前回の記事で、夫と父の最期の時を綴った。
二人とも、水分の供給が難しく、亡くなる数か月前は
自力で飲めなくなっていた。
水分補給に神経を使う日々だった。
水分は一日にどの位補給するべきか?
南インドの アユールヴェーダ研究所では、最低、水を
一日2Lは飲むようにといわれた。
適度な水分摂取は。想像以上に健康を左右している。
ここに医師が自らの体験を記録に残している。
自然治癒力をベースに診療された、内田医師*は胃潰瘍に
なった。
その時体験した”水の効用”について次のように語る。
”胃がさしこみ、胸やけがするので、胃のレントゲンを
撮ってみたところ、胃のなかほどの胃角部に、潰瘍
(かいよう)ができていました。
その頃、当然のことながら、胃潰瘍治療薬を服用して、
潰瘍のレントゲン所見は消失したのですが、
’内田君、胃潰瘍は 薬が効くのか、その時に飲む
水が効くのか、どちらだと思うかね?”と、担当教授より、
意外な質問を受けたことがあります。
私は、もちろん、薬と水と両方が効くのだ と思って
いましたところ、教授は、’潰瘍の薬より、水の作用の
大切さを 案外みんなは知らないようだね。
薬物学の本の 1頁に 何が書いてあるか、もう一度調べて
ごらん。’と教えてくださりました。
早速、薬物の本を開いてみると、第1頁に、’水’と記載
されていたのには 驚いてしまいました。
其の後、他の職場で 多忙による、ストレスから
再び胃潰瘍になったとき、あの教授の言葉を想いだして、
痛んだり、胸やけのたびに、水を飲んでいたところ、
約、三週間して、胃の写真を撮ってみると、すっかり、
治っていたのでした。
’水’は胃液を適度に薄め、胃の粘膜を保護し、薬のように、
胃液の分泌を止めたり、制御しすぎるといった
ことが無いので、’水’の効用については、
十分納得できるものでした。
そのうえ、副作用の心配もありません。
教授は 決して薬を排斥されているのではなく、
自然の治癒力の素晴らしさに、目をふりむける
ことを教えてくださったのです。”
内田医師は ご自分が胃潰瘍になって、”水”の効用に
気づかれた。
水が薬だと気が付いた。
そして、さらに、29歳の時、自然治癒力の素晴らしさを
流行性肝炎に感染したとき知る。
それは、肝臓専門の教授より次のような助言を
受けたときだった。
”内田君、人間の考えた10や20の検査結果がどんなに悪く
ても、肝臓には、まだまだ何億という人間では
はかり知り得ない、不可思議な作用があるのだ。”
と教授医師は続けた。
”医学で研究されているのは、そのごく一部にすぎない。
現に、障害ある肝臓や、切除した肝臓に再生能力の
あることが、研究で確かめられているのだ。”
内田医師は こう述べている。
”医学だけでなく、その道の達人、専門家と言われる
ような人は、人間知を超えた、何か偉大な自然の力を
直観していられるのではなかろうか、とその頃の私にも、
おぼろげながら、感じたものです。
その後、内科臨床において、貴重な教えや経験からも、
人間生命の不可思議さをますます認めざる得ません
でした。”
胃潰瘍になった内田医師は、水の効用を体験し、
肝臓病になって、身体のもつ大きな不可思議な力を
知った。
現代は、”不安”が先立だつ。
自分の身体に不調を感じると、まず、不安を覚える。
不安を除くために、薬を摂取する。
こうしたとき、この”人体の不可知の生命能力”に
内田医師のように思いを馳せ、信頼を寄せることから
身体の不具合に対応する人はどの位いるのだろうか?
もし、そうできる人が増えたら、たぶん、薬の消費量
は半分に減るのではないかと思う。
参考資料: ”生命医療を求めて”
内科医 内田久子著
平成7年11月1日18刷発行 発行所 日本教文社
内田医師について:
昭和2年大阪生まれ・昭和25年大阪女子高等医学専門学校
(現在関西医大)を卒業。
その後 大阪大学附属病院、池田市立病院、
国立療養所、私立病院内科部長を経て
講演活動も行った。
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