除雪機ひっくり返ったっ！

　やれやれやっと雪止んだよ。

　もう、年末から絶えることなくちらつく毎日だったからなぁ。午前中は必ず除雪、まず２時間は費やす。降り始め頃は、慣れないスノーダンプ押しが辛くって、押せども前に進まず、あぁ、また１年、年取った！ってがっくり来たが、こうも連日となるとさすがに体の方もコツを思い出して、息が上がるってこともなくなった。って、言ったって、筋トレ強要ってことには違いないんだけど。

　久しぶりに晴れ間覗いたし、今日はのんびりか？って、わけないだろ。母屋周りはこまめに雪払ってあるが、畑の旧鶏舎＝物置の方は、積もるに任せてきた。ほらほら、軒下に溜まった雪が邪魔して屋根の雪がずり落ちなくなってる。

　なんだって、こうも屋根低くしたかなぁ？って、もう２０年以上も悔やみ続けてる。今さらの反省、後悔一通り済ませたら、しゃぁねぇ！軒下の除雪、するぜ。まっ、一冬３～４回、我慢だ、忍耐だ。

　道路向こうの畑、ここに乗り込むのが一苦労。毎日グレーダー除雪車が道路の雪を丁寧に寄せて押っ付けてくれてるから、道路に沿ってがっちがちの壁が出来上がる。非力の家庭用除雪機じゃ切り開いて行けない堅固さなんだ。何度も何度も体当たりしてどうにか道筋つけたと思えば、今度はロータリー除雪車が吹き飛ばした雪の山を越えていかにゃならん。が、うわぁぁぁっ！

　い、いかん！どうする？エンジン停止だ、ったって、セルスイッチ、雪の中に突っ込んでるぜ。ヤバイ、ヤバイ。オーガは止めた。巻き込まれる危険はひとまず回避。で？乗り上げた固雪の部分をスコップで掘る？神さんに助けを求める？取りあえず、跳ね上がった前部を元に戻さにゃぁ！まずは一人で頑張ってみる。オーガのカバーを必死で押す戻す。　

　うーん、ダメか！？さらに焦りと動揺はピーク！エンジンが回ったまんまってのがますます不安を掻き立てる。

　よしっ、もう一度、もう一度だけ、押してみて直せなきゃ、次の手段だ。力を有効に使うには、てこの原理か？そうか、雪飛ばしのシューターの先端を押せば、非力なジジイでも、うぃーっし・・・

　戻せた！ひっくり返った除雪機元の姿勢に戻った。ふ～やれやれだぜ。

　なんとか畑に乗り入れて一安心、なんてまだ早いっ。新雪って、吹き溜まりとかあって、柔らかいところがちょこちょこあって、それが外観から判らない。おおっと、傾いたっ！

　ガンバレ！小屋までたどり着ければ、後は、行きつ戻りつで道を広げられる。軒下に空間を作れば、何回かの降雪もしのげる。最初の除雪行で、道を踏み固めてしまえば、この先はずっと楽になる。懸命に機械にしがみついて横転を防ぎつつ雪を飛ばす。

　苦心惨憺、北側、南側の軒下雪を飛ばして、本日の除雪作業終了！いやぁ、汗ぐっしょりだぜ！

　せっかくの冬の晴れ間だってのに、この重労働、誰だい？冬は呑気に冬ごもり、なんて言った奴は！あっ、俺だった。