古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

グリモの午餐会     澁澤龍彦

2022-10-30 12:31:27 | 本の紹介

文藝春秋編「もの食う話」所収     「饗宴」昭和56年6月

 

澁澤氏といえば、日本の、いや、世界のエロティシズムの

 

大家である。グリモはちゃんとした名をバルタザール・

 

グリモ・ド・ラ・レニエールといい、1758年、パリに生

 

まれた。美食学’(ガストロノミー)を考える上で、外せない

 

人物らしい。本当にヘンテコなパーティーを開いたりして、

 

贅沢を尽くしたという。おもしろいと思ったのは、「食通

 

年鑑」という今でいうミシュランガイドみたいなみたいな

 

ものをつくって、家に贅沢な食材を集めて、食べまくって、

 

結局、独りになってしまって、それがバレて、パリをおン

 

出されたらしい。晩年は城で豚を相手に食事をしたらしい。

 

グリモは生まれたときから、両手の指が癒着していて、指の間に

 

あひるの水かきのような捲くがあり、爪は獣の爪のように鋭かった

 

というから、生まれ出たときから、フツーの人とは違っていたと

 

見える。人間ではなかったのかもしれない。これが歪んだ人間に

 

していったということらしい。

 

午餐会に行きたいか? いえいえ、ぼくは遠慮しておきますよ、

 

ぬか漬けに、お茶漬けでけっこうでございます、チーン。

 

        (読了日 2022年10・16 19:55)        

 

コメント
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