映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「ヒメママ 2」 玖保キリコ 

2008年08月06日 | コミックス

「ヒメママ 2」 玖保キリコ マガジンハウス

相変わらずわがままいっぱいのリサさんです。
しかし、これだけ自己主張が強く生きていけるのはうらやましいし、どこか憎めないのもまたよいですね。

この本では、妹ルリの嫁ぎ先、フランスの富豪の邸宅にしばらく滞在します。
このルリさんも、なかなか人格ができていて、
多分、子供時代はいつも姉に虐げられていたと想像されるのですが、なかなかの姉思い。
彼女の性格を知りながらも、このまま、パリで一緒に過ごして欲しいなどと思うとは、全く人物ができている!
リサの長男のお嫁さんであるハナさんも、実に根気良くお義母さんと付き合っているし、
リサさんの周りには不思議と人格者が集まってくる。
・・・というよりは、できた人物しか残らない?

ルリの家には運転手さんやメイドさんなど、使用人が大勢いるのですが、
リサは名前が覚えきれないので、女はマリー、男はジャンと呼ぶことにすると宣言。
こんなところでも、わがままいっぱいなのですが、
彼女が帰国する時には、一人ひとり名前を言ってみせる。
そうすると、それだけでもう、みんな大感激。
・・・お得な性格です。
これって、生まれながらのお姫様って感じですね。まさに。

さて、気になるのは、リサさんの夫ってどんな人だったのだろうということで・・・。
本の中にはぜんぜん出てこないのですが、
さぞかし、包容力がある、心の広い人・・・? 
あ~、巻頭のリサのプロフィールにありました。
離婚暦1回。
・・・やっぱり、普通の人だったみたいですね・・・。

満足度★★★★


旅するジーンズと16歳の夏

2008年08月06日 | 映画(た行)

(DVD)
この作品を見たのはそう昔ではないのですが、大好きでした。
それが、まもなく「旅するジーンズと19歳の旅立ち」という続編が公開になるのです。それで、予習としまして、改めてまた見てみました。
前に見たときにも妙に泣けた記憶があったのですが、やはり・・・、
2度目でも同じ感動がよみがえりました。

生まれる前から親友だった4人の少女。
・・・というのは母親のマタニティスクールから一緒だったのです。
いつも一緒に過ごしていて分かり合える4人。
それが、16歳の夏、初めてそれぞれ別々の夏休みを過ごすことになりました。

★ティビー
どこへも出かけず、スーパーでバイト。
ちょっと、シニカルな彼女は、退屈な人生を過ごす人々のドキュメンタリー映画を作ろうとしています。ちょっと生意気なベイリーという女の子と知り合います。

★リーナ
祖父母の住むギリシャへ。よくポスターや写真集で見る憧れのギリシャの島。丘の上に並び立つ白い壁の家々、青い屋根。すぐ下に真っ青な海。・・・あこがれちゃいます。内向的な彼女は自分を変えたいと思っているのですが・・・。

★カルメン
離婚し、別居している父親の元へ。しかし、父親は新しい家族と同居しており、まもなく結婚式を挙げるという。自分がすっかり忘れられた存在になっていることに怒りを覚える彼女・・・。

★ブリジット
4人の中では一番行動的。メキシコのサッカーキャンプに参加。そこの大学生のコーチにアタックするけれど・・・。

この4人をつなぐのが、一枚のジーンズ。
4人は体型も違うのに、なぜか、誰が履いてもぴったりの不思議なジーンズなのです。
これを4人は一週間ずつ、順に送って交代ではくことにする。
魔法のジーンズだから、きっといいことがあるのでは・・・、そんなほのかな期待をこめながら。

でも、この物語は、ジーンズが4人にぴったりフィットする以外は、不思議なことは何一つ起りません。
4人の様子をそれぞれに追いながら、ストーリーは進み、きわめてリアルに夏休みは過ぎていきます。
それぞれに、いろいろな試練があって、それを乗り越えて、成長していく。
この4人の友情が、一人ひとりに勇気を与えるのです。

ティビーとともに夏を過ごすベイリーのエピソードが、最も心揺さぶられ、涙、涙・・・。
私は、自信過剰の目立ちたがりや、ブリジットがどうも好きになれなかったのですが、
実は彼女は、自殺して亡くなったお母さんのことがトラウマとなり、無理をして自分を奮い立たせていた・・・、
そんなことも次第にわかってきて、さわやかな印象に変わっていくのです。

夏休みに見るのにはとってもお勧めの一作。

さて、3年後の19歳の4人は、どうなっているのでしょう。楽しみです。

2005年/アメリカ/118分
監督:ケン・クワピス
出演:アンバー・タンブリン、アレクシス・グレーデル、アメリカ・フェレーラ、ブレイク・ライブリー