3月22日
2日目は、三石山・大松倉山へ出かけた。天気予報は午前中曇り、午後から雪マーク。昨日が良かっただけになおさら空が恨めしく思えた。
今回もクラシカルなルート。松川温泉から登る。
最初の短い急登、そして前をふさぐようなやせ尾根へが続く、ここは
意地を棄てスキーをはずしザックを板につけ15分ほど登る。
左手に迫る岩手山を横目にスキーのクライミングサポートを立て急登を乗り切る。
しばらく尾根伝いに登ると、オオシラビソのゆるやかで広大な斜面でる。
登るというより、歩くように三石山荘へと向かう。
左手後方には岩手山、前方からは大松倉山の斜面や三石山が樹間から見え隠れする、右手には源太ヶ岳が広がり八幡平のイメージ通りの景色が楽しめる。
薪ストーブのある三石山山荘着く頃から、空が変わり始め、急いで三石山山頂へ向かう。
頂上に着く頃には天気も回復雄大な展望が開けた。
昨日から、眺めていた広大な斜面を思いっきり滑るどこまでターンしても終わらない斜面にびっくり。
続いて、大松倉山へと登り返す。大松倉山の長く緩やかな斜面も思いのほか楽しめ、松川温泉へと下った。
2月からはじまった、『ハイグレード山スキー・ボードツアー』
今回で一区切りとなった。
毎回、場面に応じた、バックカントリーツアーの知識、技術、判断方法などを伝えてきた。
でもそのことばかりにとらわれてしまうと山の楽しさを忘れ、本質=山に“魅かれた最初の動機”を見失うような気がする。
確かに最低限必要な知識、技量はなくてはならない、でも『何でもえーねん!山を楽しもや。』と夕べはそんな話で盛りあがった、ペンション・アルペジオでの夜でした。
(アルペジオ=分散和音。その名のとおり、ある和音を分散して出す事で、メロディーに合わせた細かい表現やコードで弾くのとは違った音の深みを出す事ができる。)
偶然なのか、今回のツアー締めくくりにふさわしい場面が松川温泉への降り口に待っていた。それは、斜度40度のルンゼ。ロープを出すべきか迷うような場所だったかもしれない。でも今シーズン共に行動した“チーム・ビバーク”は何のためらいもなく、横滑りを自由に操り無難にクリアー。
充実した山スキー・ボード登山に皆さん自然と笑みがこぼれていた。
深みのある山登り、“アルペジオな山登り”へと一歩近づいたようだ。