ステージおきたま

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『記憶は呆けても、心は達者!』認知症サポート講座コント完成!

2017-04-28 08:21:24 | コント

 今年も頼まれた。町の認知症サポート講座のお手伝い。専門の方が話をする前に、軽く座を和ませ、関心を引き寄せる役割、菜の花座がコントで担う。町内の小中高すべてと、老人クラブや公民館が対象だ。1年間通して20回!も公演する。この数、半端じゃないよ。

 演じる役者たち、大変!定期公演やコント大会なんかの稽古と同時進行なんだから。幸い、我が劇団の代表「呆け老人役者」が意欲的に引き受けて、全体を取り仕切ってくれているのでどうにかやり通すことができた。

 今年もまた、菜の花座のコントで、とのお願い。演じ手は、ぜひ引き受けたい、ってんだから、こりゃやらないわけにゃいかんでしょ。小中高の児童・生徒は学年が変わっているから、去年の作品でもいいですよ、って甘い誘惑、役者も新たに覚えるの、ちと辛い、なんて逃げの姿勢もほの見えたが、なんだい菜の花座毎年同じかよ、なんて陰口叩かれたくないもの、やるならぜったい新作!書きますよぉぉ、書くともさ。

 と、大見得切ったのはいいけれど、ずるずるずる、1回目の本番まであと3週間!いかん、こりゃいかん!なんとしても仕上げねば、と2日まるまる掛りっきりで書き上げた。

 タイトルは『記憶呆けても 心は達者!』。認知症って言うと、記憶も曖昧、行動もタガが外れてしまって、きっと心の方だってもやもやのスカスカ、感情なんて擦り切れてるよ、って思いがちだ。だから、ついつい幼児扱いをしてみたり、上から目線で指示したり、時には理不尽な憤懣をぶつけたりもしがちだ。

 でも、記憶と感情とは別もの、探しあぐねる言葉、悶える表現の裏側で、ナイーブに心は揺れているってことなんだそうだ。最近、介護現場で評判のユマニチュードなんて、患者の視点に立つ介護法が効果を上げていることからも、それはよくわかる。同じ高さで視線を合わせ、やさしく体に接する、患者の自尊感情を大切にすつつ言葉をかける。これで驚くほどの症状の改善がみられるっとことなんだ。

 そこで、今年のシリーズ第2弾は、「認知症者の心の内に分け入ってみよう」、うん?この言葉聞いたことあるぞ。おお、そうだ。NHKBS「英雄たちの選択」のキーワードだった、どうでもいいんだけど。頑なに黙り込んだり、突発的に怒りを爆発させたりするその裏側には、理解されないことへの深い悲しみや人格を否定されることへの憤りが渦巻いているってこと。周囲でかかわる人たちみんな、その事実を知っておこうよってところを中心に書いた。

 まさか、認知症の人本人が、そんな感情吐露するって筋立ては、これあり得ない。誰かが、その心情を推し量ってあげなくちゃならない。さて、その役をどう作る?まさか、介護者やケアワーカーが訳知り顔で語ったりはできない。それじゃコントの後の講演と同じになっちまう。背後霊のように、後ろに一人立たせるか?それもなんか不自然だし、分かりずらい。コントは明快単純を旨とすべし、三宅裕二先生の教えにも反する。

 わかりやすく、しかもコントらしい突き抜けた展開、うーん、なんかないか?で気づいたのが、ロボット。これ、去年、『見守りロボットパッパー』てコントで使ってる手なんだけど、全身タイツで奇抜な恰好させれば、子どもたちも喜ぶはず。今回は見守りではなく、寄り添いロボットって設定にして再登場。認知症者の気持ちがくみ取れるソフトが組み込まれているって設定にしてみた。ロボットから心に寄り添うことの大切さを教わるって構造だ。これなら、説教ぽくなく、笑いのうちに聞いてもらえるんじゃないだろうか。もちろん、ロボット登場でギャグの幅も広がった。

 さて、ニューシリーズ最初の公演は、5月16日(火)川西中学校だ。福岡全国大会に行かない人たちで上演してもらう。どうだろうねぇ、寄り添いロボットの評判は?

 

コメント
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