ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

夫を、妻を、何と呼ぶ?

2020-08-08 11:26:56 | 世の中へ

 以前、自分の"奥さん"を"嫁"と呼ぶ若いやつらの風潮に、洗面所でゲジゲジに遭遇!並みの違和感、嫌悪感をぶっつけたが、今考えるに、彼らなりに"奥さん"をどう呼ぶかの戸惑いの表れなんだよなぁ。決して家父長制大賛成で使ってるわけじゃないんだ。結婚したからって、家に嫁いだ、なんて意識は、もはやふわふわ淡雪羹?だものな。ただ、どことなく、女は従え的な味わいは残っていて、それには大いに引っかかるものがあるってこったぜ。

 生活を共にする男女が、相手をどう呼ぶか?昨日、ネットで記事を見つけて、みんな苦労してるんだ、って感じいっていたら、今朝は朝日新聞オピニオン欄がずばりその特集だった。女性誌編集者と「総理大臣になれない野党政治家」小川淳也、それと韓国人の翻訳家がそれぞれの持ち場から、夫婦呼称問題について発言していた。あっ、小川淳也は『なぜ君は総理大臣になれないのか』(監督・大島新)という地味ぃぃなドキュメンタリー映画の主人公だ。なんとこの絶対ヒットしそうにない映画、観客動員20000人を突破し、さらに上映館を増やして快進撃中だ。

 三人の主張については、直に記事を当たってもらった方がいいが、編集者は、女性の地位の変動が呼び名に変化をもたらしているって話し。小川は、自身の感覚と政治後援者の意識とのずれに悩む様を。翻訳家は韓国も同様の歩みながら、日本人女性が夫を"主人"と呼ぶことへのびっくり仰天を、語っている。

 この問題、悩むよなぁ。まっ、女性の地位の向上とか意識の覚醒、なんてことに興味ない男たちなら、若けりゃ嫁だし、年寄りは家内とか、内の、で済むんだろう。女なら、主人、旦那、亭主で疑問なしか。夫婦間に隙間風吹くようになれば、宿六も?でも、さすがに、時代は変わる=The Times They Are A-Chaingin'だぜ。迷い、戸惑う夫婦は多くなってるってことだ。

 我が家もこいつにゃ苦労してきた。戦後ベビーブーマーの俺たちにゃ、お互い名前で呼び合うなんて、こっばずかし真似はできっこないし。か、と言って、お前とか、おーい、お茶と踏ん反りかっえてる昔気質とも縁がない。あっ、お相手の方は、平気で、おい、って言うけどね。こっちは、ねえ、とか、ちょっと、とかで誤魔化し続けて50年やり過ごし来た。

 他人に対してはどうか。仕方なく名前にさん付けの時もあるが、半ズボンに座布団、なんとも座り心地が悪い。と、なると、この人、なんて愛想も労わりもない呼び方にするか、極力、主語、目的語を省略して話す話法で工夫をしてきた。一種の曖昧語法で切り抜けてきたってことさ。このブログでは、仕方なく、神さんを使う。が、これとて、しっくり来てるとは到底思えない。

 結局、未だに、これぞ決定版と胸を張れる呼称は見いだせないだよなぁ。だらしない!努力不足!責められても反論はできない。ただ、思い切って居直れば、このためらい戸惑いこそが、二人の誠実さでもあるってことなんだぜ。相手を尊重し、在り来たりの呼び方で妥協することを避け続けてきたが故の曖昧さ、優柔不断ってことだ。

 なっ、なんでもかんでもはっきりさせりゃいいってもんでもないんだぜ、世の中は。特に、男と女の間はさ。

 

コメント
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