「舞姫テレプシコーラ第2部1」 山岸凉子 メディアファクトリー
本当に第2部が出るのかどうか、実は半信半疑だったんですが、出ましたねえ、ちゃんと。
あの、1部のラストにはずいぶん、泣かされましたが。
あれから数年立ちまして、篠原六花(ゆき)は高校1年16歳。
亡き姉の夢をついで、バレエを続けフランスのローザンヌコンクールに挑戦しようとするところ。
山岸凉子氏のバレエ漫画といえば、やはり未だに「アラベスク」 のイメージは強いですが、こちらも、手塚治虫文化賞漫画大賞を受賞するなど、彼女の代表作の一つになりつつあります。
バレエ界を取り巻く今日的問題、
費用のこと、摂食障害のこと、スポーツ医療のこと、学業との両立のこと・・・、
等にもふれ、実にリアルな「バレエ」を描いています。
この主人公六花はちょっと気が弱くて、
でも、人のことにも気が回るとても気持ちの良い子なんですね。
コンクールでは緊張のあまりミスをしてしまうようなことも。
けれども、すこしずつ、たくましく成長していく、そんな姿を描いてもいるのです。
この巻に登場する彼女は少なくとも、バレエに関しては相当安定した実力を身に付けてきているようで、何より。
・・・でも、どうなのでしょう。
1部を見た限りは、彼女はむしろ本人が踊るよりも振付師の方向へ進むような感触があったのですが。
これからの話になるのでしょうか。
そして、初めの方に登場したきり、姿を現さない空美ちゃんは、一体どうなっちゃったのか???
まだまだ、一波乱も二波乱もありそうですね・・・。
ハンサムではないけれど、男っぽくしかし意外と神経は繊細な拓人君は好きです・・・。
しかし、これではノンナとミロノフ先生のようなロマンチックは望めそうにはないですね・・・。
満足度★★★★