文春文庫 1993年
他の宮本作品は読んではみたものの、ことごとく挫折して
しまって、この本はどうか、と思ったのだが、最後まで興味
深く拝読した。輝氏という人は苦労人で人生というものを
知っている。読書がただのたのしいだけではないこともしっ
ている。ぼくとはえらい違いだ。ぼくはつらいと読むのをやめ
るが、輝氏はそこにおもしろさを見出すらしい。うーん、
人生とは? 文學とは? なんぞや、という問いに簡潔には
答えられやしない。そのために人生があり、長い長い文学の
本があるのだから。
ぼくの読書人生も小五のころに始まった。あのころは横溝正史氏
新田次郎氏、星新一氏などの原点ともいえる本を読んでいた。
井上靖氏の蒼き狼などを読んでいたが、今では読破も難しい。あの
ころのほうがよっぽど頭がよかったとみえる。ゆるーいゆるーい
方へと流れていくわけですね、人生というものは、チーン。......
合掌。
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