞露岳神社は「お霞露さま」または 「御殿山」と呼ばれ、他所の人たちからは「櫛形山」や「亀山」などとも愛称されているという。山名の由来は、ほかに「カロ」が空洞や両岸絶壁の場所を表す ことからついたとの説もある。(小島俊一著「岩手の山名ものがたり」より)。

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一雨ごとに、秋らしくなった岩手県内。

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出発が遅くなり、前夜はこの近辺では高めの素泊4000円の山田温泉に泊まる。

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道路地図とGPSを頼りに何度か道を間違えながら、漉磯海岸登山口にようやくたどり着いた。

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道路にも秋が落ちていた。

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狭い山道を車で走り、どこかなと思っていたらいきなり道が消え、漉磯海岸に出た。

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この海岸に流れ込んでいる小川を越え海抜ゼロメートルから登り始める。

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ウミネコの鳴き声に、潮騒、時折”ドーン!”と波が岩に砕ける音を聞きながら標高差500mのを登る。

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松や巨木の続く稜線を登り、

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次々に変化する海岸線の様子、

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標高400mを過ぎるとミズナラやブナの林が続き、

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途中、リアス式海岸が目を楽しませてくれたので、さぞや頂上からの眺めは格別と、何も知らずに向かった先には、大きな頂上を示す看板が樹林の中に現れる。

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もう少し、先まで行けば展望がと歩いてみたが??目当ての海岸線は木々の間からかろうじてわかる程度そういえばガイドブックにも頂上の様子の写真が載ってなかった。ちょっとガッカリしたが、秋空の下で温かいコーヒーとパンを食べながらしばらくぼんやり過ごしてきた、たまにはこんな時間もいいもんだ。

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悩みは次々現れては消えるが、お陰様で、頭が空っぽになり、元気を取り戻せたようだ。

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穂高縦走 

2010年09月08日 | 登山 山歩き

9月3日~7日
昨年、槍ヶ岳から西穂高岳縦走を目指しながら、悪天候の為
北穂高岳で泣く泣く断念したHさんとSさん、ジャンダルムと西穂高岳に登りたいというMさんの3人で、北穂高岳から西穂高岳縦走に出かけてきました。

3日

平湯で大阪、横浜、山形と各地から3人が合流、

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一日目は幾分涼しさを感じはじめた、上高地から明神にある嘉門次小屋まで1時間のんびり散策しながらの行動です。

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この宿は、明治の頃から営まれている古い山小屋、一般的には明神池にある名物“岩魚塩焼き”を出している売店と思っている方も多いのでは、実は上高地エリアで一番リーズナブルな宿なのです。

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そして、数少ない老舗企業「有限会社 嘉門次小屋」です。

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この小屋の歴史に興味ある方はどうぞ↓

http://www.kamikochi.or.jp/contents/shisetsu/kamonji/kamonji.html

日本アルプスの黎明期はどんな様子だったのだろうかと想像しながら、薬草の入ったお風呂で汗を流し、暑い夏から開放される様な気分で、岩魚の骨酒をみなさんで回し飲み、

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夕食は名物の岩魚の塩焼き付きの美味しい食事をいただきました。

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4日

夜明け前に、北穂高岳を目指して嘉門次小屋を出発です。

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2日目は多少長丁場ですが、西穂高岳まで縦走を目指している皆さんだけあって元気いっぱい、余裕で北穂高小屋まで登っていただけるものと期待??。

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下界では38度、39度という数字が飛び出すほどの暑さに

みなさん、多少バテ気味になりながら涸沢小屋で一息いれ、

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“一番高いところにある山小屋”北穂高小屋へたどり着きました。ガイドだけが、“この夏一番涼しい”と感じていたようです。

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みなさん暑い中、忙しい時間を調整して参加されたのでしょう、多少バテ気味でも無理もありません。新しくなった標高3000mの北穂小屋テラスで涼みながらお茶をいただき、

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クラッシックの流れる中、定番メニュー“生姜焼き”を残さず食べ、元気を取り戻した様子を見てガイドは安堵です。

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夕食後の喫茶タイムにHさんと生ハムをつまみにアルコールを少々いただき、騒音の響く寝床でようやく眠りにつくことができました。

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5日

朝から快晴、ご来光を眺め、去年歩いた槍ヶ岳からの稜線を眺めたり・・・。

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遅い朝食をいただき?遅いといっても午前6時前なのです。「調子はいかがですか?」とあえて尋ねず(怖くて?笑イ)、淡々と準備を整え、静かさを取り戻した、山小屋を出発しました。

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今日は、涸沢岳を越え、穂高岳山荘まで数時間の行程です。今まで、いろいろな岩稜縦走を経験されている皆さんですが、一応、岩場での歩き方、鎖場の通過などを確認しながらの行動となりました。

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今日は、「下界の疲れ、昨日の疲れを穂高岳山荘で解消していただき、西穂高までの縦走を乗り切ってください」と手を合わせる思いで出発です。ガイドは登る為の安全確保や環境は整えることができますが、“歩き通す”か“諦めるか”みなさんの気持ちまでは、中々思うようにガイドはできないのです。

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そんな気持ちが通じたのでしょうか、皆さん元気を取り戻された様子、涸沢岳ではしばらく山を眺め、予定通り穂高岳山荘へ到着です。

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昨日の山小屋よりもわずかですが標高が低いので、多少は快適に過ごせるとは思いましたが、受付で「混みそうです」と一言、昨夜の騒音を考え?、安眠を確実にする為個室をキープしました。

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山荘前のウッドデッキに座り、ワインをいただきながら昼食を食べ、雲を眺めたり、テント場を見学したり、山荘に置いてるマンガ“岳”に夢中になったりと思い思いに半日、穂高岳山荘でのんびりと過ごす事ができました。

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これが穂高岳山荘の夕食です。そういえば3週間前も同じ?、昨年泊まった時も同じ?、でもこのような高所で美味しい食事が頂けることに感謝、感謝!!

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6日

いよいよ最終日、そしてジャンダルム、西穂高岳への縦走です。

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ヘッドランプの灯りを頼りに奥穂高岳に登り、思わず足がすくんでしまった馬の背を無事越え、ロープを使っての行動なので次ぎ次ぎと登山者に抜かされながらも、ジャンダルムへと順調に進みました。

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最初の目標、“ジャンダルム”の頂に立ったとき、感激のあまり涙腺が緩んだり、大声をだしたり、何枚もポーズを変えシャッターを押したり、万歳をしたりとみなさん思い思いに感激を表現をしていました。

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でもガイドは、彼方の西穂高岳を眺め、

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怪しげな雲行きを心配したり、アクシデントの無いことを祈るだけでした。まだ縦走はスタートしたばかりです。

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その後も、天狗の頭、

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間ノ岳と

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疲れることもなく順調に縦走を続け、西穂高岳、

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西穂山荘と過ぎ、

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16時45分のロープウェイの最終便で下山。直前に予約を入れた、平湯温泉“ひらゆの森”でリフレッシュです。

ひらゆの森 HP ↓

http://www.hirayunomori.co.jp/

今回は予定通りの行動ではありましたが、いろんなドラマが日替わりで展開、一時は“断念”の文字も頭に点灯しましたが、諦めないで本当に良かったと思います、みなさまお疲れ様でした。“結果オーライ”です!!

台風が近づき、夏の空気から秋の空気に入れ替わろうとしている中、北アルプス・穂高縦走は終わりました。

6月から続いた北海道、東北での仕事、8月から一ヶ月続いた、北アルプスエリアでの仕事、お陰様で無事に終えることができました。

これも、参加されたみなさまの“諦めない”気持ちのお陰と思っています、ありがとうございました、感謝、感謝です。!!

たくさんの人に山へ登って欲しい、そんなお手伝いをさせていただくのがガイドの仕事と思っています。今後ともよろしくお願いいたします。!!

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また、しばらくブログ更新お休み!!

2010年09月03日 | ブログ

9月3日
7日まで、穂高縦走に出かけて来ます。
燕山荘から、望んだ5月の風景です。
涼んでください!!

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デスクワーク & 読書

2010年09月03日 | 日記・エッセイ・コラム

8月28日~9月2日
2ヶ月ぶりくらいに、5日間連続で自宅に滞在??
溜まったメールやら手続きに追われ、あっという間に
時間が過ぎてしまい、次の山の準備。
何とか、気になっていた本を2冊読むことができた。
気になった本
「トムラウシ遭難なぜ起きたのか」

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