「もの食う話」所収
ほんの5Pの物語だが、そこには久作らしさが詰まっている。
お安さんというひとり者で、村一番のけちん坊が死んだ、という
話。窯の前で痩せ枯れた小さな体が、虚空を掴んで悶絶していた。
というんであるが、果たして、というんで、話はすすんでゆく。
オチはまあ、けちん坊がヒントですかなあ。
夢野氏は福岡市生まれ。「ドグラ・マグラ」が有名な作家さん
ですね。出家して、托鉢僧となり、関西を放浪していたらしい。
托鉢僧だが、牛肉が好きで、すき焼きが好物だったらしい。拳が
入るほどの口でパクリパクリ、とある。
(読了日 2022年10・11 10:50)
(鶴岡 卓哉)