ふふふふ、褒められちまったよ、ZUMBA。
インストラクターの社交辞令だろうって?違うねぇ、同じレッスンメンバーからだ。インストラクターのお姉ちゃん、若いからねぇ、そんなおべっかなんかしない。いや、できない。鏡に向かって精一杯踊ってる。参加者をよいしょして引っ張り込んでくような世間ずれとはおよそ無縁だ。その一途さが眩しくていいんだけど。
レッスンの時、どこで踊るか、てのは大体決まっている。前列、中央に近い位置は、まっ、言ってみればセンター、これは経験も豊富、ダンスにも自信のある人が立つ。振りも完璧で、時にインストラクターの誤りを指摘したりもする、いわば影のリーダー、大姉御、お局様?ってところかな。その後ろには、踊れるんだけど、ちょい控えめな人たち、そして3列目はまあ、なんとかついて行ってますって人たち、4列目となると、何度やっても振り覚えられないよぉとか、見よう見まねが精一杯!とか、体動かしてるだけで楽しいわ、なんて若干年齢高めの小母様方の定席となっている。
僕の定位置は、最後列の入り口付近、要するに、恥ずかしいけど、混ぜておくれよ、って隅っこだ。未だに間違えてばかりいるからの位置取りなんだが、開始の直前までランニングマシーンで走って、ぎりぎり飛び込むから、当然、ドアの横になる。
レッスンにはまってからすでに半年、ほぼ同じ6,7曲を踊り続けているのに、未だに振りがよくわからない。体が動かない、手と足がばらばら、って状態でお恥ずかしい限りだが、最後尾の気楽さ、適当ながらも目いっぱい大きくリズムに乗ることを目指して踊っている。まっ、体だけは動かそうぜ、ってとこだ。
だから、センターの大姉御様から、「とってもいいわ、楽しそうに踊ってて。」と声をかけられた時にゃびっくりした。えっ?どうして。だれか別の人の見間違いじゃねぇ?どうやって見てたって言うのよ、後ろで踊ってんだぜ。「鏡で見てたから」おおっ!なんてこっちゃい。見られてたなんて。
彼女くらい上手になると、ゆとり十分、鏡で背後の初心者メンバーのダンスをチェックしたりして楽しんでるっことなんだろう。いやぁ、お眼鏡にかかって光栄すぅぅぅ!はい、楽しく踊る、そればっかりを心掛けてやんすから。
まさかの人から、まさかのお褒めの言葉。ふふふ、やっぱり嬉しいよな。その日のレッスン、いつにも増して気合い入れて踊っちまった。単純!だが待てよ、楽しそう、って、褒めてんのかい?ダンス褒められるとしたら、やっぱり、上手いねぇ、とか、カッコいいわ、とかキレ味十分、とかじゃないの?下手でも楽しく踊るのが一番なのよ、ってそれ目指す方向と違うから。
いやまあ、素直になろうや、ここは。褒めてくれたってことで、さらに頑張れって声援とみなして精進いたしやしょう。気持ち込めれば、ジイサンだって上達する、はず。この嬉しさをエネルギーにしようじゃないか。
それにしても、褒める、って大切なんだなぁ、って今頃かよ!