ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

終わってみれば好評舞台

2015-06-01 11:46:53 | シニア演劇
 正直、もうせりふさえ途切れなければいいか、シニアなんだから、と諦め掛けた。そのくらい前日のゲネはズタズタだった。なまじ演技のダメだしをして、さらに混乱させたらもっと傷口を広げるかもしれないし、これまで3か月かけて出来なかったことが、たった1時間程度の稽古で身に付くはずはない、って思った。シニアの限界かなぁ、なんて自分を棚上げして口実を探したりもした。

 疲れてたってこともあったんだと思うけど、まずい方へ良くない方へと、考えも行動も傾いていく。田んぼの水出すの忘れたり、照明プランにかなり大きな欠点があったり、4日前に焼いたごはんパンがこの暑さで腐ってたりと、ピンチの時にはこういうもんだよ。で、ここでおち込むとさらにドツボへとはまり込んでいく。

 何がきっかけだったかわからない。ともかく、気を取り直せた。朝、出掛ける前にブログを書けたことが、気持ちを吹っ切らせたのかもしれない。会館入りすると、すぐに次回公演『お遍路颪』のチラシ入れを頼んで、メイク終わり次第舞台で稽古!っと宣言した。前日緊急停止に陥ったシーン、照明からはみ出したシーン、せりふの跳躍運動をしてしまった部分、最高齢者の出演シーン、ほぼ半分近くになるのたが、ともかくやり直す。ゲネの開始が遅れたってかまわない。強い覚悟で、ダメだしを繰り返した。

 せりふを入れてやりとりを自然にものにすることを目標に始めたが、役者たちもさすがに昨夜の惨敗に心期すものがあったと見えて、意欲も十分、こちらのダメだしにも必死で応えようとしてくれた。こうなると、動きもせりふも見違えるように生き生きとしてきて、こっちの頭もフル回転を始め、さらに新しいギャグを仕込んだり、新しいせりふまで入れてしまった。人間心が前に向かっている時ってのは、ぎりぎりの状態にあるときでも、ぐんぐん吸収し、高まって行くものなんだなぁ。本番では直前の直しもすべてやり遂げ、しっかりと笑いを取ってくれた。



 と言うことで、本番は一人一人がこれまでにない気迫溢れる演技を披露してくれたので、観客にはしっかりと伝わったように感じられた。ラストのダンスでは応援の手拍子も広がったし、終幕、カーテンコールでは暖かさを越えて熱い拍手も頂戴できた。特に、ラストシーン、女の性こそ、諍い、争いの芽を摘み世界平和の礎となるという部分は深く浸透していったように感じた。最後の挨拶、カズコさんの平和への強い思いも、観客の共感を呼んでとても良い締めとなった。



 全体を通せば、面白かったとの評が多く胸をなで下ろすことができたけど、笑いの不発って点では、いつもながら、真剣な検討と真摯な研鑽が求められるなぁ。作者としても役者としても。中でも、ダジャレがあまり笑ってもらえなかったのが、大いに不満だ。最近どうもダジャレの旗色が思わしくない。なんか、低俗で下劣って印象が広がってしまっているようで、感心しない。ダジャレは言葉遊び、笑いとしても一つの大切な分野なのにと残念だ。ラップの韻合わせだって、一種のダジャレなんだし、親父ギャグなんて馬鹿にしていちゃいけないんじゃないだろうか?井上さんも一事ダジャレ病に罹ってたことあったくらいだもの。

 一週間後には仙台全国大会。地元も仙台どちらも大切には違いないが、やっぱり仙台は重みが違う。身より頼りのいないところで、どう受け止められるか、ここが勝負のしどころだろう。残された数日、さらに格段のレベルアップを目指して、憎たらしくダメだしを続けよう。




 


 
コメント
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