さすがに疲れたぜ。1カ月以上、連日の原木切りと薪割り!ノルマの最後近くなると、玉切1個、割り終えるごとに、いや、違う。斧一振りごとに息切れて深呼吸。気合いを入れ直してまだ木に向かう、そんな有様だからな。
チェーンソー、バリバリ絶好調だから、問題はそれを薪に割る段階なんだ。まず重い!30数センチの玉だって、太いものになりゃ15キロくらいはあるんじゃないか?これを持ち上げて運ぶ。これだけでウェイトリフティングそのものだぜ。うーんえいさっ!と、薪割り台に乗せる。ヨーロッパの田舎町の祭りで、丸太を投げる、なんて競技があったの思い出す。あそこの男たちも普段、重たい材木と格闘してっから、あんな力比べを思い付いたんだろう。
玉の裁断面をよぉーくと観察する。こいつは真ん中ズバッと打ち込むべきか?端を削ぐように割って行くべきか?方針を決め、狙いを定めたら、斧を頭上から一気に振り下ろす。3丁持ってるうちの一番軽いグレンスホッシュ、もうこれ以外、使う気にならんね。
切り味、って言うより割り味が抜群なんだ。どう力が加われば割れるのか、木の節目を知り尽くしてるんだな、こいつは。途中に節とか瘤のないものなら、ものの見事に一刀両断!
と、上手く行くものばかりじゃないんだなぁ、これが。何度打ち込んでも、ポンポン弾かれるものや、隠れた節に難渋、何回となく斧を振り下ろすことだって少なくない。この気合いを込めた一撃、これはまさに腹筋、背筋、上腕・前腕・三頭筋、全力投入だ。
この激しい筋トレまがいの重労働を1日数時間。鍛えられるよな、当然。4月半ばの種蒔き以降、育苗の疲れも加わって、体重は一気に降下、高校生どころか、中学時代以来の48キロ台にまで突入した。1カ月5キロ減ったってこと。体脂肪率は11%前後、体脂肪は5を割って4に迫る。
ジムで筋トレマシーンで鍛えるよりよっぽどきついもの。となりゃ、腹筋だって割れるってものだぜ!ふふふふっ!
なにこの歳になって腹筋割れたって喜んでんだよ。腕力の方はどうなんだ?ぜーんぜん、力戻って来ないじゃねえか。20キロの米袋だって、やっとこさっとこ、だらしねぇぇぇ!筋力の衰えを補うので精いっぱいってことだろ。
結局、この老いの坂道、転がり落ちながら、必死で道端の木の根にしがみついてるってことだ。未練がましいこった!
とは思うが、疲れても翌日には回復する、この復元力てのも、この厳しい労働の成果だと思えば、ええい、明日も頑張るぜぇぇぇぇ!