「もの食う話」所収。
この掌編をもってして、「前菜」はおわりになる。
しかして、百鬼園と夢野久作と本作以外の三名の作家は
短いが収穫らしきものはなにもなかった。
この作品にしても、あっさりしすぎて、いかに「前菜」といえど、
食べ応えがなさ過ぎやしないか。
最後の、長谷川伸氏の「鼻くそ」という掌編の選び方もちょっと
まずくはないか。食べ物の話をしようというのに「前菜」に「鼻
くそ」はないんじゃないか。食欲が削がれるじゃあないか。
この本には、いささか問題があるようだな。
(読了日 2022年10・23 10:40)
(鶴岡 卓哉)