水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

小論文のコツ的なもの

2014年11月18日 | 国語のお勉強

 4時間目、調理実習をしてたクラスから一人前おすそわけいただく。
 松茸(!)ご飯、お味噌汁、鶏肉と根菜の炒り煮、卵焼き、みたらし団子。きちっとレシピに従っているせいか、実に手堅い味付けだった。
 お味噌汁が、埼玉ではいただく機会がまずない赤だしで、家庭科の先生に尋ねると信州味噌と八丁味噌のこだわりブレンドだという。ひさしぶりだ。
 午後一の授業がちょうどそのクラスだった。
「おいしかったです」とお礼を言うと、「センター前ヒットのお返し、ということで」と前の方のHくんが言う。なんか生徒さんといい関係できてるぽい感じではないか。
 センター古文の演習の授業だったが、いつも以上にアツい説明をした。
 
 授業の空き時間は、すべて添削に費やされる。
 今は、主に指定校推薦のためのものなので、内容の鋭さよりも、きちっとした日本語にすることを第一課題にしている。
 といっても、書くべき内容がずれていることも多いし、「君は自分の行く学部の学問内容をわかっているのか」と言いたくなることも多い。 
 一般入試の小論文以上に、いろんな分野の課題を指導する。
「東日本大震災の前後で科学技術についての意識がどう変わったか」
「統計的生命価値という考え方について思うところを述べよ」
「腐敗と発酵について説明しなさい」
 そういうのは、大学に入ってから習えばいいのにと思うけど、過去問にあるのだから仕方ない。
「格差社会について述べよ」「グローバリゼーションについて述べよ」というおおざっぱな出題もある。
「グローバル化から最も遠いのが日本の大学である」なんて真実を書かせるわけにはいかないし。

 一般入試の小論文にどの程度まで通用するかはわからないが、いくつかのコツを見いだした。

1 抽象的、一般的、おおざっぱな課題を与えられたときは、なるべく具体的で身近な例を想定して書くとよい。

2 限定された事例について論じるときは、そこから敷衍(ふえん)して、学問全体に通じる内容にふれていくといい。

3 YESかNOか、善か悪か、正しいか正しくないか、といった二項対立にして片方を選ぶ、という立場には立たない。

4 この問題をどう解決するかと問われたら、問題とは実は答えであると設定し、本質面に近づこうとするといい。

5 現象についてどう思うかと問われたら、現象ではなくその現象のもとになる精神について論ずる。

コメント
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