自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

シャクティの力

2017年11月02日 | 神秘と神の大地”インドの香り”

クンダリーニ一考  2017・11・02

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このひと月、個人的タントラ的生活所感や、ギータの5~7章を中心に、

クリシュナ神の説くヨガの手法の話をお伝えしているが、今日から、

今までのことをまとめながら、真言密教(空海の教えを基盤とした)

ヨガ、また、クンダリーニ(ヨガにおける生命力~プラナ)の話

タントラなどを織り交ぜて、お話させていただきたいと思う。

 

密教の源流は言うまでもなく、インドにある。

仏教学問で知られている‘唯識学’は、すでに4・5世紀に確立されていた

する説があるが、私たちの使う意識が,第6番目の意識であり、

その奥に、第七意識があるといわれる。

 

この意識をマナ意識というが、マナとはマナス(ヴェーダ~仏教のさらに

源的最古の聖典の中で使われる、物質的な現在意識や潜在意識)から、

来ているのではないかと私は解釈している。 

 

さらに、第八意識というものがあり、ここではアラヤ意識の存在を説き、

無意識の意識さしているようだ。


密教では、その奥にある、第九と第十の意識を対象として、この意識を発掘

することで、’本当の自分の意識’ を 認識体得するために、瞑想法が

生み出された。

 

密教の源流の流れの一つに、タントラも含まれているというのを

ご存じだろうか?


以前ブログで、不動明王のルーツはシバ神にあるということをお話したが、

成田お不動様は特に有名だ。

また、水商売関係の方たちには、不動明王には、特に信仰を篤く持っている

方がいる。

なぜなら、お不動様は、私たち人間の様々な欲求や、邪道に走りやすい、

暴走的エネルギーすら、お不動様の背後に炎々と燃え盛る火の中に、くべて

浄化してくださると信じられているからだ。

 

アチャラナータと呼ばれる、シバ神の108ある名前の一つは、不動様の名前、

アチャラナータ一致している。

そこからも、インドバラモン教、あるいは、インド大地そのものが

成り立った時から、太古の昔から言い伝えられてきている、

シバ神の破壊性(古きものを壊し、新しきものの誕生を準備する)が、

いつの間にか 仏教とともに日本に伝来して、悪しきものを倒し、不浄を

浄化させる、いかついお顔の不動明王の働きとして、定着してきたこと

が推測される。

 

不動明王の奥様が、カーリー神だ。 

ずいぶん昔のブログに 私がこのカーリー神を信仰するタントラの行者

前で、突然、流暢なサンスクリット語をしゃべりだし、カーリー神もどき

(その時の居合わせた、タントラの僧侶には、正真正銘のカーリー神だと

太鼓判は押されたのだが・・)に憑依された体験を書いた。(黒魔術体験)


カーリー神の信仰は、クンダリ―・ヨガに大きな影響を与え、密教の

タントリズムとして発展し、シバ派のシャクティズム

【性的原初的エネルギー主義】を生み出したことで知られる。

 

シャクティという言葉は、聞いただけでも、体の中に熱いエネルギーが

昇ってくるのを感じるほど、強い言霊を持つ。 


尊敬するインドクラッシック音楽の巨匠、ザキールフセイン氏は、確か、

ご自分のフュージョンミュージックのバンドに、シャクティという名前を

用いられた。 


彼自身のタブラの音色は、単独ソロライブを何度もインドで聞いてきたが、

その奏でられる、深淵なタブラのエネルギッシュなリズムと響きで、

目には見えぬシバ神が躍り出されてるのではないかと思うほど、

ダイナミックで、魂を揺さぶるような波動が体を貫き 魅了された。


まさに、シャクティそのものにあふれる、演奏であった。

You tubeでも、ザキール(Zakir Hussain)氏の演奏は、一回の

数十分の演奏画像に対し、何十万の人々が視聴するほどの人気ぶりだ。 

是非、皆さまにも、聞いていただき、その体験を味わっていただきたい

と願う。


シャクティの、まさに聴覚版と言えそうだ。

話が飛んでしまったが、カーリー女神は、男を次々と殺略していき、

最後に自分の夫に手をかけ、興奮のあまり、気が付かず、足の下に

組み従え今こそ命を狙うというときに、はっと気づくのである。 

 

その場面が以下の有名な絵柄になっているので、ご覧になった方も

多いと思う。

女性は、本質、観音様のように優しく、しかし、七変化したときは実に、

怖いのである。 

シバ神の妻でありながら、夫も殺めようと感情が高ぶるという女神の世

の男性への警告?のようでもある。

 

一方、カーリー神は 虎にまたがって、果敢に勇者のように、武器を

片手に闘う女神としてもあらわされる。


これも女性の勇敢、果敢な一面である。

ドゥルガ女神と呼ばれ、カルカッタ地方では、カーリー神を祀る

プージャー(祭典式)を、ドゥルガ・プジャと呼び、日本の盆暮れ以上に、

一年の最大級の祭りとして華やかに祝う。 

 

シバ神の妻には、パールヴァティ女神と呼ばれる純潔で、智慧の高い

女神も存在する。

この三女神は女性のそれぞれの気質を現しているように、三神一体だと

考える人達が多い。


話を戻すと、密教には数十、数百体といわれるほど、世界に広まるうちに、

多くの神々が祀られるようになったが、この創造的エネルギーこそ、

シャクティのエネルギーであると考える学者もいるようだ。

 

私は他国に訪れると、その国特有のエネルギーを感じることが楽しみ

の一つだ。

それには、その国の代表的な河を訪れ、その沿岸の人々の生活ぶりを

見ることが手っ取り早い。

特に仏教徒の多い、タイのチャオプラヤー川や、ヒンズー教の聖地を

流れるガンジス河などは、その国の精神文化をも反映しているから

面白い


ガンジス河は下流で見ると、泥川のように濁って、どう見ても清潔には

えない。

が、学者は、この川には大腸菌などの細菌は生息していないとデータを

示してくれた。

 

その理由はわからないが、確かに ヨガナンダ師もご自身の伝記の中で

同じようなことを書いておられた。

の川で人々は沐浴し、葬式をし、飲み水として汲み取る。 


どんより、濁った不浄に見える河の水は、飲み水の他にも、

信者自身の浄化のために禊(みそぎ)に使われる。

 

まさに 浄穢不二の精神だ。

現世も浄土も結局は同じであるという精神につながる。


これが空海の説く、教えの一つであることは言うまでもない。

河はその国の文化を象徴しているというが、インドのガンジス河ほど

それを如実に表している河は世界に類をみないだろう。

(続く・・・)

コメント
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