goo blog サービス終了のお知らせ 

水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

週末

2012年11月26日 | 日々のあれこれ

昨日は、音楽座ミュージカルを観劇し、そのあと演奏してきました。会場で応援いただいた保護者のみなさま、こころよくチケット代をご負担いただいた皆様、ありがとうございました。

 濃ゆ~い週末だった。
 土曜は、学校説明会。個別相談のときのこと、だいたい相談し終えたあとに、「あの吹奏楽の先生ですよね」と言われる。「はい、そうです」「実は先生のブログを拝見させていただいてます」「え、どういうご縁で?」「兄がおりまして、○○高校で吹奏楽をやってたんですが、そのときたまたま読む機会がありまして」「そうですか、ありがとうございます」「それでこの学校の存在を知って、受験校の一つに考えさせてもらいました」
 ありがたいことである。気ままに書かせていただいているこの場が、生徒募集にも役立っているなんて。
 カツカレー愛やら、女装の決意やら書いてる場合ではない。もっと格式高い論考を載せていかねばと思った。
 個別相談を終えて、大講堂に向かうと、音楽座さんステージで発表するメドレーの通しが始まっている。
 だいたい大丈夫かなと思った。あとは元気よくやるだけだ。楽器をトラックに積み込んで練習を終えた。
 打楽器の件や、搬入だんどりの件で担当の方からお電話をいただき、セッティング表を書いたりする。さあ、帰ろうかと思ったら、某TSAXの○○君から、親用チケットを置き忘れたので探してもってきてほしいとの電話が入るので探しにいく。
 明日にそなえて早く寝ようと思ってたが、帰宅すると、そうだった田舎からカニが届く日だった。
 カニさんを解体し、みそを食べやすくし、足から身をほぐしていくと、妻子がどんどん召し上がってくれるので、けっきょく自分は解体の合間に飲んでるだけで、相当時間が経過しても、おなかがくちくならないが、寝る前の過度の飲食はいけないと自制した。
 日曜。8時半過ぎに銀座につくと、ジャイアンツ優勝パレードにそなえて、ものものしい警戒態勢が整えられつつあった。さすがにまだ部員の姿は見えないなと思い、近くのドトールでモーニングセット(380円)をいただいていると、担当の北村さんから「今日はよろしくお願いします」とメールをいただいたので、こちらこそよろしくお願いします(ハート)で返信する。
 集合時間が近づいたので会場前に向かうと、出演する各高校の生徒さんがずいぶん集まっていた。
 うちの部員の姿もいるが、なんで君たちジャイアンツの旗もらってるの。
 北村さんと共に井田安寿さんが、いっしょに川越東を担当しますとおいでになる。うそみたい。
 役者さんが無線で連絡をとりながら、次は川越東さん搬入です、客席に行きますから着いてきて、ここに荷物おいて、いったんロビーに行きますと、何から何まで面倒見てくださるので、顧問の仕事は皆無にひとしかった。
 参加高校生が全員客席に顔をそろえたあと、みんなでロビーに出て簡単なワークショップ。そして再度客席に戻ってリハーサルの見学。
 まさか、ここまで盛りだくさんの一日を過ごさせてもらえるとは考えてなかった。
 普通に一回上演するだけでもおそらく大変なのに、まして踊りっぱなし、歌い放しのステージなのに、そのうえ一日高校生を面倒みようとまで思う彼らのパワーはどこから湧いてくるのかとか、素直に感心した。
 昼休憩に、なかじま先生、武蔵越生のすがの先生と、どこかでお昼とりましょうか、近くでいいですよね、と入ったのが、会場のすぐ前のあった「ボエム」さん。存在は知ってたが、入るのは初めてだ。
 ランチのパスタは、スープ、サラダ、飲み物がついて1480円。おいしかった。もういい歳なんだから、山田うどんばかりではなく、せめてボエムぐらいふつうに行くようにしようかと思った。
 開演が近づく。からだをこわして練習にこれてなかったMくんも、見に来れてよかった。チケットをわたし、安心して席につくと、開演のチャイムがなる。
 音楽がはじまる。ああ、来て良かったと思う。
 ふだんなら、そのまま身をゆだねていればいいのだが、観劇後に自分の本番があるということが、途中からプレッシャーになってきたのも事実だ。
 なので、いつもほど没頭してなかったのかもしれない、あれサビの音程が少し低いかもとか、ハモりのバランスがリハでも指摘されてたけどまだ少しよくないかもとか、ふだん思いもしないことを思った。脚本ももう少し説明してもいいんじゃないかなと思える部分もあった。
 週末、もういっかい一人で来るときは、どっぷりひたろうと思う。
 さて、お芝居が終わる。高校生たちが準備する。
 武蔵越生さんが、さすがのパフォーマンスをする。3年生まで参加しての85名のステージだ。ディズニーランドに五年出続けているというそれは、一つ一つの動きが実に勉強になる。サウンドもちょっとかなわない感じだが、うちには秘策もある。その秘策は見事にはまり、メドレー全体の構成感も悪くなかったなと自分では思えた。
 片付けをして、現地解散。いい経験をさせてもらえた。
 部員一人一人、楽しみ方や感じ方はいろいろだったと思うが、体験しなければわからないことがある。
 こんな表現形態があるということを知るだけでも、なんらかの財産になるはずだ。
 その結果すぐに楽器がうまくなるとか、偏差値あがるとかではもちろんないが、人としての器をちょっと広げることに後々つながっていくことになるとは思うのだ。
 もちろん当事者にはそんな実感はないだろうけど、そういう場を用意してあげることが大人の仕事かなとも思う。
 無事終了し、池袋の「ふくろ」に移動して、なかじま先生と一献傾け、こい週末を終えた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11月26日

2012年11月26日 | 学年だよりなど

 学年だより「新幹線劇場2」
 
 世界的に注目をあびる「テッセイ(鉄道整備株式会社)」も、最初からそうだったわけではない。
 JR東日本に安全システムの専門家として勤務していた矢部さんが、テッセイに着任したのが7年前の夏だった。正直気の進まない異動だったが、「どうせ行くなら、いい会社にしたい!」と気持ちを切り替えて現場を回り始めた。
 スタッフはみなまじめに働いている。与えられた仕事はきちんとこなしている。
 逆に言うと、与えられたこと以外はやろうとしないし、「しょせん清掃員」という意識が蔓延しているように、矢部さんの目にはうつったという。
 ほとんどパートの職員が車内清掃だけを行う会社ではなく、お客さまのためにやれる様々なことをプロデュースする「トータルサービス」の考えを導入したいと矢部さんは考えた。
 そのためには社員の意識をかえる必要がある。組織を簡略化する一方で、研修ひとつにもイベント性をもたせる。一流ホテルの会議室を使っての研修を行ったり、勤務中の待機所を整備したりし、「しょせん清掃員」という意識を徐々にかえていこうとした。
 またテッセイは、入社時は全員がパート職員として採用され、働きぶりによって正社員になっていくという雇用形態をとっていた。しかし、実際には長く勤めた人が順番に正社員になり、40歳後半ではじめて正社員に推薦される状態だった。これではほとんどの若い人が長く働こうとしない。
 これを、パートとして一年働いたのちは、年齢に関係なく正社員の試験を受けられるシステムににし、やる気のある若い人が会社に残るようになっていった。
 入線してくる新幹線に並んで一礼する  これは、規則としてはもともと存在する、安全上の理由で設けられたマナーだ。しかし、形だけの実施になっていたし、実際に接触事故もおこっていた。
 どうせやるなら、みんなでちゃんとやろうという声が、現場の方からあがるようになってきた。
 環境が整えられ、気持ちが変わり、ユニフォームも新しくなる状況におかれると、自然と前向きなアイディアもうまれてくるのだ。
 どうせなら、掃除の後も並んで一礼しよう、それは列車にではなく、待ってくださったお客さんに向かってしようということなった。
 こうして、「礼儀もハンパない」とつぶやかれるようなチームがうまれていく。
 お客さんの感謝や賞賛がまた、彼らを成長させていくという良循環がうまれていったのだ。


 ~ テッセイという会社の輝きを根っこで支えているのは、「リスペクト」と「プライド」です。
 テッセイでは、矢部さんや柿崎さんをはじめとする経営陣、管理職たちの、現場をリスペクトする心、気持ちが、現場に伝わり、浸透しています。「現場こそが主役であり、価値を生み出す源泉だ」と信じ、尊重する姿勢がなければ、現場の輝きなど生まれようもありません。 … リスペクトを感じた現場は、実行主体としてのプライドをもち、意欲的に仕事に取り組み始めます。さらに、テッセイの場合、現場の頑張りをお客さまたちがとても高く評価しています。(遠藤巧『新幹線 お掃除の天使たち』あさ出版) ~


 何をして働くかではなく、どうプライドをもって働けるか。それこそが仕事のやりがいだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする