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 団塊世代の人生時計

 団塊世代として生きてきた「過去」、「現在」、そして「未来」を、自分自身の人生時計と共に綴り、「自分史」にしてみたい。

斑女

2012-01-21 18:07:47 | 音楽
                      斑女

                                         2012年1月21日(土)

 斑女(HANJO)。私の妻は、「マダラメ」と、デタラメな呼び方をしていました。デタラメなのは、斑目原子力安全委員長だけにしてもらいたいものです。

 斑目氏が、国会で原子力発電所の安全問題についてどのように答弁したか。
 彼は、原発の安全対策はどこかで割りきらざるを得ないという趣旨の発言をしたのです。
 つまり、結論は原発建設ありきで、安全対策は適当にしておけば良いということになります。

 どうして彼がこのような発言をしたのか。それは東電側から多額の金銭を受け取ったことが無関係とは誰も思わないでしょう。

 20日の朝日新聞は、「安全委員と審査委員の89人のうち3割近くが2010年までの5年間に8500万円を受けていた」と報じています。

 斑目委員長は、私腹を肥やし国民の安全なんかどうでも良い、と思われても仕方がないのではないでしょうか。
 こういう方が、今でもその職に留まっているということは、原子力をめぐって、電力会社、一部学者、業界といった原子力村の闇が一掃されていないことを示し、いつ何どき再び災害が起こるか分からない不安を、私は覚えます。



 斑女は、三島由紀夫の原作をもとに、細川俊夫がオペラとして作曲したものです。開演前に細川自身の説明がありましたが、これまでに約50回演奏されたそうです。
 演出は平田オリザ、指揮は川瀬賢太郎、花子:半田美和子、実子:藤井美雪、吉雄:小島克正、広島交響楽団というメンバーです。私にとっては、新鮮な顔ぶれでした。平田オリザは売れっ子だと妻が言ってましたが、私は知りませんでした。

 舞台は場面展開もなく登場人物も3人でシンプル。

 美女花子は不実の男吉雄と愛を約束しますが、吉雄はなかなか花子の元には戻ってきません。そのような中、男に愛されない醜女実子は、女花子をものにしようとします。
 やがて、吉雄が花子を探し求めてやってきますが、実子は吉雄を花子に会わせようとしません。花子を巡っての愛の闘争です。
 実子が、花子が吉雄を見たら自分から逃げるのではないかと打ちひしがれている時に、花子が出現し吉雄と再開するのです。しかし、花子はその男を「吉雄」ではないといいます。
 吉雄を待っている間、花子は吉雄そのものを「浄化」してしまったのでしょうか・・。


 願望と現実の間にはギャップがあります。このギャップをどのようにして埋めるか。花子は場合は、狂女になることによってそのギャップを埋めたとも考えられます。しかし、その結果が吉雄に再開した時は、吉雄の存在そのものが分からなくなっている。そのような不条理の世界を考えさせられる作品でした。



・2012年1月20日、広島市中区「アステールプラザ」。





 アステールプラザは複合施設となっており、大・中ホールに図書館、ホテルもあります。



 北隣には広島市文化交流館(旧厚生年金会館)という大ホールがあり、国・市の二重行政の弊害がもろ見えます。







 能を見るのは初めてではありません。25年位前になるでしょうか・・。岳父に水道橋あたりだったと思いますが連れていってもらったことがあります。
 この能舞台は初めてです。


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