「春よ来い 早く来い 赤いべべきたみーちゃんが 春よこいと待っている…」だったかどうだか記憶が薄い。まあ、頭頂部は若きみぎりより薄いのであるから年齢を考慮すれば「歳相応」なのだろう。前向きに捉えれば「健康に加齢しています」と爺我自賛の結論を出せる。それはともかくフイールドで春を感じるのは何と言ってもニホンアカガエルの産卵なのだが1月30日現在、卵塊は発見できていない。例年通りなら1月末には卵塊を見いだせるのだが水見回りも意気が上がらん。
産卵がいち早く行われるトンボ池は日当たり良好、陽だまりヌクヌクなのだが他の水域はまだ尾根の陰になっていて氷結したままなのだ。水源地の復旧作業は孤爺の人力で尽力しても不可能なことが骨身に滲みて納得平伏したのだが、このまま伏流水の取水が止まればおっつけ速やかに水域は干あがるのである。昨年、県内東西の横綱と我がフイールドを比較検証して面積比較では盃と釣り鐘の差ほどあるもののその生物生息密度は圧倒的に横綱を凌駕している。
この事実は数年前に報告書として県と市の担当部署に届けたけれど、昨秋のクラス会で「何の反応もなかった」とぼやいたところ、役所務めしていた級友は「そういう物は積読!」と説明してくれた。まあ、孤爺はそれなりに納得したのだが価値判断が緩いのは情けない。ともかく一点豪華主義ともいえる現状なので生息地を点在させてネットワークを広げるなんて面倒は考えないのかも知れん。どちらにしても断水の憂き目が大きく現実の事として実感できる今期、春になってもそうそう喜べない心情でもある。昨秋9月の吐水量は25ℓ/分だったのだが1月末は18ℓ/分にまで減少して来た。排砂バルブの操作で復旧するのか、あるいは砂礫の空間に泥土を引き込み断水に至るのかは全く分からず「為すべきか為さざるべきか⁉」老いたベルテルの悩みは続く。
さてトンボ池は陽だまりなので今期の産卵は何時か?や春に現れるチョウの初見は何時になるのかとか楽しみは待っているものの「水を断たれて環境崩壊」もまた現実として迫っている。つまりは色即是空空即是色、すべて変わらないものなど無いのだと思うしかないなあ。