学年だより「スピードをあげる」
プロ野球において、シーズン3割の打率を残せるバッターは、一流選手だ。
3割。10回打席に立って、そのうち3回ヒットを打つことでさえ難しい。
人生においても3割ヒットが打てるなら、たとえば3校受験して1校受かるなら、成功だ。
人は、何かをやろうとしたとき、意外に一回目はうまくいく。
気分よく繰り返そうとすると、2回目から8回目まで失敗し続ける。
多くの人はこの段階で、もしくは3、4回失敗した時点で、チャレンジをあきらめる。
やり続ければ9回目、10回目とうまくいくかもしれないにもかかわらず。
自分はいまスランプかもしれないという時期は、4回目、5回目状態に似ているかもしれない。
そこであきらめさえしなければ、乗り越える可能性が生まれる。
一昨日、駿台川越校舎長の高久さんは、「現役生はこれからのびる」と強調されていた。
わたしたちもそれは心底そう思う。そうでなければ説明できない事例をこれまで幾度も目にしてきたからだ。
あきらめない、粘り強く取り組む、逆三角形で受験する、といった姿勢を保ち続ければ、光は見えてくるはずだ。
ただし、今後は、単位時間の濃度を高めていく必要があるだろう。
話を聞くなら聞く、問題を解くなら解く、という姿勢に、1秒で入れないといけない。
その速さこそが集中を生む。
~ スピードを遠くすることで、集中力がついていきます。
「集中力がある」→「スピードが速くなる」→「ますます集中力がつく」という正のスパイラルに入ります。
モタモタしていると集中力が下がります。
集中力が下がると、ますますスピードが遅くなります。
「モタモタする」→「集中力が下がる」→「ますますスピードが遅くなる」という
負のスパイラルに入るのです。
どちらのスパイラルに入るかです。
起きている時間がどれだけ長いかは、いっさい関係ありません。
膨大な仕事をこなす人は、集中力でこなしています。
1時間で数時間分の仕事ができるのです。
集中力がなければ、10時間かけても1時間分の仕事しかできません。
東大に何人も入るような一流校の生徒には集中力があります。
「勉強は1日何時間やっているんですか」という質問は意味がないのです。
一流の人は圧倒的な集中力を持っています。
集中力は鍛えることでしか伸ばすことはできません。
持って生まれたものではないのです。 (中谷彰宏『一流の時間の使い方』リベラル社) ~