水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

三日、三ヶ月、三年

2014年11月04日 | 学年だよりなど

  学年だより「三日、三ヶ月、三年」

 アンチエイジングの専門家としてテレビ出演することも多い南雲吉則先生は、もともと乳がんの専門医だ。南雲ドクターはこれまで、患者さんと余命について話す機会も多っかった。
 「かりにあと三日の命だったら、どうする?  何をしたい?」
 患者さんにそんな質問をしてみるという。
 みなさんは、どうだろう。実感は持てないと思うが、仮にあと三日の命だったら何がしたい?
 そう問うた時、多くの患者さんは「おいしいものを食べたい」「お酒をのんで遊びたい」というように、目先の快楽を求めるそうだ。
 では、三ヶ月の命と言われたらどう考えるか。
 「海外旅行に行きたい」「しばらく会ってなかった人に会っておきたい」
 人間は、三ヶ月ぐらいの中期目標を求められると、非日常を求める。
 では、あと3年の命と言われたら、どうするか。
 みなさんなら、どうだろう。
 とりあえず受験やめる?
 そういう人もいるかもしれない。
 受験をやめてどうするのか。海外旅行に出る? 好きなことをする?
 そもそも好きなことって何だ。
 毎日ゲーセンやカラオケに行ってところで、数日でむなしくなるにちがいない。


 ~ ぼくが出会った患者さんの中で、余命3年と言われた人のほとんどが、こう答えた。
「家族との時間を大切にしたい」、「今の仕事をこのまま続けて、やり遂げたい」。
 人間は3年ぐらいの長期の目標を聞かれると、日常に人生の目標を見いだすんだ。
 命が限りないものだと思っていたときには愚痴をこぼしていた家族や仕事が、実はかけがえのないものだったことに、気づくんだね。
 今のこの人生のためにあなたは今、生きているんだよ。
 そう考えたら、家族と一緒に過ごせることに幸せを感じるだろうし、働けることにも幸せを感じられるよね。 (南雲吉則「教えてナグモ先生 大人気ドクター相談室」より) ~


 あと三年の命を大事にしたいと考えたときに、頭に浮かぶもの。それこそが、日常的に大切しなければならないものだと南雲先生は言う。


 ~ ぼくはそのことに気づいたときに、生きていることに感謝するようになった。どんな仕事でもありがたく引き受けるようになった。そして百の仕事があろうが千の悩みがあろうが、いま目の前のことだけに没頭することにしたんだ。
 だって一度にたくさんのことはできないんだから。前のことは悔やまない。先のことは案じない。ただ目の前にことに心を集中する、そう“一意専心”の気持ちが大事だね。 ~


 家族に支えられながら、目標に向かって勉強できる毎日が、どれだけ幸せなことか。

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