「旅するジーンズと16歳の夏」の続編です。
続編というのは、成功例もありますが、失敗例もたくさんありますね。
見なければ良かった、なんてことにならなければいいなあ、と思ったのですが、これは成功例の方だと思います。
続編といっても、これは2本で一つの大きなストーリーといっていい。
前作があって初めて成り立つ続編なので、この映画については、いきなりこちらを見ないで、きちんと順番に見ることをお勧めします。
さて、あれから3年が過ぎ、4人はそれぞれ別々の大学に進んでいます。
夏休み、故郷の町で再会を喜ぶ彼女たちですが、
やはりみなそれぞれの予定があって、再び、ジーンズを順番に送りながら連絡をとることを約束します。
さすがに、みなちょっとずつ垢抜けして、大人っぽくなっています。
皆がそれぞれの道を踏み出しているのに、カルメンは自分だけが、やりたいことも見つからず、取り残されたような気がして、寂しく感じている・・・。
★ティビー
あの時知り合ったブライアンとは恋人同士。
映画の脚本を書きつつ、ビデオ店でバイト。
しかし、もしかすると妊娠??!!の危機。
愛とは、命とは・・・戸惑い、落ち込んでしまう彼女。
★リーナ
なんと、あの彼、コスタスが別の娘と結婚!?
失意のリーナは黙々と絵の勉強に励むことに。
そこに現れたヌードモデルのバイトも務めるナイスバディーの青年・・・。
前回登場しなかった、彼女の妹が登場します。
・・・美人姉妹。うらやましい・・・。
★ブリジット
トルコの遺跡発掘ツアーに参加。
遺跡から発掘された遺骸、初めはただの古いホネと思ったけれど、
次第に、それもかつて生きていた「人間」であることに気付き、彼女はまた、母の死と向きあうことになる。
ずっと会っていなかった祖母を訪ねます。
・・・今回彼女だけが男っ気なし。
★カルメン
学校の友人に誘われて、演劇のセミナーに参加。
容姿に自信のない彼女は裏方として参加したのですが、
ふとしたことから、主役に抜擢されてしまった。
一方母は、新しい夫との間の子供がまもなく生まれるところ。
また家族から取り残され、行き場がなくなるような気がして不安定な彼女。
特別意識的に泣かせようとして、作ってある映画ではないと思うのです。
たとえば、「奇跡のシンフォニー」みたいに。
でも、どうして、こんなにもナーバスになって、些細なシーでもほろほろと泣けてしまうのだろうかと、自分でも不思議。
思うに、この4人の妥協がなくて物事に真摯に当たる姿勢や、けなげさに打たれるのだと思います。
4人の誰の問題にも共感できて、応援したくなってしまう。
今回それぞれが突き当たる問題は、前作と根を同じにするもので、決して別物ではないんですね。
だから、余計思い入れが深くなってしまって・・・。
最後には、4人全員であの懐かしいギリシャのサントリーニ島へ向かいます。
やっぱりこの映画で、この島はまた格別なんですよ!
・・・いいなあ、ギリシャの夏!
2008年/アメリカ/119分
監督:サナー・ハムリ
出演:アンバー・タンブリン、アメリカ・フェレーラ、ブレイク・ライブリー、アレクシス・ブレーデル
「旅するジーンズと19歳の旅立ち」公式サイト