地球を歩く
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スラボミール・ラウィッツの手記
「脱出記シベリアからインドまで歩いた男たち」をもとにした作品です。
1940年、ポーランド軍人のヤヌシュ(ジム・スタージェス)は、
スパイ容疑でソ連当局に逮捕され、シベリアの強制収容所に収監されます。
当時のポーランドはナチスドイツとソ連に分割統治されるという悲惨な状況だったわけですが、
ちょうど先日「ソハの地下水道」で、
ドイツに支配されたポーランドのユダヤ人の受難を観たばかりでした。
さて、酷寒のシベリアで、あまりにも過酷な労働と粗末な食事に耐えかねたヤヌシュは、
自由を求めて、仲間と脱出を図ります。
しかし、収容所を出られればそれでいいというわけではない。
そこは果てしもない厳寒の地であり、
万が一地元の農民に見つかりでもしたら、
賞金のかかった彼らはたちまちとらえられてしまう。
かろうじて蓄えておいた食料も全く不十分だ。
でも彼らは、生きるために南を目指し国外脱出を測ります。
シベリア~モンゴル~中国~チベット、そしてインドまで6500km。
当初はモンゴルを目指していたのですが、
モンゴルは既に共産圏と化していて、
いっそインドまで行こうということになったのです。
ブリザードの吹きすさぶ酷寒の地。
モンゴルの大平原。
灼熱のゴビ砂漠。
そしてヒマラヤ山脈。
本作はナショナルジオグラフィック協会協賛の映像ということで、
人が歩むのにはあまりにも過酷だけれども、
素晴らしく美しく広大。
人のちっぽけさを感じないではいられない、すばらしい光景でした。
しかし、そのちっぽけな人間が、
強い意志の力で偉大なことをやり遂げるものなのです。
これまでに同様の作品をいくつか見てきました。
オーストラリアのアボリジニの子どもたちが歩む「裸足の1500マイル」
英国人と中国の孤児たちが歩む「チルドレン・オブ・ホアンシー」
日本と韓国の青年が歩む「マイウェイ12000キロの真実」
どれも実話にもとづいていて、生きるために止むに止まれず歩き続ける。
どんな偉大なことも一歩一歩から。
諦めずに地道に。
強い心と希望を持って。
そういうことを如実に指し示してくれますねえ。
まさに感動のストーリーなのでした。
今作は、ひたすら歩き続けるだけというこんな地味な作品ながら、
豪華キャストです。
エド・ハリスにコリン・ファレル。
そして紅一点はシアーシャ・ローナン。
彼女は途中から彼らの旅に加わりますが、
彼女が加わったおかげでむさ苦しい男旅に変化が起こります。
彼らは、ひげなど伸び放題だったのに、急にひげを剃り始めたり、
これまで互いの身の上話をしたこともないのに、
彼女は一人ひとりと上手に話をして、
それぞれの身の上のことを他の人に教えてあげたりします。
まさに花が添えられたような・・・。
けれどもこの旅は女性にはあまりにも過酷なものでした・・・。
もしかしたら彼女の存在自体が蜃気楼か夢の様なものだったのかも・・・。
これも、劇場の巨大画面で見たかったですねえ・・・。
「ウェイバック/脱出6500km」
2011年/アメリカ・アラブ首長国連邦・ポーランド/134分
監督:ピーター・ウィアー
出演:ジム・スタージェス、エド・ハリス、シアーシャ・ローナン、コリン・ファレル、マーク・ストロング
自然描写★★★★★
男たちの友情★★★★☆
満足度★★★★★
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スラボミール・ラウィッツの手記
「脱出記シベリアからインドまで歩いた男たち」をもとにした作品です。
1940年、ポーランド軍人のヤヌシュ(ジム・スタージェス)は、
スパイ容疑でソ連当局に逮捕され、シベリアの強制収容所に収監されます。
当時のポーランドはナチスドイツとソ連に分割統治されるという悲惨な状況だったわけですが、
ちょうど先日「ソハの地下水道」で、
ドイツに支配されたポーランドのユダヤ人の受難を観たばかりでした。
さて、酷寒のシベリアで、あまりにも過酷な労働と粗末な食事に耐えかねたヤヌシュは、
自由を求めて、仲間と脱出を図ります。
しかし、収容所を出られればそれでいいというわけではない。
そこは果てしもない厳寒の地であり、
万が一地元の農民に見つかりでもしたら、
賞金のかかった彼らはたちまちとらえられてしまう。
かろうじて蓄えておいた食料も全く不十分だ。
でも彼らは、生きるために南を目指し国外脱出を測ります。
シベリア~モンゴル~中国~チベット、そしてインドまで6500km。
当初はモンゴルを目指していたのですが、
モンゴルは既に共産圏と化していて、
いっそインドまで行こうということになったのです。
ブリザードの吹きすさぶ酷寒の地。
モンゴルの大平原。
灼熱のゴビ砂漠。
そしてヒマラヤ山脈。
本作はナショナルジオグラフィック協会協賛の映像ということで、
人が歩むのにはあまりにも過酷だけれども、
素晴らしく美しく広大。
人のちっぽけさを感じないではいられない、すばらしい光景でした。
しかし、そのちっぽけな人間が、
強い意志の力で偉大なことをやり遂げるものなのです。
これまでに同様の作品をいくつか見てきました。
オーストラリアのアボリジニの子どもたちが歩む「裸足の1500マイル」
英国人と中国の孤児たちが歩む「チルドレン・オブ・ホアンシー」
日本と韓国の青年が歩む「マイウェイ12000キロの真実」
どれも実話にもとづいていて、生きるために止むに止まれず歩き続ける。
どんな偉大なことも一歩一歩から。
諦めずに地道に。
強い心と希望を持って。
そういうことを如実に指し示してくれますねえ。
まさに感動のストーリーなのでした。
今作は、ひたすら歩き続けるだけというこんな地味な作品ながら、
豪華キャストです。
エド・ハリスにコリン・ファレル。
そして紅一点はシアーシャ・ローナン。
彼女は途中から彼らの旅に加わりますが、
彼女が加わったおかげでむさ苦しい男旅に変化が起こります。
彼らは、ひげなど伸び放題だったのに、急にひげを剃り始めたり、
これまで互いの身の上話をしたこともないのに、
彼女は一人ひとりと上手に話をして、
それぞれの身の上のことを他の人に教えてあげたりします。
まさに花が添えられたような・・・。
けれどもこの旅は女性にはあまりにも過酷なものでした・・・。
もしかしたら彼女の存在自体が蜃気楼か夢の様なものだったのかも・・・。
これも、劇場の巨大画面で見たかったですねえ・・・。
ウェイバック -脱出6500km- [DVD] | |
ジム・スタージェス,エド・ハリス,シアーシャ・ローナン,コリン・ファレル,マーク・ストロング | |
Happinet(SB)(D) |
「ウェイバック/脱出6500km」
2011年/アメリカ・アラブ首長国連邦・ポーランド/134分
監督:ピーター・ウィアー
出演:ジム・スタージェス、エド・ハリス、シアーシャ・ローナン、コリン・ファレル、マーク・ストロング
自然描写★★★★★
男たちの友情★★★★☆
満足度★★★★★