水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

シャボン玉とんだ宇宙(そら)までとんだ

2012年01月22日 | 演奏会・映画など

 土曜日の午後、音楽座のホームタウン公演「シャボン玉とんだ宇宙(そら)までとんだ」に出かけた。
 新宿の小田急改札付近でロマンスカーの券売機に心ひかれ、ふらふらと特急券を買ってしまう。町田までの28分。特急券は400円。ちなみに池袋からふじみ野までのTJライナー乗車券は300円で20分の乗車。ロマンスカーの座席はJRの特急の普通車よりグレードが高かった。東上線はベンチ、小田急線はソファー。どちらがお得かは論をまたない。がんばれ東武鉄道。このシートに二人並んで座ったら、箱根に着く前にロマンスが生まれるのはまちがいない。すばらしすぎるぞ、小田急電鉄。「株式会社ロマンス」か!
 駅のホームの売店には魅力的なお弁当も売っている。知る限り駅弁のなかで最もCPが高いと思ってる崎陽軒のチャーハン弁当も売っている。新宿でGOGOカレー食べずに来ればよかったと思ったくらいだ。
 土曜のため電車は空いている。おそらくウィークデーだったら、町田まで乗ってしまう通勤の方はけっこういるだろう。ゆったりした気分で座ってたら睡魔に襲われたが、寝過ごして箱根まで行かなくてよかったが、箱根って電車だとほんと近い。
 雨のなかを市民ホールまで歩く。お芝居が始まる。先日本校を訪れてくれた冨永波奈さんがでてくる。うしろで踊っている北村祥子さんもすぐわかった。知り合いがステージにいるのがこんなにどきどきするなんて。よかった知り合いになれて。忘れられないようにメールとかこまめに送るようにしようっと。
 作品は、「作曲家を目指して生きる純朴でシャイな青年・三浦悠介と、スリの親分に育てられた孤児の折口佳代の、純粋な愛を描いた物語」で、音楽座ミュージカルの原点と言える作品だ。
 過去何回もの公演で、多くの人が涙を流し、数々の演劇賞にかがやいてというのも納得できた。
 あらためてミュージカルとは総合芸術だとも感じた。
 昔タモリ氏が、セリフの途中で突然歌い出すミュージカルは不自然だと言ってたのを聞いた。
 たしかにそのとおりだ、そこだけとりあげたら。
 でも不自然と言うなら、高尚な劇団の「赤毛もの」(もうこんな言い方しないかな)なんかもけっこう不自然だ。つまり洋もののお芝居ですね。ブロンドのかつらをかぶった役者さんが「ねぇ、ジェニファー、素敵な夜をすごしてね」みたいな会話するやつ。
 どんなにリアルにつくろうとしたところで、お芝居は根本的に虚構だ。
 ウソくさいものが真実を伝えることもあれば、ふだん遣いの自然な会話だけで構成されたお芝居なのに現実感がない場合もある。
 何が不自然て、役者さんが役に扮して毎日同じ台詞を話していることが一番不自然なのだ。
 自分たちの伝えたいことを他人に伝えようとして、しかも商業演劇だからお客さんに楽しんでもらいたいという思いがあって、その手段としていかにも高尚な演劇を選ぶ人がいれば、宝塚を選ぶ人もいれば、コントを選ぶ人もいれば、プロレスを選ぶ人もいる。
 伝えるためなら何やってもいいんじゃないかな。
 楽器での表現にも同じことが言えるかもしれない。
 できれば、なんらかの形で部員のみなさんにもこの表現形態を経験させてあげたいとも思う。

コメント
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