障害者施設 19人刺殺
2016年7月28日(木)
7月26日未明、相模原市の障害者施設で、19人が刺殺され26人がけがをさせられるという事件が起こりました。常識的感覚jでは、なかなか理解をすることが困難な事件です。約45分の間に無抵抗の障害者を次から次へと襲い、死傷させる。想像するだにおぞましい気持ちになる訳ですが、犯人の男は、平然とした様子です。
男は、障害者なんかいなければ良い、安楽死を認めるべきだ、障害者に多くの税金がかかる、等のことを言っていると伝えられています。このことから類推すると、障害者は社会的に無用な存在で、抹殺した方が社会に有用という考えと思われます。
この男は、当該障害者施設の元職員であったということが驚きです。障害者施設に勤務する職員には、障害者の人権とかについて研修が行われます。当然、障害者が無用な存在とは真逆の教育なのです。
私は、仕事柄、精神病院や「老人病院」の長期入院患者を見る機会がありました。そこでの処遇はどのようになっていたか。とても、人権を尊重するようなものではありませんでした。(誤解があるといけませので、全ての施設がそうだと言っているのではありません。)例えば、ある精神病院では廊下で風呂に入るための着替えをさせていました。また、ある病院ではオムツの取り換えを時間を決めて行っていました。(当然失禁して長時間経つケースもある訳です。)
病院や施設のスタッフはそういったことをしたくてしているのではありません。限られた人数限られた経費で、そのような扱いをせざさるを得ない実態にあるのです。
研修で施設管理者が入所者の人権を唱えても、人権に十分配慮できないような実態に追い込まれているとしたら、身に付いたものにはならないでしょう。
真に、障害者の人達の人権を尊重した施設であるためには、当然今より多くの予算が必要になります。私は、そのような社会的合意ができる社会かどうか疑問視しています。今回の事件の根底には、このような社会的合意がなされていないことが、あるような気がします。