お彼岸中日前の19日、ようやく災の河原の砂礫掘りと河床整備を一段落する事にした。取水升フイルター周りは砂礫止を施したので水が澄めばフイルターの状態が見える。傘型フイルターに泥の付着した部分は3割程で残りは銀白色の地金の色を見せているから水が通過流入していると判断できるのであった。ただ残念なことに水位が高いままでは送水管口までポンプのチューブを接続不能で送水管全体への強制排砂は不可能だと判った事である。それでも海抜最低点にある排砂バルブを開放すれば下り半分の排砂は可能なので「これで良し!」と妥協するしかない。
この日の作業は上流部の流路の付け替えと河床の整備で終わった。氾濫の度にあらぬ方向に流路が動き左岸流となれば取水不可能になる。そのため常時右岸流とするべく流路の管理は欠かせない。この日の作業は流路の曲がる部分を修正し中央部から右岸方向に寄せた。基本的には上流部も右岸流とする事で日々の浸食で流れの癖が付き安心材料となりうるのである。合わせて段差工付近の河原の盛り上がりを削り、仮設の逃がし流路としていた窪みを埋めて増水時に突破されないよう流路の底を下げておく。この作業で150mm程度の降雨出水に対応可能なはずだ。
河床保全作業としては更に上流部の作業が残っているけれど現段階では送水できているしフイールド泥水池の保全も先送りほったらかしのままなので次回からは水域保全を行う事にした。今回、正月4日からお彼岸までの間、災の河原の砂礫掘りを続け、目標達成できた締めとしてビールと白米、自作のそば粉の胡麻クッキーを供物としてササの葉に盛って感謝の意を表現した。ビールは即席の竹のジョッキに注ぎ光明真言を唱えたのちに河原と山腹に捧げたのである。くたびれ果てていて河原に備えた祭壇の撮影すら忘れてしまった。孤爺、信仰心は持ち合わせてはいないけれど昨夏8月30日以来、河床が埋まって送水量が減少しながらも半年以上も断水しなかった事の「物理的理由」の理解はするが多くの絶滅危惧種や希重種の死滅に繋がらなかった事は感謝するだけの価値はある。
部農会の農業用水としての利用は放棄されたので行政の手当てもつかない送水設備になったのは「災害復旧」を見込んで申請却下され知った事だけれど、かくなる上は孤爺老骨痩身、叱咤激励しつつ自転車操業・水商売を続けるのみでしかレッドリストに記載されたフイールドの生物を守る手立てはないのであった。でもでも良ーく考えてみれば従来と全く変わらない状況なのであったわい。しかし草臥れたぁ~。骨休めにサワガニが竜宮城へ連れて行ってくれないかなあ。カジカガエルでもいいわ。まあ、他力本願でなく自力救済するとしてもタイ古式マッサージに出かける余力も無い・・・。肩の鍼治療だけは休めない。
上流河床から望む