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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

「豈」の用法

2014年11月23日 | 国語のお勉強(漢文)

  「豈」の用法

 「豈」は「どうして?」という意味。
 「豈」を用いた文は、ほとんど反語文になっている。
 反語文とは、疑問文の形を借りた強い否定文のこと。
 だから、「豈勉強」と書いてあったら、「不勉強」を強く言っている。
 たんに「勉強しない」ではなく「勉強なんか、おれがすると思う? するわけねえだろ、このタコ!」という気持ちだ。
 多くの場合、語気詞(終助詞)「哉」「乎」をつけて「!」のニュアンスをつける。
 よって「豈(あ)に ~ せんや」といかにも反語だよという読み方で訓読することになる。
 「豈勉強」は「豈に勉強せんや」。

 「豈不勉強」の場合は、「どうして勉強しないことがあろうか、するに決まってるでしょ。」である。
 「豈に勉強せざらんや」と訓読する。
 「勉強しないわけないじゃないですか、ぜったいがんばりますよ!」という気持ちだ。
 シンプルにまとめると、

 ① 豈 V 哉。(豈にVせんや)= 不 レ V! → 絶対Vしない。

 ② 豈 不 レ V 哉。(豈にVせざらんや)= V! → 絶対Vする。

 Vが目的語をとっても同じ。

 ③ 豈 V レ O 哉。  → 不 レ V レ O! 

 ④ 豈 不 レ V レ O 哉 → V レ O! 

 Vの位置にC(名詞・形容詞的な語)がおかれても意味の取り方は同じ

 ⑤ 豈 C 哉。 → 不 レ O!(非 レ O!)

 ⑥ 豈 S C 哉。→ S 非 レ C!

 ⑦ 豈 不 レ C 哉。→ C!

 ⑦は、たとえば「豈 不(二)君 子(一)哉」という文だ。
 「君子でないわけないよね」→「まじ君子じゃね?」となるので、一般的に感嘆文と言われる。
 「んや」ではなく「豈に君子ならずや」と読む。

コメント (2)
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