「もの食う話」所収
この作品に関して、川上弘美女史が言及したエッセイが
あったっけな。
この作品は、内田氏が戦時中に思い出した料理や食べ物
が列記してあるだけなのだが、そこには、それらの食べ物
に対する憧憬やなんかがあるように思う。渇望といっても
いい。ストーリーはないのだが、そこに物語的ななにかが
生まれる気配がする。
たしかに我々は、おカネさえあれば、なんでも食べられるよ
うになった。果たして、それでいいのか、という問いも突き
つけられているような気もする。
ぼくは食欲と闘うぞ、と思ったのであった。
(読了日 2022年10・11 4:50)
(鶴岡 卓哉)