古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

行きつけの店     山口瞳

2022-10-17 08:57:15 | 本の紹介

新潮文庫  平成5年 

 

山口氏の集大成となる本作。山口氏の愛した店、ホテル・ニュー

 

グランドのローストビーフ、山の上ホテルの天ぷらとステーキ

 

など、20カ所に及び描いている。

 

山口氏は総入れ歯だそうであった。それでは、味もへったくれも

 

会ったものではなかろうと思うのだが、味に関する記述は驚くほど

 

少ない。人と人の関係、店と人の関係の重要性なのだな。

 

店で食べるということがひとつのステータスであり、体験であるらしい

 

のだ。フツーの人は山の上ホテルで天ぷらを食べるなんてことは

 

あんまりないんじゃないか。すごくゴーカな生活を送っていた

 

と思う。それで、まだ未読だが、江分利満氏の優雅な生活みたいな

 

作品が生まれるわけですね。写真も載っているが、味のある建物の

 

雰囲気が伝わってきて、昔の一流の在り方がビンビン伝わってきた。

 

         (読了日 2022年10・4(火)22:00)

                   (鶴岡 卓哉)

 

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