所沢市内の小中学校へのエアコン設置の賛否を問う住民投票が始まっている。
航空自衛隊入間基地の防音対策がなされた学校は、二重サッシを締め切ると暑くなり、窓を開けると時折飛行機の音で授業が中断する。
ふつうに考えたら、「エアコンぐらいつけてあげなよ」と思うはずだし、もともとそういう動きだったそうだ。
しかし、東日本大震災で計画が見直される。
見直しを求めたのは、自身も被災地で支援活動を行った経験をもつ藤本市長である。
深い思索に基づいてなされた見直し案かとも少しだけ思ったので、藤本氏のプロフィールなどを読んでみた。
同学年じゃん。早稲田の一文だそうだから、おれも行ってて知り合いになった可能性もある(受けてないけど)。
さらに国語の教員も10年されていたという。
今回の件に関する主張が市役所のホームページにリンクされていた。
~ 「快適で便利な生活」を見直し、行動を起こすとき
東日本大震災、原子力発電所の事故。あのときの気持ちを忘れてはいけない。今変わらないで、いつ変わる。
昨年の大震災、原発事故を経て私たちが追求してきた便利さや快適さが実は、地方の犠牲の上に成り立っていたのではないか、と気付きました。私たちは、あのときの気持ちを決して忘れてはいけないのです。
原発の問題は、便利さや快適さを求めた私たちにも責任の一端があるのではないでしょうか。私たち一人ひとりが足元を見つめ、生き方や路線を変える時との思いがありました。 ~
立派なお考えだ。
あれ? でも、先日所沢ミューズに行ったとき、快適に空調が入っていたし、そこら中自動ドアになり、ふんだんに電気が使われていた。夏に落語を聴きに行ったときは涼しかった。
所沢市役所は、冷暖房を全く使用してないのだろうか。ここまで立派な思想をお持ちの市長さんのご自宅はまさかエアコンおいてないよね。
人の生き方について高邁な目標をかかげるのは、個人としてなされる分には勝手だが、行政の長として、判断の一番の根幹にそれを置かれるのはいかがなものか。
「あなたの気づきなど、どうでもいいです」と個人的には思う。
まして、こどもの学習環境におしつけるというのは。
氏のブログを少し読ませていただいたところ、「エコ大好き!」な方のようだ。
とても同世代とは思えないような若々しく純粋な持論を展開されていて、うらやましいくらいだが、所沢市だから市長になれたのだろうなとも思う。
悪い方ではないのだろうが、視野の狭さに無自覚な方が、自分の善意の方向性を疑うこともなく突き進んだときに、周囲は迷惑する場合もありうる。いい年なんだけどなあ。