JRの改札口だ。観劇終わって次の目的地に向かう途中、ってことは旅・観劇ランの一コマ、らしい。いつも通り、週末切符を自動改札機に入れ、改札を通過、と思った瞬間、前の扉が閉じた。えっ、なんで?どうして?さっそく飛んでくる駅員。投入口に戻された切符を手に、偽造切符だとおごそかに宣言、事務室に拉致される。
ちょ、ちょっと待て!その切符、盛岡、何故か昔の利用駅、で買って、そこからここまで乗って降車後、再度入場しようとしているんだ。不正のわけないだろう、と強く抗議する俺。自動改札機がはじいたってことは、正規の切符ではないと主張する駅員。頑として譲らず、盛岡に戻って再度正しく購入し直し、ここまで戻れと言う。わけわからん!そんな、無駄に数万もの金出せるものか、機械の方が、おかしいんだと言い張るも、改札機のチェック機能には高度のIT技術が組み込まれていて、誤作動の確率は99.99%ない。それは過ちゼロに等しい。いや、残り0.01%の誤りの可能性はどうなんだ?99.99%は、100%に同じだ。いやいや、違うだろ、それ。何故か、この故障の確率を巡って言い争いが続く。目視で不正切符かどうか確認したらいいだろ。いいや、機械がはじいたってことは、目には見えない瑕疵があるんだから、やはり不正乗車だ。待て待て、だったら別の機械に通して見ろ、と俺。それは不要だ。機械が排除したというのが絶対の証拠だ。岩壁のように微動だもせず立ちはだかる駅員。新たな抗弁理由を必死で探す俺。
夢だってことは感じている。が、なんとしても、負けたくない。正しいことが押しやられていいわけはない。暗に匂わせる妥協の提案にも乗りたくない。どんどん追い詰められ、息苦しさが頂点に達し、脱出を試みる。夢の中の意志から飛び出す。そう、無理やり目を覚まして窮地から逃れ出た。
現の世界に戻っても、着せられた濡れ衣は張り付いたまんまだ。不快感が途方もない。言い知れぬ恐怖が胃を締め上げている。まったくもう!論破できなかった口惜しさ、相手の頑なさへの怒り、理不尽がまかり通ったことに対するやりきれなさ。何より、勝手な論理と証拠で雁字搦めにされた恐怖。冤罪で苦しんだ、あるいは今もそのさなかにある人は、日々、この苦痛を耐えているのだろう。
殺人事件から痴漢犯まで、当然真犯人は見つけられ罰せられるべきだろう。が、安易で拙速な追及は慎めよって夢のお告げだ。それともう一つ、ITに支配され尽くした社会の危うさってことも教えてくれてる。IT技術を犯罪防止に積極活用なんて記事でてたからなだな、こんな夢見たのは。うん、なるほど、夢ってやつ、けっこう鋭く社会の問題点をついて来るもんだ。
よしっ、いつか、夢のお告げを題材に台本書いてみよう。お、おい、冤罪の話しじゃないのかよ?うん、それもあるなぁ。