古い写真から蘇る思い出の山旅・その33
「槍ヶ岳」
(2)槍沢ロッジから槍岳山荘
「槍沢ロッジ」で迎えた朝は、真っ青な空、快晴だった。
5時からの朝食を済ませた後、
好天に気を良くして、5時45分頃には、出発したようだ。
槍沢ロッジ前
しばらくは、槍沢本流に沿った登山道が続き、
次第に急登になる。
樹林帯から、水無しの槍沢へ、
もろに、熱射を浴び、喘ぎながら登るが、
槍は、なかなか、姿を見せてくれない。
辛抱、辛抱・・・、
ババ平、坊主岩・・・で休憩。
雪渓は、全く無く、
炎暑に喘ぎながら、ひたすら高度を上げるのみ・・・。
眼前に、突然、槍の雄姿が・・・、
「槍だーーー!」、思わず歓声、
喘ぎながら、見上げた槍、憧れ続けていた槍と対峙した瞬間、
その瞬間の感動は、後年になっても忘れることは無い。
ところが、「殺生ヒュッテ」を通過したあたりからの、
槍岳山荘の目前胸突き八丁、
最後のジグザク急登で、
肥満体?、運動不足?、が祟り
炎暑、疲労・・で、ダウン寸前に・・・。
ペースダウン、数歩歩いては休憩・・・の牛歩となってしまった。
次男と妻を先に登らせ、マイペースで、ゆっくり、ゆっくり・・・、
槍岳山荘に一番先に到着した次男等は、多分、数十分間、心配しながら
待っていてくれたのだと思う。
やっとの思いで、槍岳山荘前に到着したのは、丁度、12時だったようだ。
かなりへばったものだったが、ゲンキンなもの、到着したとたんに元気が戻り、
小屋の横で、昼食、
しばし、休憩後、いよいよ、夢に見ていた槍の穂先(槍ヶ岳山頂)を目指すことに・・。
ガスの吹き上げも無し、
岩稜に取り付く登山者の数も、予想外に少なく、渋滞も起きなさそう?、
絶好のコンディション、絶好のタイミング、
13時、いざ、頂へ!、
それにしても、下から見上げる、槍の穂先、厳しい岩稜、
どうやって登るんだ?、
大丈夫かな?
期待と不安が、入り混じり・・、
ザック等はデボし、バカチョンカメラだけ持って・・・、
三点支持、
慎重に、一歩、一歩・・・、
当時はまだ、バカチョンカメラ(小型フィルムカメラ、ポケットカメラ)しか持っていなかった頃で、プリントしてアルバムに貼ってある古い写真もほんのわずか、しかも、高山植物等を撮ろうという気等全く無かった頃で、拙劣なスナップ写真(記念写真)ばかりではある。
それにしても、途中、お花畑も有ったろうに、
花の写真が、1枚も無い・・・とは。
(つづく)