ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

書けた認知症コント第3弾!『お試し、認知症サポート』

2019-04-18 09:38:45 | コント

 4月もど真ん中、いくらなんでも台本仕上げにゃ。今年度の認知症サポート講座、やりたい、菜の花座のコントもぜひ入れたい、それも新作で。警察表彰も受けたでしょ。そうか、そう来るか。ここまではまり込めば、一抜けたぁ!とか、今年はお休みでぇぇ、なんて言えるわけない。2年間、同じコントで回ってきたが、ここはやっぱり新台入れ替え、装い一心新作コントで立ち向かってやろうじゃないの。

 前2作、家で暮らす年寄りの認知症を扱った。頭の方はちょっとピンボケでも、心はくっきりはっきり、長年生きて来たことへの自尊心だってあるんだからね、幼稚園児あやすような扱いはダメなんだぜ、なんてことをコミカルに仕立てて来た。

 うーん、一度目は悲劇、二度目は茶番。ほんじゃ三度目は?回を重ねるてのは難しいなぁ。人間、歳を取るのとは大いに違う。それ相応の心構えと入念な企画が必要だ。で、今度はどうする?

 思いがけず役に立ったのが、ただ一冊の資料本、「認知症フレンドリー社会」徳田雄人・著、岩波新書。

 なんか書ける題材、転がってねえかなぁ、って開いて見て、あっ、こりゃ失敗だ。認知症の赤裸々な実態とか全然書かれちゃいない。周囲の人の暖かな対応、そのヒント、なんて関係ない。もっと社会のシステムそのものが認知症にフレンドリーなものにならにゃいかんのよって主張の本だった。うん、それはその通り、すでに500万人もいるんだし、この先ますます、ありきたりで身近なものになって行くんだから、個々人の思いやりや、いたわりの心で片付くような問題じゃない。車いすの人にスロープを用意するとか、盲者のためにも駅に開閉ドアを設けるとか、そういった社会全般にわたる仕組みの改変が求められる。そ、そうだ、その通りだ。が、認知症サポート講座受ける小学生に話してどうなる。

 やれやれ、こりゃただのエンジンスターター、台本書きの初発エネルギーもらえるだけかな?っと読み飛ばしていたら、あれれ、これは行けるかも、って題材にぶち当たった。

 一つは、認知症者の社会参加の問題。認知症の進行具合は千差万別だから、記憶が一部失われてるとか、物事の仕組みが理解できない、なんて人でも、長年培った技術、能力は決して衰えていない。英語力を生かして通訳ボランティアをするとか、子どもたちに絵本を読み聞かせるとか。何かしら世の中に役に立ちたいって思ってる認知症者がとても多いってことが指摘されていた。

 そうか、これまでの2本は、わけわかんなくなった厄介なジイチャン、バアチャンとどう向き合うかって話しだったけど、もっと街に出てきてる人たち、社会とかかわりたい人たちがたくさんいるわけだよ。寿命もどんどん延びて、元気でシャキッとしたお年寄りだって増えてきてる。認知症が現れたら耄碌ジジババ、なんて図式は現実的じゃない。家とか施設で介護、隔離?されてるような人たちとは違った認知症者のことも知ってもらうべきだよな。

 いいねえ、これなら書ける。これ、いただき。と、言うことで、英語ペラペラの認知症、自身も認知症のお医者さん、それと、認知症の悪魔?の3人のキャラで話を進めることにした。ここら田舎じゃ現実的設定じゃないかもしれないが、そこは、コントの後の講師に補ってもらって、子どもたちに、出来合いでない認知症の知識を届けられればと願っている。

 実は、この本からもう一つ、役立つヒントをもらっているのだが、それについては、実際にコントを見てもらった後で、子どもたちの反応も含めて振り返ることにしよう。まずは、稽古だ。頼むぜ!

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