ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

一人芝居14本立て!?菜の花座11月公演

2020-08-19 13:55:25 | 菜の花座

 書いたねぇ、一人芝居の台本。

 もちろん、コロナ対応だ。舞台上とは言っても、役者が丁々発止でやり取りすれば、唾も飛ぶ、飛沫も流れる、汗も散る?!アクリル板ででも囲わなけりゃ、客も不安だろうさ。完全防御するなら、ライブ配信だろうが、これはちょっとねぇ、テレビの出来損ないみたいで、気が進まない。

 だいたい、演劇成立の3要素って言ったら、役者と舞台と観客だからね、お客さんから切り離されたビデオ配信なんて、芝居じゃないわけよ。プロで生活掛かってれば、それでもやるだろうけど、こっちはそういう切羽詰まった窮地に追い詰められてるわけじゃない。か、と言って、完全終息を待つんじゃ、劇団員の旬をみすみす干からびさせちまう。ちょっとでも落ち着いたら、舞台を立ち上げる、そこは目標になるよな。

 舞台上でやり取りするから悪い。だったら、やり取りしなきゃいい。一人でしゃべくってりゃ、大声で叫んだり歌ったりしない限り安全だ。いや、もちろん、一人で演じるって以外にも安全、安心の手立ては怠りない。それについては、すでに書いた。

 一人芝居の公演てのは別に珍しいことじゃない。井上ひさしさんの『化粧』とか、坂本長利のロングラン『土佐源氏』とか、著名作品も数々ある。

 だがなぁ、劇団員全員が一人芝居!ってのはないんじゃないか!?ないよな、そんなバカな取り組みするわけないぜ、普通。せいぜい、代表選手?数人のオムニバスだよ。これなら、菜の花座も前に2度ほどやった。

 でも、コロナだろ、6月の公演は稽古開始と同時に流れたし、8月のコント大会など話題にも上がらなかった。みんな、飢えているんだよ、舞台に立ちたいんだよ。それを、あんたスタッフお願いね、なんて冷酷な選別なんてできない。誰でも役者!誰でも舞台!をモットーに活動してきた菜の花座だからね、コロナごときで看板架け替えなんてできるもんかい。

 だったら、潔く、全員一人芝居だろ! 

 今回、出演希望者、医療関係の2名を除き、14名。いいさ、任せろ!書こうじゃないの一人芝居14本!

 テーマは幅広く題材を拾えるようにと、「ディスタンス」にした。これなら、空間もあれば時間もあれば心理的距離もある。書き易い、と高をくくってエピソードを集めてみたが、これだと、つながり希薄で、見るほうは、なんじゃこれ?で、満足できないってことに思い至った。ここはもう少し絞って、コロナで見えたあれやこれやを繋ごうってことにした。しかも、それなりにバトンは用意して、夜の街キャバクラから自粛警察、陽性村八分、さらにはアベノマスクを利用してイタリアに飛び、塀の中を覗き、果ては死後の世界にまで踏み込んでみる、なんて突拍子もないケンケンパをすることになった。

 はっきりと筋があって、そこに寄り添うってもんじゃないが、何となく、引きずられて、気づいてみれば、ああ、芝居を観た!って感じてもらえれば成功だ。

 昨夜、久しぶりの稽古。全員マスク、距離を取って、控えめに本読みをした。団員たちの反応は、いつもながら、ぴんと伝わってこない。まっ、いいんだ。何度も読んで読ん読み込んで、本の面白さがわかってくるはずだ。一人芝居、役者本人が役をものするしかない。ほとんどが初の体験。せいぜい悩んで、苦しんで、もがいた末に楽しみ見つけてくれよな。

 でも、役者にとって厳しいよな、この仕掛け。出来、不出来がもろに本人の評価になる。あっ、もしかすると、役者が下手で表現しきれなくても、台本がつまらんから、ってことになる可能性もあるぜ。おいおい、みんな、頑張ってくれよな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする